徒然なるバカに
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なぜこんな人が好かれるのか。この学校の人たちはよくわからない。
高橋 優人は、クラスにおいて、いや、白皇学院においてから異分子扱いを受けている。
それもそのはず、齢16の彼が白皇学院に入学してからというもの、白皇学院内での問題、トラブルはほぼ、彼絡み、と言ったところだ。
トラブルはほぼ彼絡み。
この言い方にも少し訳があり、トラブルに巻き込まれる側とトラブルを起こす側、両方があるこのご時世、彼は紛れもない後者だ。
つまり、トラブルを起こすことのほうが圧倒的に多く、トラブルに巻き込まれることはない、とまでは行かなくとも起こすよりは少ない。と、言ったところか。
彼曰く、トラブルを起こすことは好きだけど、トラブルに巻き込まれるのは面倒だから勘弁。とのこと。なんとも理不尽極まりないことだ。
他人の意見を聞かず、問題を起こし、巻き込み、おおごとになればなるほど煽り、被害を拡大させて行く。賛同すれと言うほうが無理な話だ。彼を表す言葉は数多く存在する、自分勝手、問題児、異端者、傍若無人、どれもこれも彼にそっくり当てはまるものだ。
なのに、彼に対する批判は少ない。完全にないわけではない。少ないだけだ。賛否両論、反対の意見こそあってもおかしくないが、あるのは賛成の意見がほとんど。
なぜか?
そんなの簡単だ。
彼が最初から最後までいるからだ、トラブルの。不思議と彼は、物事の始まりから終わりまでいる。それはまるで、俺がしましたよ、とでも言わんばかりだ。そのせいか、多くの人を巻き込んだトラブルであろうと最後にお咎めを受けるのは彼1人だ。
自分のケツは自分で拭く。
おれの生き方を証明してやる。
おれのやったことに間違いはねえ。おれは後悔はしねえ。
彼が自分の信念をよく言葉にすることがある。
迷惑千万だ。
周りを巻き込み、大勢の人を駆り出し、暴れ倒す。それのどこが生き方だ。傍若無人にもほどがある。
だがしかし、そのせいか意外にも周りからの票は多く、信頼され、期待されている。次はどんなことをしでかすのか、どんな方法で周りを巻き込むのか、どれくらいの規模か、と。
勘弁して欲しいものだ。
そんな彼は今、なにをしているのかというと。
白皇学院時計塔で先日やらかしたであろうことの始末書を書いている途中だ。
時計塔、ここは生徒会役員しか入室を許可されていない場所。ということは、だ。彼はその生徒会役員ということになる。否、それはちがう。この時計塔には今現在、彼を含め2人の生徒がおり、彼ではなく、もう1人の生徒が生徒会役員である、ということになる。
そのもう1人の生徒こと、この白皇学院生徒会会長、桂雛菊。私だ。
後書き
初の小説投稿になりました。
至らない点、多数かもしれませんが、感想、コメントなどいただけると非常に嬉しいです。
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