【遊戯王GX二次小説】最弱最強!?漆黒のデュエリスト
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第1期
序章
TURN 1 遊戯からの依頼
そして年月は流れ、俺の年齢もようやく中学生2年生くらいの年齢まで戻った。
とは言っても、遊戯たちと様々な事件に巻き込まれていく中で、俺には特別な力があるらしいことがわかり、ペガサスと社長に専用のデュエルディスクを作ってもらうまでになったのだが
そして、今のシリーズはGX。
俺が途中まで見て、そして、遊戯王を辞めてしまった頃のシリーズだ。
まさか、今更この世界にトリップするとは思っていなかったし、夢にも思っていなかったとはまさにこのことか。
今日は、遊戯に話があると呼ばれて、デュエルアカデミアの試験会場こと社長が創った海馬ランド前の公園に来ている。
デュエルアカデミアは、次世代のデュエリストを育成するための学校。
とは言っても、GXでメインに出てくるのはその高等部で今俺の目前を走っていった中学生。
“遊城十代”がGXの主人公である。
何げ、DM時代より好きなシリーズだったりする。ユベルが中でも特に好きだば。っても、好きになったのは再ブームに至るきっかけで知って、色々調べたからなんだけど。
別に遊戯たちが嫌いというわけではない。
むしろ、いろんな意味で荒んだ青春を送った俺としては、彼らの青春を見守れて何よりです。という心境だ。
さて、そんな十代だが、アカデミアの入試当日に電車が事故で遅刻という事態に陥っているわけだが、それを試練と言えるあたりかなりポジティブだと思う。
そして、俺を呼んだ張本人である遊戯は、ぶつかってしまった彼にハネクリボーのカードを手渡している。
いつそのカードを入手したんだろうか?
とはいえ、俺もぼーっとその光景を見ているままな訳にもいかないので、十代が去ったあと、遊戯に声をかけた。
「遊戯、話って?」
「あ、瑓。アカデミアの件で話があるんだ。」
「アカデミアの?」
「うん。実はアカデミアの校長さんから、特別講師をお願いしたいって話が来てたんだけど」
(アカデミアの校長ってことは鮫島校長か)
「それで?」
俺は先を促す。
「それで、オッケーの返事をしたら、海馬くんから僕が行くぐらいなら自分が講師をやるって言い始めてね。」
「うん。」
「でも、海馬くんはKC(海馬コーポレーション)の社長でしょ?」
「そうだね、だから俺も社長って呼んでるわけだし」
「社員の人やモクバくんが必死に引き止めちゃって、結果的に、瑓に僕たちのデュエルを録画したビデオを教材提供って名目でやらせればいいんじゃないかって話になって・・・・・」
遊戯は至極申し訳なさそうにそう言った。
「いや、意味がわからないよ。どう結果的に話し合ったらそうなるの? そもそも、既にDVD出てなかったっけ?」
「僕もよくわからないんだけど、海馬くんからは“社長命令”だと言えばわかるとしか言ってくれなくて」
「・・・・・・社長命令。だって?」
俺は顳かみをぴくつかせながら、アカデミアで居候したいと言いに行った時のことを思い出していた。
回想――――――
現在アカデミアの寮に居候している俺だが、それに至るまでに社長と一悶着あったんだ。
杏子が留学してしまい。
さすがに真崎家に居候し続けるのに罪悪感を感じた俺は、社長がアカデミアを設立したのを知って、交渉に行った訳だ。
KC社長室
「アカデミアの寮に居候したいだと?」
相変わらずの無駄に高身長な社長は外を見ながらそう返した。
「うん。そう言ったね」
「何故、わざわざあの学校しかない場所に住もうとする。必要ならば俺が用意してやると言っただろ。」
「いや、だからモクバに懐かれてるだけでそこまでしてもらうのは悪いって」
杏子の留学が決まった時、遊戯の家に行くのを考えていた俺に、社長は住む場所なら提供してやると提案してきた。
しかし、いくらアニメの話を一緒に経験してきたと言っても、俺は社長のライバルになるほど強くない。
自他共に認めるほどデュエルの腕は最弱だ。
では何故、社長がそこまで良くしてくれるのかというと。
モクバの存在が大きい。
理由はよくわからないが、俺は何故かモクバに懐かれていた。
そして、モクバは社長の弱点でもある。
そんな訳で社長は俺には無駄に優遇してくれるわけだが・・・・・・。
