八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八話 お団子頭の女の子その一
第八話 お団子頭の女の子
八条荘に帰るとだ、畑中さんが僕にこう言って来た。
「今日にです」
「新居の方がですね」
「はい、また来られます」
「今度の人はどんな人でしょうか」
「中国からの方です」
今度はこの国だった。
「あちらから来られます」
「中国からですか」
「左様です」
「そういえばあの国からの留学生も多いんでしたね」
「かなりの数になります」
日本全体でもだ、中国からの留学生の人もかなり日本に来ているのだ。僕はこのことをかなりいいことだと思っている。
「勿論八条学園でも」
「そうですよね、僕もずっと」
「接して来られていますね」
「はい、中国から来ている子とも」
同じ八条学園の生徒としてだ。
「ずっと接してきています」
「そうですね、では」
「どの国の人も同じです」
僕にとってはだ。
「その個人がいいか悪いかですよ」
「その通りです、それでは」
「どの国の人でもいいですから」
ジューンさんの時と同じだとだ、僕は畑中さんに答えた。
「大家としては」
「それではその方も」
「お願いします、ただ」
「ただ、とは」
「中国って言っても広いですよね」
日本の二十四倍だったか、それだけの国土がある。僕は畑中さんにこのことから問うたのである。
「あの国の何処から来られてるんでしょうか」
「開封だとか」
この街だというのだ。
「あちらの出身とのことです」
「開封ですか」
「中国の古都の一つです」
「確か宋の都でしたね」
僕は開封という名前からある小説を思い出して畑中さんにこうも言った。
「水滸伝の」
「そうです、北宋の都でした」
「そうでしたよね」
「あちらの方だそうです」
「そうなんですね」
「そちらから来られていまして」
日本に留学しに来ているというのだ。
「本日ここに到着されます」
「それで引越しの作業は」
「はい」
畑中さんが執事さんのユニフォームである蝶ネクタイのタキシードのポケットからベルを出して鳴らすとだった。
すぐにあの影の実行部隊の人達が出て来てくれた、畑中さんはその人達を手で指し示しながら僕に話してくれた。
「この方々がおられます」
「そうですか、わかりました」
「いつも通りですので」
この人達がしてくれるというのだ。
「ご安心下さい」
「わかりました、それじゃあ」
僕も畑中さんの言葉に頷いた、そうしてだった。
僕は畑中さんにだ、今日ジューンさんと話したことをそのまま話した。
「甲子園ですか」
「はい、あそこに皆で行こうと」
考えていることを話した。
「どうでしょうか」
「いいですね」
畑中さんは微笑んで僕に答えてくれた。
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