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【遊戯王GX二次小説】最弱最強!?漆黒のデュエリスト

作者:シェーネ
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第1期
序章
  TURN4 アカデミアへ

そして後日。
試験の合格者と俺を乗せたヘリは太平洋上に浮かぶ小島。
アカデミアのある島へと向かっていた。
とはいえ、皆アカデミアを見るのに必死で俺には気づいていないみたいだが
アカデミアに向かう手段はそんなに多くはない。
ヘリ、フェリー、潜水艦など基本上空か海を経由するルートしかない。
それに、普通の学校と違い新学期というか、入学式は秋となっている。
もっとも、季節に関係なくある意味バカンスとしても利用できそうなこの島では季節はあまり関係ないかもしれないが
(しっかし、学ラン率高いな・・・・・・)
このヘリに乗っている合格者は、皆、中学時代の制服だ。
十代や翔しかり、三沢っちも白い学ランだし。
白い学ランってことはミッション系の学校か?
などという無駄な思考を本を読みながら思っていた。
ちなみに、俺は一人だけ先にアカデミアの制服を着ているので、かなり浮いているのだが、浮かれている彼らの眼中にはないようなので、その点は安心だ。
「キミ、大丈夫かい?」
「へ?」
本に視線を戻すと同時に、頭上から声がした。
メガネをかけたまま、声の主の方を見ると三沢っちだった。
(め、メガネ女子!!)
心なしか、三沢っちが赤くなっている気がするが、そこはスルーしておく
「三沢っちか」
俺のメガネは読み専用のメガネなので、かけたままだと人を識別できないのだが、ぼやけた輪郭と声でそう判断した。
「俺のことを知ってるのかい?」
メガネを外しながら俺は応える。
「受験番号1番の三沢大地でしょ? 知ってるよ」
それに、ネタキャラで空気と化していることや、意外とおふざけにも付き合ってくれたりするのもね。
なんというか、ノリが十代たちと同レベルというか
「光栄だな」
「なんで?」
俺がそんなことを考えているとも知らず。
三沢っちは嬉しそうにそう答えた。
俺が覚えていることで、三沢っちにメリットはないはずだが・・・・・。
「キミは1番くんに勝っただけでなく、とても可愛らしいからね」
「・・・・・・三沢っち。悪いことは言わん、眼科行け」
確かに、まぐれとは言え、十代には勝ったが、俺が可愛いと言うのは、耳を疑う。
「ど、どうして眼科なんだい?」
機嫌を損ねてしまったと思ったのか、それとも本当に意図が掴めないのか、三沢っちは困惑している。
「俺を可愛いって言ったから」
「そ、そうか。思ったままを言っただけなんだが・・・・・・。あと、その呼び方はどうにかならないかな?」
「思ったままって・・・・・・」
それこそ神経を疑う。
ってか、三沢っちは硬派なフリしてなかったっけ?
意外と十代並みにチャラいのか
「三沢っちって呼び方?」
「あぁ」
そういえば、アニメでもなんかタニアの呼び方を真似た十代たちにからかわれて突っ込んでたな。
「癖だから諦めてくれ」
「く、癖ならしょうがないな」
嬉しそうなのが、なんかムカつくな。
偏見か?
「そのへんにしとけよ」
「十代!」・「1番くん!!」
驚きもするさ、三沢っちが話しかけてきただけでもアニメと違うのに、始業式終了までずっと寝てるはずの十代まで、こっちに来たんだから。
「き、キミは1番くんの名前を知っているのかい?」
三沢っちはなんだか、ショックを受けたように尋ねてきた。
「そりゃ、試験の時に闘ってるし・・・・・・」
「(ガーン)」
「落ち込んでるところ悪いんだけどさ、2番。コイツも困ってるみたいだしさ」
「そ、そうか、困らせてしまっていたのか。すまないな」
「あ、いや、別に・・・・・・」
