八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十八話 馬に乗った女の子その十一
「ベトナム料理にはインディカ米よ」
「そうなるのか」
「若しベトナム料理を日本のお米で作ったら」
「合わないか」
「もうこのことは仕方ないのよ」
お米の違い、それはというのだ。
「気候が違って、お米の種類もね」
「和食にはジャポニカ米で」
「そう、他の国って言ってもいいわね」
ダオさんはここで話を大きくしてきた、お米限定にしても。
「アメリカとか中国もでしょ」
「そうヨ、カルフォルニア米もインディカ米ヨ」
「中国のお米は大体インディカ米あるよ」
ジューンさんと水蓮さんもこう言うのだった。
「お米はネ」
「インディか米ある」
「メキシコでもよ」
モンセラさんもこう言って来た。
「お米はインディカ米なのよ」
「オーストラリアでも」
エリザさんも参戦してきたけれど。
「インディカ米」
「というか日本以外インディカ米ではありませんの?」
円香さんも首を傾げさせるのだった。
「お米は」
「まあ実際そうですね」
ここで小野さんが出て来て僕達に言ってくれた。
「ジャポニカ米は世界的にはマイナーです」
「やっぱりそうですね」
「はい、しかし」
「和食にはですね」
「ジャポニカ米です」
これしかないとだ、小野さんも言うのだった。
「インディカ米はどうしてもです」
「和食には合わないですね」
「はい、合いません」
実際にそうだというのだ。
「合わないのです」
「お米の形や質が違うのですよね」
千歳さんも畑中さんに問う。
「ジャポニカ米とインディカ米では」
「そうです、ですから私も」
「変えてるんですか」
「お料理によって」
そうしているというのだ、小野さんにしても。
「タイ料理の時はインディカ米にしています」
「カレーの時は」
早百合先輩もだ、小野さんに尋ねた。
「どちらにされているのでしょうか」
「日本のカレーの時はジャポニカ米です」
「それでタイカレーやインドカレーの時は」
「インディカ米です」
そちらのお米だった、同じカレーでも。
「そうしています」
「そしてそうしたお米がですね」
「一番美味しいです」
「成程、そうしてお米も換えているから」
「美味しいのです」
「主食を変えると」
「それだけで全く違います」
僕はその話を聞いて唸った、食べている途中なのでそれで腕を組まなかったがそれでもだ。小野さんの言葉に唸って応えた。
「そうなんですね。同じお米でも」
「そこが大きく違います」
「それで今は和食なので」
「ジャポニカ米です」
「だからなんですね」
「そしてジャポニカ米はササニシキかコシヒカリです」
その二種類のうちだ、どちらかだというのだ。
「どちらかにしています」
「ササニシキか、ですか」
「コシヒカリです」
「やっぱりそれも」
「料理によって分けています」
「それじゃあインディカ米は」
「こちらはそうした分け方は」
あまり、という口調だった。小野さんの今の言葉は。
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