八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八話 お団子頭の女の子その六
「拳法部ある」
「拳法するんだ」
「蟷螂拳をしているある」
実際に両手の指を蟷螂のそれの様な形にさせてだ、僕達に話してくる。
「とはいっても腕はまだまだあるが」
「へえ、蟷螂拳やってるんだネ」
ジューンさんが潘さんの言葉に笑顔で応えた。
「ワタシも格闘技やってるけれド」
「何あるか?」
「マーシャルアーツだヨ」
実際にマーシャルアーツに構えをしてだ、ジューンさんは明るく応える。
「こっちだよ」
「それをしているあるか」
「そうだヨ、一回手合わせしてみるかイ?」
「面白いあるな、ただある」
「ただ?」
「私老師、師匠に言われたある」
蟷螂拳のその師匠であることは僕を含めて他の人にもわかった。
「拳法は何の為にするか」
「キルの為じゃないネ」
「己の心身を鍛える為にすることある」
そう教えてもらったというのだ。
「そう教えてもらったあるよ」
「そうだネ、格闘技もスポーツだからネ」
ジューンさんもだ、潘さんのその言葉に笑って応える。あとァンさんと呼ぶのは本人が水蓮さんでいいというから止める。水蓮さんと呼ぶことにした。
「そういうのは守らないとネ」
「心のない力はただの暴力ある」
まさにその通りの言葉だ。
「最悪のものある」
「うん、いい考えだヨ」
ジューンさんは水蓮さんの言葉に明るい笑顔で頷いた。
「それで拳法は、だネ」
「いつも心に刻み込んでしているある」
そうだというのだ。
「あとお料理もしているあるが」
「そっちは何が得意なんだい?」
美沙さんが期待する声で問うた。
「やっぱり中華料理だよな」
「そうある」
「広東とか上海とか」
「いや、どっちでもないある」
「あれっ、そうなんだ」
「開封は開封の味が存在するある」
水蓮さんの故郷のその味が、というのだ。
「私はそっちあるよ」
「開封の味かあ」
「そうある、ただ上海も広東も作れるある」
どっちも作ることは出来るというのだ。
「北京も四川もある」
「それってかなり凄いじゃないか」
「美味しいものは何でも作るある」
その切れ長の目を綻ばさせてだ、水蓮さんは美沙さんに答えた。
「中華鍋を使って」
「本格派なんだね」
僕は水蓮さんのその言葉を聞いて言った。
「どのお料理も作られるって」
「何でもやってみるが私の心情あるよ。それであるが」
「それでっていうと」
「私明日から登校するある」
八条学園、そこにというのだ。
「何でもクラスはD組らしいある」
「ああ、あのクラスなんだ」
とりあえずそのクラスの知り合いの顔が何人か浮かんだ、あの連中なら水蓮さんも大丈夫だろうと思った。
「楽しいからね」
「楽しいクラスあるか」
「うん、多少変わった奴が多いけれど」
その知り合い連中だ。
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