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オズのムシノスケ

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第四幕その三

「間違いないよ」
「ボタン=ブライトのものだね」
「彼の匂いが凄くするよ」
「そう、それではね」
「うん、彼のね」
 まさにというのです。
「スカーフだよ」
「では彼はここに来ていたんだ」
 そのことは間違いないとです、教授は言いました。
「こんなところによく入っていたものだと思うけれど」
「寝るのにいい場所だからですか?」
 ジョージが首を傾げさせつつ教授に尋ねました。
「彼がここにいたのは」
「確かに静かで涼しいからね」
「だからいたんですね」
「うん、ただ」
「ただ?」
「何時どうして忍び込んだのかな」
 教授はこのことを不思議に思うのでした。
「一体」
「確かに。そのことがですね」
 どうもとです、神宝も言います。
「気になりますね」
「全くだよ、ただ」
「ただ?」
「彼がここにいたことは間違いないよ」
 そのことはというのです。
「この天井裏にね」
「そうですね、そのことは」
「そしてね」
 そうしてだというのです。
「彼は今はいない」
「他の場所にいますね」
「では次の場所に行こう」
「はい、わかりました」
 こうお話してした、そのうえで。
 一行はスカーフを持ってそのうえで天井裏を出ました、それからです。
 校舎の中を隅から隅まで捜しました、ですが校舎の中には誰もいませんでした。それでなのでした。
 教授はです、皆に考えるお顔で言いました。
「さて、ではね」
「次はですね」
「何処を捜すかですね」
「皆がよく行く場所にはね」
 そうした場所にはというのです。
「彼がいたら」
「すぐに見つかりますね」
 ナターシャが教授に答えます。
「そうですね」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「学生の人達がよくいる様な場所はね」
「捜さなくていいですね」
「人があまり入らない場所を捜そう」
 大学のそうした場所をです。
「ここはね」
「じゃあ何処か」
「グラウンドやプール、講堂や教室はね」
 そうした場所はというのです。
「特にいいよ」
「人が多いから」
「若し部外者である彼がいればね」
「見付けてですね」
「そして話は終わるよ」
「では」
「そう、それではね」
 教授は皆に何処を捜すかということをお話するのでした、そうして。
 実際にそうした場所を捜していくのでした、その中で。
 一行は大学の中の皆がいる場所は避けるのでした、その人気がない場所は何処になるかろいいますと。
 教授はです、こうした場所もないと言いました。 
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