ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第一幕その二
「そうさせて頂きます」
「彼等も一緒ですと」
「駄目でしょうか」
「いえ、是非」
いいとです、教授は微笑んで先生に答えてくれました。
「そうされて下さい」
「彼等も松山に連れて来ていいのですね」
「私はそこまで言いません」
先生がどれだけ動物達と強い絆を持っているのかを知っているからです、教授も彼等の同行を止めないというのです。
「ですから」
「そうですか、有り難うございます」
「それでは松山まで」
「お願いします」
こうしてです、先生は松山に行くことになりました。それはお仕事ですが。
それでもです、お家に帰ってトミーと動物達にこのことをお話するとです。トミーは先生に対してこう言いました。
「僕は今回はです」
「行けないんだね」
「はい、ちょっと今勉強の方が忙しくて」
「学生と教授ではまた違うからね」
「先生のお手伝いはちょっと」
「そうなんだね」
「申し訳ありませんけれど」
それでもだというのです。
「今回は先生と」
「僕達だけだね」
「行けるのは」
「そうなるよ」
トミーは動物達にも答えました。皆でお家の居間の中でちゃぶ台を囲んでそのうえでお話をしています。
「残念だけれどね」
「松山はいい場所みたいだからね」
先生も残念そうにトミーに言います。
「だからね」
「はい、本当に残念です」
「また機会があればね」
「その時にですね」
「松山に行こう」
「そうしましょう」
「王子はどうかな」
ここでチーチーが先生に王子のことを尋ねました。
「一緒に来られるかな、松山まで」
「いや、それがどうもね」
「駄目なんだ、王子も」
「どうやらね」
そうだというのです。
「王子は王子で祖国に帰っているんだ」
「あちらの用事で?」
「そうみたいだよ」
だからだというのです。
「だから今日本にいないから」
「じゃあ今回の旅行は僕達だけだね」
「そうなるよ」
先生はこうチーチーにお話します。
「残念だけれどね」
「旅は賑やかな方が楽しいからね」
ジップも残念そうに先生に言います。
「トミーや王子がいないと」
「仕方ないよ。けれど君達は一緒だよ」
「僕達はだね」
「うん、だから今回の旅行はね」
「僕達が先生を助けるんだね」
「宜しく頼むよ、今回はね」
「一緒に楽しもうね」
ジップは期待している顔で笑ってです、先生に応えました。そうしてです。
先生は今回の旅行は動物達と一緒に行くことにしました。そのことが決まってからです、トートーがこんなことを言ってきました。
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