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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十六話 ある晴れた日にその一

                第十六話  ある晴れた日に
 世界の国は色々だ、僕は今このことを痛感していた。
 食堂でモンセラさんとテレサさんは言い合いを続けている、その二人の言葉は日本語から何時の間にかスペイン語になっていた。
 テレサさんはその他にも言語を入れていた、その言語はというと。
「英語混ざってない?」
「そうよね」
 詩織さんと美沙さんが最初にこのことに気付いた。
「そんな響きがね」
「聞こえるわね」
「あともう一つね」
「何か言ってるわね」
「タガログ語ね」
 今度はラブポーンさんが指摘した。
「これは」
「そういえばフィリピンって言語多かったね」
「そうそう、それでね」
 ラブポーンさんは僕にも話してくれた。
「あの娘も言葉が混ざってるのよ」
「幾つか」
「まあ母国語出すレベルだとね」
 それこそとだ、ラブポーンさんはこうも言った。
「エキサイトし過ぎだから」
「もう頃合だネ」
「止めるある」
 ここでジューンさんと水蓮さんが出て来てそれぞれ二人の間に入ってだ、そのうえでこう二人に対して言った。
「はいはい、ここまでにしテ」
「御飯食べるある」
「折角美味しいもの食べてるんだかラ」
「仲良く食べるあるよ」
「うっ、そうね」
「食事中だしね」
 テレサさんとモンセラさんもだ、二人の言葉に頷くのだった。
「それじゃあね」
「仲直りしてね」
 お互いに言ってだ、そしてだった。
 二人は握手をしてだ、それからこう言い合った。
「お互いこれでね」
「恨みっこなしってことでね」
「これ以上の言い合いはね」
「しないでおこうね」
「じゃああらためて」
「御飯食べましょう」
 こうしてだった、二人はあらためてそれぞれのお昼御飯を食べた。こうして僕達は日常の生活に戻ることとなった。
 そしてだった、モンセラさんは自分で言った通りにだった。
「私プロレス同好会に入部届け出したわ」
「女子のだね」
「ええ、明日それが認められてね」
 そしてとだ、アパートの庭でコーヒーを飲みつつだった。モンセラさんは一緒に飲んでいる僕にこう話してくれた。
「正式に入部よ」
「それでルチャ=リブレをするんだね」
「トレーニングはね」 
 今度はそれの話だった。
「ちゃんとしてるから」
「ああ、ルチャ=リブレの」
「来日直前までしてたの」
「へえ、熱心だね」
「毎日しっかりトレーニングしないとね」
 モンセラさんはコーヒーを飲みつつ笑顔で僕に話していく。
「ルチャ=リブレは駄目なのよ」
「そうなんだ」
「跳んだり跳ねたりするでしょ」
「そのバネを維持して養う為にも」
「そう、トレーニングは続けないと駄目なのよ」
「さもないと勝てないんだね」
「そうよ、それがルチャ=リブレよ」
 そうだとだ、僕に話してくれた。 
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