八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十六話 ある晴れた日にその五
「何ていうかね」
「否定出来ないのね、大家さんも」
「あれ穿いて体育の授業はね」
「普通に下着がはみ出ない?」
「そうなるね、やっぱり」
この目で、学園では見たことがないからこうした返事だった。
「本当に」
「うん、あのデザインだとね」
「そうしたことを考えたら」
「あれはないんじゃないの?」
「半ズボンの方がいいよね」
「女の子としてはね」
穿く側からみればとだ、モンセラさんも言う。
「あれは嫌よ」
「昔だとね」
ここで僕はこんなことを言った。
「日本の先生っておかしな人が多いから」
「セクハラとかよね」
「普通に多いからね」
僕の偏見かも知れないけれど私学で先生のチェックが厳しい八条学園ならともかくだ。公立の学校とか日教組の力が強い学校はだ。
おかしな先生が多いという考えがある、僕の中には。
「暴力とか振るう先生もね」
「日本の先生っておかしな人が多いのね」
「うちの学園は別だけれど」
「普通の学校は?」
「うん、セクハラとか暴力を振るう先生が多いから」
「じゃああんなの穿いてたら」
「普通に犯罪が起こるね」
教師が起こす犯罪というものがだ。
「いや、昔はあったけれど」
「あったけれど?」
「もみ消していたのかな」
普通に考えられるところが怖い、先生の世界は。
「やっぱり」
「酷い話ね」
「日本の学校の先生には気をつけないとね」
理由はこれまで話した通りだ、おかしな人が多いからだ。
「そうした下手な露出を見せてると」
「何されるかわからないから」
「僕の知ってる先生なんか部活、剣道部で女の子泣かして笑ってたよ」
「立派な人間の屑ね」
「それでも普通に先生やっていけるからね」
本当に怖いことだと思う、そうした人間が普通にいられる世界は。
「あの世界はね」
「そんな服着てたら」
「そう思うよ」
僕はしみじみとして言った。
「いや、なくなってよかったよ」
「そうでしょ」
「というかね、私学校の授業であれ穿けって言われたら」
「起こる?」
「凄くね」
そうするとだ、モンセラさんは断言した。
「そんなの絶対に嫌だから」
「そうだろうね」
「まあ、とにかくね。ブルマがないから」
「安心して体育の授業も出来るんだね」
「そうよ」
まさにという口調での返事だった。
「ブルマって何なのよ」
「本当に嫌なんだ」
僕はこのことがわかった、モンセラさんが本当にブルマが嫌だということを。そしてモンセラさんは晩御飯の時に皆にもブルマのことを言った、するとだった。
詩織さんもだ、苦い顔で言った。
「あれはね」
「そうですね」
小夜子さんも詩織さんに続く、とても暗い顔で。
「あれを穿いての体育の授業は」
「勘弁して欲しいわ」
「全くです」
こう言うのだった、二人共。
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