ハイスクールD×D異伝 異なる兵士の物語
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人生最良の日から人生最悪の日へ
前書き
連載開始です。
宜しくお願いします。
―あの日、俺の何もかも…存在すらも変わった運命の日
永い時を経て、些細な記憶を失くしていったとしても
あの日の記憶、仲間達と過ごした日々だけは忘れる事はないだろう
振り返ればまるで御伽話、笑っちまう様な事が当たり前の様に起こり
当たり前の様に生死の境を彷徨うような狂気染みた戦いの日々…
そんな中でも気を病む事無く過ごしてこれたのは大事な仲間達という存在があったからだと思う
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俺の名前は藤堂幸生、どこにでもいる学園二年生、ごく普通の両親の元、ごく普通に育ちごく普通に今の今まで過ごしてきた
そんなこんなで今日もごく普通の学園生活の始まりかと通学路を歩く俺に嬉しいハプニングが飛び込んだ
「あの…駒王学園の藤堂幸生君…ですよね?」
交差点での信号待ちをしていた俺に話しかけてきたのは他校の制服に身を包んだ美少女(巨乳)だった!恥じらい浮かぶ表情微かに感じ取れる緊張感…これはまさか伝説のあれなのか…?
「いつも…この道で貴方を、藤堂君を見ていました…あ、あの急なお話でごめんなさい!私…藤堂君の事が前から…ずっと前から好きでした!私と付き合って下さい!」
伝説のアレキターーーーー!!心の中で舞い踊る俺!!
父さん!母さん!俺やったよ!貴方たちの息子は今日また一つ大人の階段を上ります!
松田!元浜!どうだねこれが君たちとの差というやつだよ!悪いなモテない組は卒業させてもらうぜ!
一誠!思えばお前とは幼稚園からダチ公だったが…悪いなー!ちょいとお先に大人の男になって上で待ってるわー!二次嫁と仲良くな!
「…堂君?藤堂君??」
いかんいかんあまりの嬉しさにヘブンに昇ってしまいそうだった、目の前の彼女は瞳を潤ませて俺の返事を待っている!行け俺!やるなら…決めるなら今しかねぇ!
「えっと…あの…君は…?」
俺ーーーーーーーー!おい俺ーーーーーーーーーー!何をためらった!!何を躊躇したんだ!!
いや、でも不正解ではないよな!俺はこの娘と今日初めて話したわけだし?名前を聞くのも間違いじゃない!
「あ、ご、ごめんなさい!私、麻野加恋と言います!ふ、普通は名前が先ですよねごめんささい…」
何この可愛い娘?恥ずかしそうにうつむいちゃってもじもじしちゃって!顔も美人さんだし!む、胸はなんとまぁたわわに…って駄目だ俺!此処でエロい事を考えるな!顔に出る!
「あ、じゃあえっと麻野さん?その…お、俺で良かったら…宜しくお願いします!!」
良く言ったーーー!俺の返事を受け、彼女から一筋の涙が頬を伝う!あれ俺何かしちゃったか!?
「えと、これは違うんです!うれ…嬉しすぎて…ずっと、ずっと憧れてたから…」
思わず抱きしめていた、だって可愛すぎて意識とかそれ以前の問題だった気づいたら身体が動いていたんだ
「これから…よろしく、お願いします…」
「俺の方こそ、よろしくお願いします」
人の目も気にせず俺と加恋ちゃんは暫くそのまま抱き合っていたんだ、あの瞬間、間違いなく俺は幸せの絶頂にいた。
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「うぇへへへへ…」
「気持ち悪い顔してんなぁおい」
うるせぇ変態ハゲ!お前みたいに妄想彼女とお花畑ランデブーしてるわけじゃねぇんだよ!俺の場合はマジ彼女!悔しいか松田?悔しいよなぁ?
「うむ、実に不愉快な顔をしているな」
黙れエセインテリ眼鏡!正直こいつには絶対に彼女が出来た事を言っちゃいけねぇ気がする…有る事無い事噂流されそうだぜ…元浜っ末恐ろしい奴!
「幸生!おいこら!幸生ってば!…ダーメだこりゃ」
すまん…一誠すまん…っ!彼女作るなら抜け駆けなくとかお互いの彼女連れてダブルデートとかぬるい事言ってたけどよ…実は俺もう彼女出来ちまったんだ!でもお前みたいな煩悩妄想の塊には…加恋ちゃんは眩しすぎて…てへっ。
「こいつ…」
「うむ…」
「あーなんか馬鹿にしてる時にする顔だわ…」
「うぇへへへへー」
その日は授業なんて全くと言って良いほど頭には入らなかった、普段から入らないけど今日は気づいたら学園が終わっていた
帰り道一誠が彼女が云々話していたような気がしたが、よく覚えていない俺の頭の中には加恋ちゃんしかいない状態だったからなぁ…。
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あれから俺と加恋ちゃんは数日間楽しく過ごした、主に通学路で途中まで一緒に通学したり、電話やメールも毎日取り合った、本当に楽しかった
些細な話でも興味津々に聞いてくれたりさ!本当に可愛かったんだよ!
