八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八話 お団子頭の女の子その四
「まさに常に」
「そうなんですね、それで甲子園は」
「是非行かれて下さい」
こう僕に答えてくれた。
「何時行かれるかも問題ですが」
「はい、日曜に」
僕は畑中さんにその日も話した。
「皆でと」
「日曜ですか、その日は」
「はい、その日は」
「私は留守番になりますね」
「また入居者が来るかも知れないからですか」
「その手続き等もありますので」
だからだというのだ。
「申し訳ありませんがその日はです」
「留守番ですね」
「そうさせて頂きたいのですが」
「わかりました」
僕は畑中さんにすぐに答えた。
「留守番お願いします」
「それでは」
「じゃあそれで」
「はい、後ですが」
ここで話が変わった。
「今日のうちにです」
「入居者がまた来るんですね」
「はい、そうです」
まさにその通りだというのだ。
「今からその用意をしますので」
「何か毎日一人ずつで」
本当にそのペースだ、物凄い勢いだと思う。
「入居者の人が増えていますね」
「これも縁ですね」
「縁ですか」
「人が集まること、そのこともです」
縁だというのだ、言われてみればその通りだとだ、僕も畑中さんのその言葉に納得して頷いた。
「そうですね、何か最近よくこうしたお話をしますけれど」
「それだけこのことを実感されているのです」
僕自身が、というのだ。
「縁というものにも」
「そうなんですね」
「縁はこの世で最も不思議なものの一つです」
「最も、ですか」
「はい、そうです」
まさにというのだ。
「私もその縁で義和様にお仕えしています」
「ううん、それも縁ですね」
「その場にたまたまいたから会い」
人と人がだ。
「絆がはじまることもあります」
「あっ、そうしたことは確かに」
「義和様にもありますね」
「親父なんかよく言っています」
「止様の場合は特にですね」
「親父はたまたま会った人とすぐにベッドに入ります」
その時にお袋にあって大騒ぎになったことが月平均で五回は普通にあった、つくづく糞親父の中の糞親父だ。
「そういうのを見てきましたから」
「だからそうしたこともおわかりなのですね」
「はい、僕にしましても」
「そうですね、それでは」
「縁は楽しむものだと言われました」
その糞親父にだ、あの親父は楽しみ過ぎだけれど。
「それじゃあ僕も」
「それでは」
「はい、次の人もです」
「どんな人か楽しみにさせてもらいます」
「それでは」
こうした話をしていよいよ夕食かと思った時にだった。
そこでだ、家のチャイムが鳴ってだった。そこから外に出ると。
白いブラウスに青のズボン、よく見ればブラウスの襟のところが詰襟みたいになっていて中華風だ。背は一六七位あって。
ページ上へ戻る