そこまでしょげられると、逆にこちらに罪悪感が出てくるんだが
「そうだ。名前だけ教えてもらってもいいかな?」
「俺のか? 苑王寺 瑓だけど」
「レン。か覚えておこう。」
十代こと1番くんの名前はいいのか?と聞こうとしたが、とぼとぼと自分の席に戻る三沢っちには聞こえていないようだった。
「あれ、オレ、余計なことしたか?」
苦笑いで尋ねると十代は遠慮なく俺の隣に座った。
「うーん、まぁ、三沢っちには悪いけど。どう返答したものかって困ってたのも事実だし」
「アイツ、三沢って言うんだ。」
「うん。ま、ヒーロー参上ってとこかな」
「そ、そうか?」
ジョーダンのつもりで言ったんだが、十代はまんざらでもないようだ。
「ま、三沢っちに関しては、あとで互いに自己紹介するといいよ」
「そうだな」
「カッコイイ・・・・・・」
「え?」
すぐ傍で声がしたと思ったら、いつの間にか翔が立っていた。
「うわっ!?」・「うおっ!?」
俺と十代は似たようなリアクションをとった。
「あ、驚かせてごめんなさい。僕は丸藤翔。ねぇ、君のことをアニキって呼んでもいいかな?」
「いきなりだな」・「オレのことか? デュエリストに上下はないぜ」
十代は困ったような表情でそう答えている。
ここもアニメと違うが、アテさんもシスコン設定になっていたし、細かいところを気にしてたらダメな気がしてきた。
あ、アテさんってのはアテムことファラオとか闇遊戯とか言われてる豆腐メンタルの遊戯の前世さんです。
でも、今思ったけど、前世の魂が封印されてたのに、生まれ変わりがいるっておかしくないか?
外見はそっくりだけど
まぁ、遊戯王には矛盾点というかご都合主義もアニメならではで入ってくるし、これ以上突っ込まないでおこう。
「え、でもとても君には・・・・・・」
しょげている翔を見てるとなんだか、カワイソウになってきた。
「ま、いいじゃん。弟分的な感じでさ」
「・・・・・・わかったよ」
俺の一言が効いたかはわからないが、最終的には十代が折れてくれた。
「あ、ありがとう。えっと・・・・・・じゃあ、これからよろしくアニキ」
翔は照れくさそうにそう挨拶した。
「よかったな」
「キミもありがとう。えっと・・・」
「俺は何もしてないさ。瑓だ。」
「そんなことないよ。ありがとう瑓。」
「じゃあ、どういたしまして」
お礼を言われて悪い気はしなかったので、微笑みながらそう返していたら、さっきまで笑顔だった十代が急にムスっとしていた。
「ん? どうしたんだ? 十代。」
「なんでもねーよ」
明らかになんでもない。という態度ではない。
お気に入りのおもちゃを取られた子供のようなすね方というか・・・・・・。
「なんでもあるだろう。なぁ? 翔」
「そうッスよ。なんで急に機嫌悪くなってるんッスか? アニキー」
そっぽを向く十代を覗き込むようにして俺は再度尋ねるが、十代は頬を赤くしたまま目を合わせようとしない。
「もしかして・・・・・・」
翔が何か言いかけたところで、
「さ、そろそろ席に戻るか」
何故か慌てたように十代は立ち上がり、翔の口を塞いだ。
「???」
俺は訳がわからないまま、一人だけ取り残された気分だった。
いや、雰囲気的に
「もしかして、アニキ。瑓さんに惚れてるッスか?」
って言おうとした翔を十代が慌てて止めた感じに見えなくもないのだが、公式で発表されてないとは言え、墓守編の時のサラへの態度から十代の好みは年上美人のはずだと俺は推測していたし、最終的に十代の嫁はユベさんなので、そもそも惚れることがあるのかという疑問がある訳で、
明日香と初対面時も、俺に惚れたか?とかふざけて言ってたから、美人系が好みなのは間違いなさそうだが、
花より団子ならぬ花よりデュエル派が多いこの作品では決定打にかけるけどな。
 
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