八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七話 アメリカからの入居者その八
「ロサンゼルスは日本からの観光客も日系人も多いですね」
「ワタシ日系人の友達も多いヨ」
「その日系人の方からもですか」
「聞いてたノ、日本のことヲ」
「それで余計に興味を持たれて」
「ロスにも和食のお店多くテ」
今度は食べものの話だった。
「どれも美味しくてここからも興味を持ってネ」
「それではですね」
ここで小野さんが出て来てジューンさんに尋ねた。
「今の料理はどうでしょうか」
「これだネ」
「はい、肉じゃがに秋刀魚の塩焼き、もやしのおひたしに椎茸としめじのお味噌汁、梅干にです」
「納豆だネ」
「如何でしょうか」
「どれもいいヨ、ワンダフル!」
また大きな動作で言うジューンさんだった。
「納豆が特にネ!」
「納豆も大丈夫ですか」
「納豆もどれも大好きだヨ!」
ジューンさんの今の言葉には僕も驚いた、他の皆も。それで美沙さんもびっくりしてジューンさんに問い返した。
「それ本当かい?」
「納豆が好きってことだネ」
「ああ、アメリカ人でも納豆食うのか」
「嫌いな人も多いけれどネ」
実際にその納豆を掻き混ぜて御飯にかけて美味しそうに食べている、しかもそうしながらだった。お箸も上手に使っている。
「ワタシは違うヨ」
「そうなんだ」
「嫌いな食べものないヨ」
「じゃあ和食だけじゃなくて」
「中華もイタリアもメキシコもネ」
それこそ何でもだった。
「好きだヨ」
「じゃあ特に好きなものは」
「ハンバーガー」
実にアメリカ人らしい返事だった。
「あれが一番だネ」
「そうなんだ、ハンバーガーが一番好きなんだ」
「そうなんダ、ワタシ自分でもハンバーガー作るヨ」
「ううん、成程ねえ」
「趣味は料理、それにマーシャルアーツ」
格闘技だった。
「それしてるヨ」
「ああ、うちの学園部活の数多くてね」
それでとだ、僕はジューンさんに話した。
「マーシャルアーツ部もあるよ」
「あっ、じゃあこっちでも出来るネ」
「うん、マーシャツアーツをね」
「それいいネ、じゃあ私部活はネ」
「マーシャルアーツ部だね」
「それに入るヨ」
「まさか格闘系の方が入られるとは思いませんでした」
小野さんもこのことには驚いていた、そのうえでの言葉だった。
「マーシャツアーツとか」
「そうですね、僕もまさかと思いました」
「いや、趣味は千差万別だヨ」
ジューンさんはその僕達にこう返した。
「だからネ」
「ジューンさんがマーシャツアーツをしていても」
「普通のことなんだね」
「そうだヨ、あと私陸上部してるかラ」
そちらもしているというのだ。
「掛け持ちになるかナ」
「どっちがメインなんだい?それで」
「陸上かネ」
そちらではないかとだ、美沙さんにも答えたジューンさんだった。
「やっぱり」
「へえ、そうか」
「マラソンしてるヨ」
陸上競技はこちらだった。
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