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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十八話 馬に乗った女の子その十二

「していません」
「インディカ米はですか」
「はい、タイ米かカルフォルニア米か」
「そうした分け方ですか」
「その他はです」
 これといってとだ、小野さんは僕にこのことも話してくれた。
「分けていません」
「そうなんですね」
「タイ米が多いです」
 インディカ米の場合はだ、カルフォルニア米よりもというのだ。
「大体こちらです」
「タイ米はね」
 ラブポーンさんが言う、ここで。
「インディカ米なら第一よね」
「そうです、タイ米はインディカ米の中でも」
「一番っていうのね」
「味もいいですし汎用性が高いです」
「他の国のお料理にも」
「タイ米は合います」
「そうそう、それがタイ米なのよ」
 笑顔で言う彼だった、そして。
 そうしたことを話してだ、そのうえで。
 僕達はジョーンさんにだ、こう問うた。
「あの、それでニュージーランドでの牧場は」
「はい、実家のですね」
「どうした感じでしょうか」
「規模は大きい方です」
 ニュージーランドの牧場の中で、というのだ。
「雇っている人も多いですし」
「そうなんですか」
「羊と馬がいるのね」
 美沙さんはジョーンさんに牧場の家畜のことを尋ねた。
「やっぱり。それと犬よね」
「はい、コリー達も」
「犬は牧場にいないとね」
「どうしても」
 ジョーンさんも美沙さんの問いに答えて言う。
「欠かせないです」
「そうよね、あたし北海道生まれだけれど」
 北海道といえば牧場だ、日本で一番放牧に適した地域だから。
「どの牧場にも犬いるからね」
「ニュージーランドでも同じです」
「犬がいないとね」
「危険も知らせてくらないですし羊も誘導してくれません」
「コリーとかがそうよね」
「あとブリアードもです」
 ここでジョーンさんは僕達が聞き慣れない犬の種類を言った。
「うちにいます」
「ブリアード?」
 その犬のことはだ、小夜子さんが尋ねた。
「あの、その犬は」
「全身が毛に覆われた大型の犬です」
「それがブリアードですか」
「はい」
 その通りだというのだ。
「大きく、そして賢い犬です」
「いい犬なのですね」
「コリーと同じだけです」
 牧羊犬としては、というのだ。そのブリアードという犬は。
「立派な犬です、しかし」
「しかしですか」
「私の家の犬達、ブリアードもいますが」
「その犬ちゃんには何が」
「実は気が弱くて」
 それで、だというのだ。
「少し物音がしただけで怯えます」
「ブリアードはそういう犬なのでしょうか」
「いえ、その子だけは特別です」
 僕の問いにも答えてくれた。
「怖がりなのです」
「そうですか、その子の性格ですか」
「それで今も心配しています」
「その子が向こうで元気にやっているか」
「そのことが気になっています」
 こう僕達に話してくれた。 
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