八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十六話 ある晴れた日にその六
「ブルマは下着と同じです」
「お外には出られない格好でしょ」
「何故ああした体操服だったのか」
「不思議で仕方ありません」
「本当にね」
「どうかと思います」
こう話すのだった、そしてだった。
留美さんもだ、ブルマについては苦い顔で言うのだった。
「あれは無理です」
「全くですわ」
円香さんも言う。
「ブルマだけはありませんわ」
「私は半ズボンならいい」
「わたくしもですわ」
二人で言うのだった、そしてだった。
ジューンさんはだ、密かに日本人の娘達に怪訝な顔で尋ねた。
「具体的にどんなノ?ブルマっテ」
「下着。ショーツあるか?」
水蓮さんも首を傾げさせて言う。
「昔の日本は下着姿で体育してたノ?」
「それは幾ら何でもあるぞ」
「だから。ブルマってね」
ここでこう言ったのは美沙さんだった。
「前まで他の国でも穿いてたじゃない、バレーボールで」
「ああ、あれネ」
「あれあるか」
ここで二人もわかった、ブルマについて。少なくとも僕にはそう見えた。
「あれは確かに恥ずかしいネ」
「あれは着られないある」
「私にもわかったわよ」
「私も」
ダエさんとラブポーンさんも言うのだった。
「昔のバレーボールで穿いてたあれは」
「絶対に無理よ」
「というか誰なのかしらね、あんなの作ったの」
「不思議よね」
イタワットさんとテレサさんも嫌そうな顔で首を傾げさせていた。
「男だけでしょ、見て喜ぶのは」
「女の子以外は喜ばないわよ」
「到底ね」
「有り得ないわ」
「私もブルマは」
今のところ唯一の三年生である早百合先輩も言って来た。
「駄目です」
「そういえば私の時にはもう」
メイドの小柳さんがここでこう言って来た。
「ありませんでした」
「小柳さんの学生時代には」
「私が小学校に入った頃には」
既にというのだ。
「なかったです。何でも今から二十年以上前に八条学園では廃止されていました」
「そうだったんですね」
「はい、ですから」
それで、というのだ。
「私も穿いたことはないです」
「そうなんですね」
「穿かなくてよかったと思います」
小柳さんの心からの言葉だった。
「いや、本当に」
「女の人は皆嫌なんですね」
「好きな人以外に見せるのは」
そのブルマ姿をというのだ。
「どうしても嫌です」
「好きな人ならですか」
「別です」
こうだ、小柳さんはかなり真剣に話した。
「そうした人の前ですと」
「大丈夫ですか」
「はい、私は」
「ううん、好きな人ならですか」
「別です」
「あれっ、じゃあ小柳さん今は」
千歳さんは小柳さんお今の言葉に問い返した。
「付き合っている方は」
「います」
一言での返事だった。
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