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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第四話 三人目の人はその九

「そうよね」
「そうだけれど」
「随分若いわね。幾つ?」
「十七だよ」
 だから最初からタメ口にしていた、こっちも。
「通っている学校は八条学園だよ」
「じゃあ一緒の学校ね」
「そうなるね」
「私達も」
「そうです」
 詩織さんと小夜子さんも水橋さんにこう言った。
「通っている学校はです」
「八条学園高等部です」
「それで普通科ですけれど」
「水橋さんは」
「あたしもよ」
 笑顔での返事だった、かなり明るく可愛く見えた。
「普通科よ」
「体育学科じゃないんだ」
「そうなの、学科はね」
「うちの体育科も結構有名なんだけれど」
 そっちの方でも知られているのが八条学園だ、野球やラグビー、柔道は全国クラスでそちらにも力を入れているからだ。
 それで最初水橋さんは体育学科かと思った、けれど普通科というのがだ、僕は不思議に思って言ったのだ。
「ええと、体育は」
「バスケよ」
 そちらだと答えてくれた。
「これでもジャンプ力あるから」
「そうなんだ、バスケなんだ」
「そうよ、それでこっちの女子バスケもね」
「そう、有名だから」
「じゃあ明日早速入部届け出して来るね」
「明日転校して」
「そう、早速ね」 
 そうするというのだ。
「だから宜しくね」
「何かお話が急に進んでるけれど」
「そうなの?」
「真夜中に来てだからね」
「丁渡今神戸に着いたのよ」
「泊まるところは」
「ないから来たのよ」
 こっちに、というのだ。
「そうしたから。今から家具入れるわね」
「えっ、今から?」
 何度も言うけれど今の時間は夜の十一時を回っている、その真夜中に引越しサ行なんてと思った、けれど。
 それでもだった、畑中さんが水橋さんの言葉に驚く僕達に言って来た。
「ご安心下さい」
「あっ、じゃあ」
「はい、既に連絡を取っています」
「影の実行部隊の人達ですね」
「あの方々は義和様をいつも見守っておられます」
 何気に怖い言葉だった。
「ですからこうした時にはです」
「何時でもですか」
「既に私の権限で呼ばせて頂きました」
 またしても実に用意のいい畑中さんだった。
「ですから」
「じゃあ」
「はい、その様に」
 すぐにその八条家影の実行部隊の人達が来てくれた、そして僕と畑中さんの前に集合して一礼してそれからだった。
 僕と畑中さんに対してだ、こう言って来た。
「では義和様畑中様」
「今から引越し作業にかかります」
「お願いします」
 畑中さんも実行部隊の人達に冷静に応える、そして。
 すぐに引越し作業にかかってくれてだ、あれよこれよという間に。
 家具を空いている部屋、一〇三号室に入れてだ、それが終わってからだった。
 僕達の前に再び集結してだ、また言うのだった。
「たった今終わりました」
「電気器具の接続も完了しております」
「何時でも日常生活に入られます」
「何の心配もいりません」
「有り難うございます」
 畑中さんが実行部隊の人達に応える、そしてだった。
 そのやり取りも終わるとだった、実行部隊の人達は霧の様に何処かへと消え去った。その全てを見てからだった。 
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