新米提督お仕事日記
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よんてんご。
前書き
電ちゃん発進。
「───敵艦見ゆ、なのです」
広大な海面上を疾風のように駆ける一人の少女の姿がある。彼女の名は『電』。可愛らしい外見にまるでそぐわないその厳しい名を、本人は気に入っていた。
『自分には威厳というモノが無い』
姿形だけの話ではなく、精神的にも、単純な強弱の面でも欠けている。それが電の自己評価だった。そんな彼女にとって、ただの名称であったとしても『電』という響は魅力的に思えた。性能としては、同駆逐艦級の『島風』や『雪風』らにはどうしても劣る。精神の面でも自分よりも強い者などいくらでもいる。ならばせめて名前ぐらいは。ほんの少しでも自分を強く見せたい彼女にとって、『電』という文字は誇り高いものだった。
だが、そんな顕示欲もとうに失せてしまった。そんなものを示せる相手は、もうこの鎮守府には居ない。誰も彼も居なくなってしまった。……いや、違うか。
「まったく、おかしな人が来たものです」
あの殴り飛ばしたくなる顔を思い出して苦笑する。これではダメだ。戦場だというのに集中できていない。
「帰ったらお仕置きなのです」
敵艦がこちらに気付いた。数は4。
一瞬にして視界は砲火の嵐に包まれる。人間が乗組員であれば有り得ない反応速度。慣れ親しんだ生と死の境界線が見えてきた。
「さて、久々で少し緊張しますが───」
一発でも貰えばタダでは済まないだろう砲撃の合間を、踊るように縫って進む。動きに淀みはない。勢いは加速していくばかりだ。気分は上々。空気の焼ける臭いに血が沸騰させられる錯覚。一瞬後に海に沈む敵艦と、空に燃え尽きる自身の妄想。脳髄が弾け飛びそうな興奮に、彼女はようやく目を覚ます。
「電の本気を見るのです」
後書き
☆電ちゃん一口メモ★
今回の敵は幸いにも同駆逐艦のイ級でした。
しばらくぶりの戦闘という事もあり、ちょっとばかり緊張しましたが、無傷余裕なのです。まぁ重巡か雷巡以上の相手でもなければ、久々とはいえ被弾なんてそうそうありはしませんが。
とりわけ今日は少しばかりストレスが溜まっていたのでやりすぎ感。明日筋肉痛にならないといいのですけど。……そういえば4隻も沈めたのに回収0でした。これは早々に建造に取りかからねばならないやもしれないのです。
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