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ルドガーinD×D

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第十話:兄弟

クロのツンデレな行動から一夜が明けて授業参観の日になった

俺たちのクラスの授業は英語なんだが――

「それではみなさん粘土か絵で自分の憧れの物を表してください、それではLets,try!!」

どんな英語だよ!!?思わず心の中で突っ込むと隣のイッセーと目が合う

……ああ、お前も突っ込んだんだな……

俺たちは無言で固い握手を交わす、アーシアが不思議そうな顔で俺たちを見てくるが気にしない

というかアーシアは既に粘土を先生から貰ってきていた

もしかしてあれか?外国ではこれが普通なのか?

異世界から来た俺ですら突っ込む代物なのにか?

そんなことを考えているとみんながぞろぞろと動き始めたので俺も諦めて動き出す

ちなみに選んだのは絵だ、絵は意外と得意だからな

それにしても憧れのものか―『大切なら、守り抜け、何に代えても』―

……そんなの一人しかいないよな

俺の小さい時からの憧れで、俺に本当の強さを、意志の大切さを教えてくれた

たった一人の家族――

「おお!!兵藤君とルドガー君にこんな才能があったとは!?ああ、私はまた生徒の隠された才能を見つけてしまったのですね!!!」

何やら先生が涙を流しながら俺とイッセーの作品に感動している

それにしてもイッセーは何を作ったんだ?確かアイツは粘土だったはずだ、いったい――

「部長を作ったのか、うんそっくりだな」

イッセーは部長そっくりの像を作っていた

正直店に出してもいいんじゃないかと思うレベルなんだが――

「なぜ裸なんだ?」

そう、何故か裸の状態を作っていたのだ

こいつはエロがかかると本当に無駄なポテンシャルを発揮するな……

「へえー、手が覚える程に触りまくってるわけね?」

「おい、桐生そんなこと言ったら――」

「「「「なにーーっ!!!??」」」」

「なんだと!?イッセーの貞操は私の物のはずだ!!!」

「「「「死ね!!兵藤一誠!!!」」」」

「やっぱりな」

桐生の発言で教室はまさに阿鼻叫喚といった様に変わっていった

イッセーに非難の嵐が吹き荒れる中、俺はいつものことと気にせずに桐生と話していた

「お前、確信犯だろ」

「ふーん、そんな言い方していいのかな?ルドガーの男性の尊厳の数値は―「ごめんなさい」―よろしい」

俺は……無力だ……

「そういえば、ルドガーも絶賛されてたわね、どれどれ……普通にうまいわね」

「お褒めに預かり光栄です」

「この太った猫を抱いてる男の人ってだれなの?」

「ああ……兄さんだ……」

「ルドガーって兄弟いたんだ、今度紹介してよ、興味あるし」

「………それは……無理だ」

「え?」

だって兄さんは俺が殺したからもう――

「この世にはいないんだ」

俺がそう言うとあれほどうるさかった教室が一気に静かになった

……あれ?このパターンはいつもの――

「ルドガーさん、お兄さんはきっと今もルドガーさんを天から見守ってくれています!!」

「兄が居なくとも私たちが共にいる」

「ああ、俺たちもお前の兄さんが安心出来る様にお前を支えていってやるからな!!」

「ルドガー……ごめん……辛いこと聞いて」

「桐生、お前がするべきことは謝ることじゃない、ルドガーを支えてやることだ」

「そうだ!!俺たちがついているだから安心してくれルドガーの兄貴!!」

「ああ……やはり、教師という仕事は素晴らしいですね……今日もまた生徒から大切なことを教えてもらった……」

やっぱりか!!?いつもの同情パターンだな!!?

てか、今回は勘違いじゃない分、かなり胸にくるんだけど!!!

アーシアやイッセー、ゼノヴィアだけでなく今回は桐生や松田や元浜まで!!

それに教室を見回してみると生徒だけでなく先生や保護者までもが感動して涙を流していた

ああ…俺も今にも泣きだしそうだよ……みんな、俺このクラスで本当によかっ――

「そうよ、ルドガー君には木場きゅんがいるんだから大丈夫よ!!!」

「辛くなったらいつでも木場きゅんの胸で泣いていいからね!!!」

うん、わかってたさ、人生そう甘くないってことくらい

よく言うだろ、人生最後に落とし穴って



授業も終わり、いまだに感動の涙がやまない教室を抜けて歩いていると何やらこちらに走って来ている人影が見えたので立ち止まって見てみる

あれは生徒会長で悪魔のソーナ・シトリー先輩と…………魔法少女?

「っ!?すいません、匿ってください!!!」

「え!?は、はい」

シトリー先輩は問答無用で俺の背中に隠れてしまったので

俺は事情も分からないまま迫ってきた魔法少女と対峙するはめになってしまった

「むっ!?君はまさかソ-ナちゃんの彼氏!!?ソーナちゃんは渡さないんだから!!!」

「はあ!?」

なぜ俺がシトリー先輩の彼氏に見えるんだ!?

俺はたった今事情も知らずに巻き込まれた一般悪魔だぞ!!?

取りあえず事情を聞くためにシトリー先輩に前に出てきてもらおうとするが

いやいやと子供みたいに首を振ってばかりで出てきてくれない

……ちょっと可愛いと思ったのは内緒だ

「むう!!そんなにその子がいいの!!?でもソーナちゃんが欲しいならこのレヴィアたんが出す666の試練を乗り越えないとダメなんだからね!!!」

666って多すぎだろ!!?てか、縁起悪っ!!!ん?でも悪魔だからいいのか?