そんなある日加恋ちゃんからデートのお誘いを受けた、俺は喜んで即答
「行こう行こう!プランは任せてよ!」
そりゃそうだろ、だって大好きな彼女との初デートだしさ、俺がリードしなくちゃって思ったよ
その日から約束の日までの短い期間ではあったけど俺なりに必死でデートプランを練った、熟考に熟考の末決まったプランは俺にしては良く出来ていたんだと思う
先ずは駅前で待ち合わせ、私服姿も超絶可愛かった小走りで近づいてくる姿は天使に見えた…今となっちゃ皮肉にしかならないけどな
次に向かったのは水族館、イルカショーを見て目を輝かせる加恋ちゃんは本当に愛らしくて今でもあの表情は本当の物だったんじゃないかと思う
そして俺達からみたら少し割高なレストランで食事をして、ゲーセンに寄って暗くなってきた所でとっておきの夜景スポットに案内した
夜景を見ながら初めて加恋ちゃんと手を繋いだ、告白当日に抱き合って以来の彼女の体温を肌で…まぁ手だったけど感じることが出来た
帰り道の途中で加恋ちゃんから渡したいものがあると言われ、見覚えのない公園に案内された…今思えば向かう道中には人の気配もなかった気がするし何か空気もおかしかったのかもしれない
だけどそんなこと気づくはずもない、だってデート中だしさ、彼女を加恋ちゃんを疑うなんてあり得ないしさ
「渡したいものって?」
正直期待してた、人の気配がしない公園で目の前には大好きな自分の彼女がいる、あの日の様にうつむいて恥ずかしそうにもじもじしている加恋ちゃん
「あのね」
期待しないわけがない、さっき手を繋いで改めて大好きだと伝え彼女も応えてくれた、心臓は激しく動き今にも口から出そうなくらいだった
「これなの」
加恋ちゃんが差し出した手には光り輝く何かだった、その何かはいつの間にか本当に気づかぬ間に俺の心臓を貫いていた
「え?」
血を吐いた、左胸が熱い、痛いとかそんなんじゃないとてつもなく熱かったのだがそれを感じたのも一瞬のことで直ぐに意識は薄れていく
どうして?なんでだ?そんな事を思いながら暗くなる視界の先に俺は見たのだった
黒い翼を生やし薄ら笑う…大好きだった彼女、加恋ちゃんの姿を…
「貴方は、生きたいと思う?」
<そんなの当り前だ、誰だって…死にたくなんかない>
「生きることを選択する事によって今までの貴方という存在が別の物に変わるとしても?」
<俺はこんなところで死ねないんだ…彼女に加恋ちゃんに聞きたい…なんで俺を殺したのか聞かなくちゃいけない気がするんだ…>
「そう、なら藤堂幸生…私の下僕として万年の生を与えましょう、貴方にはその資格があるのだから」
何か温かいナニかが俺の左胸に触れた様な気がした
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「御機嫌よう烏さん?こんな夜更けに何をなさっているのかしら?」
この気配は悪魔か…こちらの動きを嗅ぎ付け現れた様だ、忌々しい蝙蝠め
「蝙蝠には関係ない…」
いっそこの人間の様にその命絶ってくれようか…いや、レイナーレがこの場にいない以上勝手に悪魔と一戦交えるのは避けたほうが良いだろう
「残念ながら、関係なくもないの」
「お前らの都合など…興味ない」
「そんな冷たい事言わないで貰えるかしら烏さん?」
「蝙蝠と話すことなど無い…帰る」
「帰すと思って?」
後方から魔力反応、横に跳び回避する…大した威力、当たれば無事ではなかったかも
「外しちゃったわ~」
「一葉の一撃を躱すなんて中々やるのね?見直したわ烏さん」
「…規格外」
金髪の方はどうにか出来るだろうが、あの黒髪の方はマズい…関われば即滅される
「ユリアーナ遅いぞ…何をしている?」
「ドーナシーク」
大柄の男、堕天使ドーナシークが割って入る、こいつ少し苦手
「ほぅ…これはこれは…フォルネウスの姫ではございませんか…」
「あら小汚い烏さんでも私の事は知っている様ね」
「良く知っていますとも、ですからここは退かせて頂く…貴方とやりあうのは時期尚早なのでね」
「どういう意味かしら?」
ゆったりとした動作でドーナシークは転移の準備に入った、ここは退くが先決、自分も続こう
「さぁてどんな意味なのでしょうかね」
「次は殺す」
悪魔共を睨み付けその場から転移した、本来であれば塵にする筈だったが仕方ない…どのみちあのままならば死ぬであろうから放っておいても問題ない
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「逃げたわね」
「逃がしたの間違いでしょ~?」
「さぁ…どうかしら?」
「リーゼは相変わらずなんだから~」
貴女もよ一葉?さっきの一撃だってわざと外したんでしょう、そう言うのも面倒だからあえて言わないことにするわ…そのまま私は視線を下に移す
「まだ…息はあるようね」
「そうね~、でも虫の息って状態ね~」
「…一度死んだということにしましょう」
「それはどういう…?あ~うんうんわかっちゃった~♪相変わらず悪い人ね♪」
「彼の為よ」
その方が堕天使に対する憎しみが芽生え、恐らくきっかけになるだろう、死を経験するほどの事が無ければ現実を受け入れるのも難しいだろうし
「一葉、彼を眷属にするわ」
「でもこの子が受け入れるかしら~?」
「それならば死ぬだけよ神器と共にね…」
私は彼の腹部に手を当て、彼の意識に問いかける事にした…
後書き
というわけで本執筆開始しましたー。至らぬ点も有るかとは思いますが宜しくお願いしますねー。
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