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ルドガーinD×D

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第二話:迷子と覚悟とプリンセス

「本当にここ地獄じゃ、ないんだろうな?」

どこまで行っても人一人見当たらない状況にいい加減嫌気が刺して一人ぐちる

大抵の苦難には慣れているが(主に借金関連)目的もなくただ歩きまわるのは流石に辛い

しかも既に三日はたってはいるだろう飲まず食わずで、正直いつ倒れても可笑しくない

「もしかしてルルはこういう時のために蓄えていたのか?

ははっ、流石にそれは―「うわぁぁぁ!!!」声!!?」

軽く現実逃避していると待ちわびた人の声が聞こえてきたが厄介なことにそれは悲鳴だった

「とにかく食べ物…いや、助けに行かないと!!」

危うく人命を疎かにしてしまうところだったが何とか頭を切り替え声の聞こえた方に走り出す

悲鳴が聞こえた場所に来ると紅い髪の男の子が魔獣に襲われていた

「こ、来ないでください!!!」

男の子は必至に逃げようとしていたが脚がもつれて倒れてしまった

「ぐるるるるっっ!!」

「ひっ…!?」

不味い!!早く何とかしないと!!くそっ!!銃があれば……っ!?

そう思った瞬間突如俺の手が光を放ち見慣れた銃が現れた

「なんでだ?」

「うわぁぁぁっっ!!!?」

「今は考えてる場合じゃない!!うおぉぉぉぉ!!!」

魔獣の意識をこちらに向けさせるために銃を連射し魔獣の顔に当てる

「ぐるっ!?」

よし、上手くいった!!後は少年を逃がすだけだ

「君!!早く逃げるんだ!!!」

「っ!?は、はい―あれ、あ、足が!!?」

くそっ!!腰が抜けて動けないのか!?早くあの子の場所に行かないと!!

「ぐるあぁぁぁぁ!!!」
再び少年に狙いを定めた魔獣が今度は鋭利な爪のある腕を振り上げる

―あれを弾き返せる重い一撃を放ちたい!!!

俺がそう願うとハンマーが俺の手に握られていた、やっぱり俺の思いに反応して……!!

これで!!

「はあぁぁぁっ!!!」

「ぐがあぁぁ!!?」

全力でハンマーを振るい魔獣の腕に思いっきりぶち当てる

すると苦しそうな声を上げてのけ反る魔獣、へへん、ざまあみろ!!

「ぐるるるるっ!!!」

あ、怒ってる、すいません(棒読み)、でもこうなった以上こっちももう引けないんだよ!!!

「く、来る…!?あ、あなたは逃げてください!!あなたまで巻き込むわけにはいきません……!!」

優しい子だな、自分のことよりも他人を優先するなんてな

まあ、だからこそ―「安心しろ、俺は……負けない!!」―絶対に守りたくなる!!!

「こいつを―こんな優しい子を怖がらせる奴をぶった切る力をくれ!!!」

光と共に現れる慣れ親しんだ双剣……大切なものを守るために兄さんに教わった剣

「ぐおおおおぁぁっっ!!!」

あいつは何やら魔力の塊みたいなものを吐き出そうとしているが関係ない――切るっ!!

「うおぉぉぉぉ!!!」

雄叫びを上げながらこいつをとにかく滅多切りにするが何も食べてないせいかいまいち押しが弱い……っ!!

このままじゃ―『そんな覚悟じゃ何も守れないぞ、ルドガー!!』

―っ!!そうだ、覚悟を決めろ、俺!!!

「いくぞ!!これが、俺の覚悟だあぁぁぁ!!!」

切りつけるスピードをもっと早く、鋭く変え、そして一気に押し切る!!!

「双針乱舞っ!!!」

「ぐぎゃぁぁぁぁっっ!!??」
魔獣は断末魔の悲鳴を上げるとゆっくりとその巨体を地面に横たえ

そしてそのまま二度と起き上がることはなかった

良かった、守れた………

「ミリキャス!!?」

女の人の声、あの子のお母さんかな?それならもう大丈夫か………な……

「大丈夫ですか!?」

意識が無くなる寸前に聞いたのは紅い髪の少年の悲鳴に似た声だった


目を開けると見慣れない天井が広がっていた、そしてやけに柔らかいベッド

顔を上げて辺りを見回すとやけに豪華な装飾が目立つ

花受けに使ってある壺ですら一つ何百万とするだろう、もし割ってしまったらまた借金地獄に……

そこまで考えてブルリと体を震わす、やめよう、もう世界も違うのだし考えてもしょうがない

それに全額返金したしな!!(ここ重要)

そんなことを考えていると扉が開いて銀髪でとても綺麗なメイドさんが入ってきた

「気づかれましたか?」

この声はあの時の女の人だな、それならあの子が大丈夫か知ってるだろうな

「はい、あの…あの紅い髪の子は大丈夫ですか?」

俺がそう聞くと目を丸くするメイドさん、そしてクスリと笑った

「起きて、第一声が他人の心配ですか、ふふ随分とお人良しなんですね」

「よく、言われます……それで?」

「はい、あの子は―ミリキャスは元気ですよ、随分とあなたのことを心配しているみたいなのでよろしければ後で顔を見せてください」

そう言って優しそうにほほ笑む姿を見てやっぱりミリキャス君のお母さんなんだなと確信する

この人の髪は銀色だからきっとミリキャス君のお父さんが紅色なんだろうな

「グレイフィア!!彼が起きたのかい!?」

バーンと扉を開いて紅色のイケメンの男性が勢いよく入ってくる多分この人が―

「サーゼクス様、ご自分の立場を考えて行動して下さい」

「今はミリキャスの父親として来ているのだ、固いことは言わないでくれ」

やっぱり、ミリキャス君のお父さんだ、それにしてもメイドさんもいるし部屋も豪華だし

自分の立場とか言ってたから身分の高い人なんだろうな

「まずはミリキャスを助けてくれた礼を言いたい……本当にありがとう、言葉では言い表せない程に感謝している」

そう言って深く頭を下げるミリキャス君のお父さん

「顔を上げて下さい俺は当然のことをしたまでですから」

「それだけのことを当たり前に出来るものは存外少ないものだよ……そういえばまだ君の名前を聞いていなかったね、すまないが名前を聞かせては貰えないだろうか?」

「ルドガー・ウィル・クルスニクです」

「ルドガー君か、いい名前だね、私はサーゼクス・ルシファー、この冥界で魔王を務めさせてもらっているものだよ」

そうだったのか、ミリキャス君のお父さんは魔王だったのか……ん?魔王?

「えっと…魔王ってもしかして……あの魔王ですか?」

「君がどの魔王を思い浮かべているかは分からないが私は魔王だよ、そういえば君は人間だったね悪魔については余り知らないのかな?」

愛想笑いを浮かべながらオリジンにもらった情報を思い出す

検索結果;魔王・冥界を支配するもの、すごく偉い

ふむふむ、ということはミリキャス君は王子様ということかなるほどなあ~……って

「えー!!?」

拝啓エルへ 俺、王子様と会いました

 
 

 
後書き
ルドガーさんには悪魔陣営についてもらおうと思っています、と言っても悪魔になるのはだいぶ後になると思います

駄文なので読みづらいかもしれませんがこれからもよろしくお願いしますm(__)m 
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