というかレヴィアたんって――

「もしかして、シトリー先輩のお姉さんのレヴィアタン様ですか?」

「その通り!!ソーナたんのお姉ちゃんにして魔法少女のレヴィアたんだよ☆」

そう言って決めポーズをとるレヴィアタン様

………ああ、あれか最近の魔法少女は魔王少女にパワーアップするのか

いやー、しばらくそういうの見てないから全然知らなかったな

あはははは………っていうか――

「魔王ってみんなシスコンなんですか?」

後ろでシトリー先輩が崩れ落ちていく……やっぱり恥ずかしいんだな

部長もサーゼクス様が来るって言った時かなり恥ずかしがっていたしな

しかもこっちは魔王少女だ、真面目なシトリー先輩にとっては辛いだろうな

「私はシスコンじゃないわ!!ソナコンよ!!!」

「それをシスコンというんですよ、レヴィアタン様」

「ええーい、とにかくソーナちゃんは渡さないんだから☆」

「取りあえず、誤解なんで俺に突き付けている魔法の杖をどけてくれませんか?」

そう言うと渋々、杖を降ろすレヴィアタン様

……危なかった、あの杖には間違いなくこの校舎ぐらい軽く吹き飛ばす魔力が込められてた

「俺はシトリー先輩とはそういった関係じゃあありませんよ、通りすがりに盾にされただけです」

「そうなの、ソ-ナちゃん?」

レヴィアタン様の問いかけに今まで黙っていたシトリー先輩がようやく口を開く

正し、いつものような凛とした声ではなかったけど

「そうです、お姉さまの勘違いです!!!それに私にはまだそういう人はいません!!!」

「よかったー、お姉ちゃんショックで今度こそ本気で天界に攻め込むとこだったよ☆」

危な!!?危うく俺のせいで戦争が起きるとこだったよ!!!

「いやー、ごめんね君、そういえば、君ってリアスちゃんの新しい眷属の子?」

「はい、リアス・グレモリー様の戦車のルドガー・ウィル・クルスニクです」

自己紹介はこんな感じでいいのか?失礼な挨拶だと部長の評判が下がるから緊張するな

「そっか、私はセラフォルー・レヴィアタン☆魔王の座は譲ってもソーナちゃんは譲らないからね☆」

「は、はあ」

「会長!!それにレヴィアタン様!!勝手にどこかに行かないで下さいよ!!!」

ん?あの金髪の奴は確かシトリー先輩の兵士の匙って奴か

「あ?お前は――」

「新しくグレモリー眷属に加わったルドガー・ウィル・クルスニクだ、よろしくな」

「俺はシトリー眷属の匙元士郎だ、よろしく」

俺たちは握手をして自己紹介をする

そういえばこいつ確かシトリー先輩のことが好きだってイッセーが言ってたな

ここは一つ警告しとかないとな

「匙、戦争の引き金にはならないようにな」

「は?」

何のことか分からないと言った風な顔をする匙

シトリー先輩は意味が分かったのか顔を赤くし

レヴィアタン様は再び魔法の杖に魔力を溜めだす

まずい!!匙の寿命が縮まるかも知れない!!!

でも、俺には何も出来ないから見なかったことにしてここを去らせてもらおう

「そういえば、お前グレモリー卿には挨拶したか?」

「いや、してないな」

「それなら、今体育館にリアス先輩と一緒にいるから挨拶してこいよ」

「そうか、悪いな、匙」

本当にすまない、これから生贄になるのに気を使ってもらって

流石にこのまま去るのは忍びなくなってきたので

最後にレヴィアタン様の気が逸れる事でも言っていこう

「レヴィアタン様、押しても駄目な時は引いてみるのも手ですよ」

「どういう意味?」

「今まで構ってくれてたのが急に構ってくれなくなると無性に恋しくなるんですよ、妹や弟って生き物は」

「っ!!?その手は思いつかなかったわ!!!??」

凄い食いつきだな、もう匙のこと頭の中から消えてるだろ

「ルドガー君は弟なのですか?」

俺の発言にシトリー先輩も反応してくる、妹として俺が弟であるとわかったのだろう

「シトリー先輩、もっと甘えてやれば良かったとか、もっと孝行してやれば良かったとか
後でどれだけ後悔しても――」

壊した世界は――

「失ったものは二度と元には戻らないんです」

「あなたの……っ!!」

「あなたは後悔しないでください……それでは」

「ルドガー……お前……」

ああ……今日はやけに感傷に浸ってしまうな、兄さんの絵を描いたからかな?

出来るだけあの瞬間は思い出したくない、兄さんをこの手で殺した瞬間――

でも、これは俺が背負って生きていかなければならないものだ

たくさんの犠牲の上に今の俺があるんだから、俺はそれを忘れずに生きなくちゃいけない

――例え、そのせいで幸せになれないとしても
 
 

 
後書き
今回は少しシリアス(?)に書いてみました

今のルドガーさんは自分が幸せになるなんて許されないと思っている状態です

今後その考えを変えてくれる人が出てきますが、結構後になります

それまでは普段は明るいけどふとした瞬間に暗くなるルドガーさんでいきます

といっても、ほぼ明るい状態でいきますので余り変化はないです

それでは今回も読んでくださった方ありがとうございますm(__)m 
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