「アカデミアなら、寝るのも風呂もあるし、食事もまぁ、自炊できるし・・・・・・」
と理由を黙々と述べていくと
「フン! よかろう。ただし、1つ条件がある。」
ようやく社長が折れてくれてホッと一息ついたのも束の間。
「え、何?」
「俺が“社長命令だ”と言って依頼したことは引き受けろ」
「それだけ?」
「なんだ、他にも何かあるのか?」
思いのほかまとも?な条件で安心した。
社長のことだから、ブルーアイズを捨てろとか言うかと思ってヒヤヒヤしたが、社長も成長したってことか
「あ、じゃあ、俺も条件があるんだけど・・・・・」
俺が出した条件。
それは――――――
「社長命令じゃ、嫌だけど仕方ないな」
「ホント!?」
どうやら、引き受けてくれるか心配だったらしい遊戯の顔に安堵の表情が浮かんだ。
「そういう取引だからね」
「よかった~。えっと、それともう一つ。」
「まだ何かあるの?」
「ストーンデュエルでいいから、アカデミアの実技入試受けてみろって」
「は? そもそも俺まだ中学生ですが? 飛び級できるほどの腕前じゃないし」
「あはは、今の実力を知りたいんだってさ、」
疑問符を浮かべる俺を見ながら、遊戯は苦笑を浮かべている。
「筆記は?」
「ズタボロだろうから受けなくていいって」
「了解」
「大丈夫だよ、初めて会った時よりは大分強くなったんだし」
遊戯がフォローしてくれるが、そりゃ、多少は強くならないと進歩ないじゃないかと内心突っ込んだのは秘密だ。
「って、アイツでも遅刻なのに! 俺絶対間に合わないじゃん!!」
十代が試験会場に向かう時点で、遅刻ないし、ギリギリだったはずだ。
俺は走るのはそこそこ早いはずだけど、間に合う気がしなかった。
社長命令に実技試験も含まれているなら、まずそれからクリアしないと話にならない。
俺は仕方なく、ブルーアイズことキサラをこの世界にトリップした際に得た能力で召喚し、試験会場である海馬ランド近くまで運んでもらった。
幸か不幸か、社長が普段からブルーアイズの自家用機に乗っているので、そのおかげか大騒ぎにはならない。
「・・・・・・って、そうだった。」
壁があるのを忘れていた俺は、
(やっぱ受付会場に着陸すればよかったなぁ。)
と後悔しながら、一歩二歩と後ろへ下がる。
後ずさっているわけでも、逃げようとしているわけでもない。
「よし、これくらい離れればいいか」
俺は思いっきり助走をつけて壁を乗り越えた。
無事地面に着地すると同時に聞きなれた声が聞こえてきた。
十代だ。
「ん? お前も遅刻か?」
笑顔で初対面であるはずの俺に声をかけてくる辺りはさすがというべきか、呆れるべきか
俺も遅刻しかけた受験生だと思われたらしい。
「いや、違う。そもそもまだ中2だし」
「へ? そうなのか? じゃあ、なんでこんな時間に?」
ここに居るのかと聞きたかったのだろう。
しかし、彼なりに勝手な解釈を取った結果。
兄姉の応援というなんとも筋違いな勘違いをしてくれたものだ。
そもそも、今の時刻は試験の遅刻ギリギリもいいところ。
仮に本当に兄姉の応援だとして、とっくに終わっている可能性には至らなかったのか。
まぁ、馬鹿で明るいところが十代のいいところでもあるとは思う。
念のため言っておくが、貶しているわけではないぞ、むしろ褒めてるくらいだ。
その後、十代からの質問やデュエルの話をしながら、試験会場に着いた俺たちは一度別れた。
俺は先生たちのいる席の方へと歩いていく。
後ろの方で
「やっぱ、受験生なんじゃねーか」
などと十代が文句を言ってた気もするが、スルーしておく。
遊戯王の世界ではスルー力は重要だ。
俺が先生たちの方に着く頃。
クロノス先生はちょうど、鮫島校長と話し終えた辺りらしかった。
「クロノス先生。」
「おぅ! セニョール苑王寺。お待ちしてましたのーネ」
「お待たせしました。もう対戦相手は決まってますか?」
「もちろんなのーネ。私ィがお相手させていただくーノです。」
「え? 十代の相手は?」
「十代ですーノ?」
「受験番号110番 遊城 十代。クロノス先生式で言うなら、ドロップアウトボーイかな?」
「おう!? そうでしたのーネ。」
(そんなあからさまに忘れてました的な態度は十代がカワイソウですよ、先生。)
「私は別に誰が相手でも構いませんが」
なんで一人称私なのかって?
