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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七話 アメリカからの入居者その十五

「それも幾つもあって」
「普通科であれだけあってね」
 生徒数の関係出そうなっている。
「商業科、工業科、農業科、水産科と各学科でね」
「それぞれあるのネ」
「広くて生徒数が多い学園だから」
 グラウンドもなのだ。
「グラウンドも幾つもあるんだ」
「それも広いのガ」
「そうだよ、身体を動かすことにも支障ないヨ」
「野球部もあるネ」
「あるよ、しかも野球部の寮もね」
 それもあるのだった、他にはラグビー部や柔道部の寮もある。男子寮に女子寮もあるけれどうちの学園は盛んな部活には専属の寮があるのだ。
「あるんだ」
「野球もだネ」
「野球好きなんだ」
「やることはないけれど観ることはネ」
 それはというのだ。
「大好きだヨ」
「じゃあ日本でも野球してるからね」
「阪神タイガースってチームあるよネ」
 ジューンさんから言って来た。
「あのチームいいユニフォームだネ」
「あっ、阪神好きなんだ」
「好きになれそうだヨ」
 ジューンさんはにこりと笑って僕に答えた。
「あのユニフォームを観てるとネ」
「それはいいね、あのチームはいいチームだよ」
 僕も嫌いじゃない、阪神には他のチームにはない魅力がある。勝っても負けてもそこには華があるチームだ。
「だから僕もね」
「ワタシがあのチームを応援したラ」
「嬉しいよ」
「そうなんだネ、他のチームも観てネ」
「日本で応援するチーム決めるんだ」
「そうするヨ、アメリカにいた時はドジャース応援してたヨ」
 その理由はわかった、ロサンゼルスのチームだからだ。
「いいチームだヨ」
「野茂さんのいた」
「あのトルネードの人だネ」
「うん、あの人がいたチームだよね」
「そうだヨ、ワタシ野茂好きだヨ」
 笑顔で僕にだ、野茂さんのことも答えてくれた。
「いいピッチャーだったネ」
「うん、ただね」
「ただ?」
「阪神にいればね」
 近鉄でもよかったけれど。
「阪神にいればね」
「もっとよかったのネ」
「そう思う時もあるよ」
「阪神ねエ」
「まあ阪神は観ていて損はないよ」
 それこそ勝っても負けてもだ。 
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