八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七話 アメリカからの入居者その一
第七話 アメリカからの入居者
八条学園は世界各国から人が来る学園だ、それで高等部も実に国際色豊かだ。詩織さんも小夜子さんも僕にこのことについてだ、昼食の時に言ってきた。
「あの、うちの学園は」
「かなり独特ですが」
「その中でもです」
「国際色が豊かですよね」
こう僕に言って来た、僕達はこの時校舎の屋上で一緒にお弁当を食べていた。小野さんが作ってくれたそれをだ。鮭に野菜の煮付け、そしてデザートもあるバランスの取れたものだ。何げに僕の好きながんもどきもあるのが嬉しい。
「色々な国からの留学生の人がいて」
「そのことに驚いています」
「それこそ世界各国からですよね」
「来ておられますよね」
「大体全校生徒のどれ位だろうね」
美沙さんも、いる美沙さんは自分のお弁当を勢いよく食べつつ言って来た。
「二割は絶対にいるよね」
「うん、三割近くはいるね」
僕は美沙さんにこう答えた。
「それ位だね」
「三割か」
「うん、何しろ八条グループは全世界に進出しているからね」
「だからですね」
「全世界から生徒が来て、ですね」
「数も多いんだね」
「そうなんだ、多分日本で一番留学生が多い学校だよ」
このことは間違いないと思った、自分でも。
「来ている国もね」
「どの国から来ていないんだい?」
美沙さんが問うて来た。
「そう聞いた方が早い位だよね」
「そうだね、北朝鮮からの人はね」
「あの国だけかよ」
「流石にあの国からは来ていないよ」
「というかあの国はまた別だろ」
美沙さんも北朝鮮と聞いてこう返した。
「国交がないとかそれ以前の問題でさ」
「うん、だからね」
「あっちも日本に留学生送ったらまずいしな」
あちらの体制だのそうした視点からで送って来ることもないことはわかった、あの国の事情は本当に他の国とは違う。
「送って来る筈もないか」
「南の国からは来てるよ」
こちらの国は大丈夫だった。
「ちゃんとね」
「じゃあ実質的には世界各国からか」
北朝鮮は例外中の例外だ。
「そういうことか」
「うん、そう考えていいよ」
「わかったよ、じゃあうちのアパートも」
「八条荘もだっていうんだね」
「ああ、外国からの人も来るか」
「そういえばそうだね」
言われてだ、僕もそのことに気付いた。実は今の今まで外国から入居者の人が来る可能性は考えていなかった。
「うちのアパートにもね」
「八条荘って設備もいいからさ」
そのこともあってだった。
「おまけに家賃も安いから」
「条件は相当にいいから」
「来る可能性多いぜ」
美沙さんは僕にこう話した。
「まあ可能性だけれどさ」
「可能性は否定出来ないね」
その美沙さんにだ、僕はこうも答えた。
「そうした人が入って来ることはね」
「そうだよな」
「まあどの国からどんな人が来てもね」
僕葉保育園からのこの学園での生活を思い出しつつ美沙さんに答えた。
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