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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第三章 悪夢
  第7話 戦いの果てに 1

あの後、転送されて戻ってきた一方通行は、琴里にチョーカーをつけられて復活していた。

琴里「お帰りなさい。無事で何よりよ」

一方「あァ…」

と一方通行は吐き捨てるように言って、そのまま……確か一方通行がチョーカーの設計図など、色々置いてる部屋に入ろうとしていた。

一方「……五河琴里、ちょいとこいつの修理するから邪魔すンじゃねェぞ」

と言って壊されたチョーカーを見せながら言った。

琴里「分かったわ……」

その言葉を聞いて、一方通行は中に入って行った。

琴里がそのドアに背を向けて戻ろうとしたら、

ドン!!!

という壁を叩く音が聞こえた。

彼なりに悔しいのだろう。人を殺すことを、止めるどころか実行させてしまい、挙句の果てには狂三に負けたのだから。

琴里は一度立ち止まったが、振り向かずに、そのまま歩いて行った。










あの後、転送されて戻ってきた上条は、一度家に戻ることにした。

帰る途中、上条は悔やんでいた。



自分の力の無さに。



自分では狂三に歯が立たなかった。

力が欲しい、そう思った。

すると背後に人の気配を感じた。

振り向くと、

上条「お前は……ッ!」








佐天と士道はどこかの公園のベンチに、ドスン、と力なく座り込んだ。

佐天と士道はあの後、真那に狂三を何故殺すのか、その話をされて、そして思い出していた。



狂三が人を殺し、真那が狂三を殺す光景が。




士道「なんなんだよ……そりゃあ……ッ!」

佐天もそう思った。

全てに納得がいかない。

なぜ、狂三はあんなにも簡単に人が殺せるのか。

なぜ真那はあんなにも簡単に狂三を殺せるのか。

と、思っていると、

十香「シドー!」

十香が元気良くこちらに駆けてきているのが見える。

折紙も一緒に来たみたいだ。

士道「シドー、どこへ行っていたのだ!?」

折紙「また別の女の子と……一体これはどういうこと?」

士道の所まできた折紙と十香が不機嫌そうに言ってきた。

だが、これに答えられるほど、今の士道の精神状態は良くない。

士道「ごめん……」

十香「シドー?」

折紙「どうしたの?」

さすがに不審に思ったのか心配そうに佐天と士道の顔を覗き込む。

すると十香があることに気づいた。

十香「シドー!怪我をしているではないか!」

と十香が士道の手を取る。確かに擦りむいた後があった。

恐らく狂三の手に足を取られて転んだ時の傷だろう。

だが、頭の中に狂三の血が濡れた全貌が頭に過ぎり、

士道「ひッ!」

と不意に声を上げて、十香の手を払いのけてしまった。、

十香「え…あ、シドー……?す、すまん……痛かったか?」

士道「……っ、悪……い。ごめん、本当にゴメン」

士道は小さく頭を下げながら言った。そして立ち上がってその場から駆け出してしまった。

十香「し、シドー!?」

折紙「どこへ……」

2人は士道の背中を疑問と悲壊の眼差しで見ていた。

残させた佐天は、

太ももの上に、グーの形にしながら置いてる手を見ていた。

そしてそれをさらに強く握りしめた。

落ちてくる涙と共に……










 
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