| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十九話 風紀委員その二

「絶対にね」
「僕達はわかってるんだ、ただ」
「その人は」
「そう、君のことを知らないから」
 そえでだった、本当に全ては。
 そうしたことを話してだ、宮下君は僕にこうも言った。
「ただ、君は委員長さんにマークされてるから」
「委員長さん自身に言われるかな」
「ひょっとしたらね」
 言われるかも知れないというのだ。
「だからその時は気をつけてね、真面目で厳しい人だから」
「風紀委員らしい人だね」
「僕なんか適当だからね」
 宮下君は自分のことを笑ってこう言った。
「そうしたことはね」
「しないんだ」
「マークするまでもないじゃない」
 他の生徒をというのだ、僕だけじゃなく。
「特に荒れてる学校でもないしね」
「うちの学校は自由だしね」
「最低限のことさえしていれば」
 校則の中でもというのだ。
「それだけでね」
「いいんだね」
「そう考えてるからね」 
「僕に対してもなんだ」
「うん、誰に対してもね」
 特に何も言わないというのだ。
「今回のこともね」
「委員長さんが言わないと」
「君にも聞かなかったよ」
「そうだったんだね」
「というかね」
 本当に、という口調での言葉だった。
「うちの委員長さんは特別だから」
「厳しいんだ」
「そうなんだよ、だからね」
 それで、というのだった。
「気をつけてね。しかもね」
「しかも?」
「八条荘だったよね、大家君のアパート」
「うん、そうだよ」
「その八条荘にね」
 それで、というのだ。
「委員長さん行くらしいから」
「訪問?」
「いや、訪問じゃなくて」
 宮下君は僕にだ、真剣な顔で答えた。
「そうじゃないんだ」
「訪問じゃないって」
「そう、訪問じゃなくてね」
 その真剣な顔で僕に言うのだった。
「入居するらしいよ」
「えっ、入居って」
「あれっ、入居するってことは」
「確かに二十何人も来るって聞いてるよ」
 今七八人だ、ジョーンさんも入れて。
「ただ、それでも」
「誰が来るかは」
「うん、聞いてないから」
「だから委員長さんが来ることも」
「聞いてないよ」
 僕は驚いてそれで自分を何とか保っている顔で宮下君に言った。
「そんなこと」
「そうだったんだ」
「うん、誰が来るかはね」
「ええと、執事さんから」
「畑中さんに任せてるから」
 本当に全部だ、だからだ。
 そう言われてもだ、驚くしかなくて言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