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オズのムシノスケ

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第四幕その二

「一緒に行こう」
「わかりました、それじゃあ」
「さて、それではね」
 皆で行くことを決めるとです、教授は。
 その手に懐中電灯を幾つも出してです、皆にそれぞfれ手渡してそのうえであらためて言いました。
「これを持って行こう」
「天井裏は暗いですからね」
「暗いより明るい方が見つけやすいからね」
 だからだというのです。
「ここはね」
「これで照らしながら」
「ボタン=ブライトを探そう」
「わかりました、それじゃあ」
「さて、ここにいればいいがね」
 教授は皆と一緒に脚立を天井の隅に持って行きながら言いました。
「いなければまた別の場所に行こう」
「そうですね、それじゃあ」
「まずはここを」
 皆でお話しながらでした、そのうえで。
 天井の隅を開けてまずは教授と男の子達が天井裏に入りました。次にドロシーと女の子がです。トトはドロシーがまず両手に掴んで持ち上げて天井裏に入れました。
 そうして皆で天井裏の捜索に入りました。懐中電灯を点けたところでトトが皆にこんなことを言ってきました。
「ボタン=ブライトの匂いが結構するよ、ここは」
「じゃあここにいるのかな」
「ボタン=ブライトが」
 ジョージと神宝はトトのその言葉を聞いて言いました。
「この天井裏に」
「果たして」
「ううん、そこまではわからないけれど」
 それでもと言うトトでした。
「匂いが強いことはね」
「確かなんだ」
「そうなんだ」
「うん、決行するよ」
「それならまずは懐中電灯を点けたし」
 それでだというのでした、教授は。
「皆で探そう」
「わかりました、じゃあ」
「今から」
 ジョージと神宝が応えてでした、皆で。 
 天井裏の隅から隅まで照らしながらです、ボタン=ブライトを探しました。トトもドロシーの足元でお鼻をくんくんとさせながら捜します。
 ですが。七人とトトはです。
 天井裏にボタン=ブライトを見付けられまんでした、そこの隅から隅まで丁寧に探しましたがそれでもです。
 彼は起きても寝てもどっちでもその場にいませんでした。それでナターシャがこう皆に言いました。
「ここにはいないみたいね」
「そうね、かなり捜したけれど」
 恵梨香がナターシャに答えます。
「残念だけれど」
「他の場所に行きましょう」
「ええ、それじゃあね」
「あっ、待って」
 ですがここで、です。不意に。
 カルロスが片隅を懐中電灯で照らしながらです、こう言いました。
「ここに何かあるよ」
「あれっ、これは」
 カルロスの懐中電灯が照らす先を見てです、ドロシーは思わず声をあげてしまいました。
「スカーフだわ」
「そうですね、これは」
 見れば赤いスカーフです、カルロスも言います。
 そしてカルロスがそのスカーフのところに行って手に取ってそのうえで皆のところに戻るとです、教授が言いました。
「それはセーラー服のスカーフだね」
「セーラー服の、っていいますと」
「うん、トト君いいかな」
「匂いを嗅いでだね」
「それで確かめてくれるかな」
 トトにも言うのでした。
「そうしてくれるかな」
「うん、いいよ」
「それではね」
 こうお話してでした、トトはその赤いスカーフの匂いを嗅ぎました。そのうえで皆に対してはっきりとした声で答えました。 
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