八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十五話 テキーラの国からその十二
「女の子がね」
「どんどん集まってきてるわね」
「一日に一人の割合でね」
「入居の娘が入って来てね」
「急に賑やかになってるね」
その八条荘がだ。
「大家君の周りって」
「もう花園じゃない」
「アパート自体がね」
「お屋敷だしね」
「お花の見事な」
そうした場所だというのだ、そう話してだ。そのうえでだった。
僕はH組の女の子達と別れてだ、そしてだった。
そのうえでだ、そのモンセラさんと一緒に食堂に行った、その時に横を並んで歩いてくれる彼女にこう話した。
「お昼の後でね」
「その後でよね」
「うん、ある程度だけれど」
こう前置きして彼女に話した。
「校内を案内させてもらうよ」
「物凄く広い学校よね、ここ」
「学園全体で世界屈指の広さだよ」
その敷地面積がだ。
「高等部にしても相当に広いよ」
「そうよね」
「うん、だからね」
それで、というのだ。
「ある程度なんだ」
「案内出来るのは」
「お昼休みだけだと」
それも食べてその分時間を使った後だった。
「学園の重要な場所しかね」
「回れないのね」
「そうなんだ」
こうモンセラさんに話した、食堂までの廊下を進みながら。
「だから後で地図渡すから」
「学校の地図ね」
「とにかく桁外れに広い学園だから」
「わかったわ、私もはじめてここに来てびっくりしたから」
モンセラさん自身もとだ、僕に話してくれた。
「この広さにね」
「モンセラさんもなんだ」
「ええ、この広さだと」
それこそ、というのだ。
「そうなったわ」
「そうなんだね」
「けれど地図があったら」
「大丈夫だよね」
「ええ、方今音痴じゃないから」
「道に迷わないね」
「だから安心してね」
こう僕に笑顔で話してくれた。
「このことはね」
「わかったよ、それじゃあね」
僕も笑顔で頷いた、そしてだった。
僕はモンセラさんと一緒に食堂に入った、食堂ではもうアパートの皆が揃っていた。そこでお互いに自己紹介となった。
その自己紹介が終わってからだ、留美さんと円香さんがこんなことを言った。
「ふむ、メキシコか」
「そちらの方とはお聞きしていましたが」
「ではやはりか」
「そのプロレスは」
「ルチャ=リブレよ」
まさにそれだとだ、モンセラさんは笑って二人に話した。食べているメニューは日本の洋食であるコロッケ定食だ。モンセラさんが自分で美味しそうということで頼んだものだ。
「それよ」
「そうか、やはりな」
「それですわね」
「メキシコのプロレスといえばな」
「やはり、ですわね」
「そうそう、跳んだり跳ねたりしてね」
そのコロッケ定食を箸を器用に使いながらだ、モンセラさんは食べてそのうえで留美さんと円香さんに答えた。
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