俺は気分屋なので、おふざけで一人称がちょくちょく変わるんだ。
まぁ、基本は俺。だけどな
「では、先ほど私に勝った受験番号1番 三沢 大地くんはどうかな?」
「えーそれなら、十代の方がいいです。」
相手は誰でもいいと言ったが、三沢っちはどのデッキを使ってくるか、予想しづらいし、対策も立てにくいから苦手だ。
あと、先生方が最弱であるはずの俺に敬語ないし、クロノス先生に至っては、意外と優しいのは、
1に俺がこの世界での実年齢が14歳であること。
2にペガサスや社長から優遇されていること。
3にデュエルの腕は最弱でも、珍しいカードを持っている(ってか、実際は現実世界にいた時に買った)。
っていうのが大きいか。
あとは、遊戯の知り合いで、実際に戦ったことがある(カウントしていいかは微妙だけど)って意味では、俺も伝説のデュエリストに該当するのかな。
「シニョール十代?」
「うん、デッキ知ってるし、性格やドロー運も知ってるから戦いやすいし」
「うーん。しかしなのーネ? 校長先生からは、他の受験生と同じように試験するように言われているのーネ」
困ったような声音でクロノス先生は返答する。
「じゃあさ、ここで待ってるから、十代が先生に勝ったら、十代とデュエルさせてよ。先生が勝ったら、先生が相手をしてください。」
「わかりましたのーネ。すぐに終わらせてくるので待っててくださいなのーネ」
まぁ、結果は十代の逆転勝ちだと知ってるが、デュエルを見てるのは嫌いじゃないし。
俺自身は弱いけど、デュエルをするのはもっと好きだからな。
勉強させてもらうこととしよう。
いつも俺は凡ミス連発するし・・・・・・。
こうして始まった十代の実技試験。
先生たちの席にいる俺に気づいた十代はのんきにこちらに手を振ってる。
が、クロノス先生は“それも”気に入らなかったらしい。
ホントに1ターンキルする勢いで、古代の機械巨人を召喚。
手持ちの仲間としてはかなり心強いが、敵になると攻撃力は3000とかなり厄介な相手だ。
しかし、十代には天才的なドロー運がある。
デッキをいくら望みのカードを出やすいように構築したって、あそこまで、ドロー運に恵まれている奴はそうはいないだろう。
遊戯でさえ、多少はヤバイ局面もあったワケだし。
そして、持ち前のEHEROと融合を生かし鮮やかな逆転劇を見せてくれたワケだが。
相変わらずスカイスクレイパーは油断ならない。
アニメでは融合モンスターとのコラボで忘れがちだが、スカイスクレイパーは単体のEHEROにもその効果を発揮する。
ゲームをやってた時は1ターン目からこれを使われて如何にこれをどうにかするかで試行錯誤していた記憶があるな。
そして、案の定。鮮やかに逆転されてクロノス先生の負けである。
アニメの時よりショックが大きそうなのは何故だろうか?
そして、これにより俺の試験の相手は“十代”ということになるのだが、クロノス先生が説明出来る状態ではないので、他の先生が代わりに説明に行く。
俺も隣のデュエルフィールドへと向かう。
「えーっと、よくわかんねーけどオレを指名してくれたって?」
少し照れたように頬をかきながら、十代がこちらのフィールド移動してきた。
「指名って・・・・・・そんな大げさなもんじゃないけど」
何故照れているのか、ホストを指名したみたいな感じなっているのかわからないが、俺がフィールドに立つと同時に会場がざわめき出す。
そりゃそうだろう。
古代の機械巨人を出したクロノス先生は負け知らずというだけでなく、アカデミアの実技最高責任者である。
もっとも、ハネクリボーの効果については知らなかったようだが。
そんなクロノス先生を破った受験番号110番こと十代と最弱という意味ではある意味アカデミアで知らぬ者はいない俺が説明も告げられずにデュエルするようにしか見えないのだから。
「えっと、俺とのデュエルは特殊だから説明したいんだけどいいか?」
「特殊って?」
「まずはこれ、」
俺は、ハネクリボーの形をしたデュエルディスクと紐のついたネックレス状の石を十代に手渡す。
「これ、ハネクリボー。だよな?」
「俺とのデュエルでは普通のデュエルディスクは使えないから、俺が渡したのを使ってくれ」
「わかったぜ。で、この石は?」
「俺とのデュエルはストーンデュエルって呼ばれてるんだが・・・・・・」
「まぁ、実際に見てもらったほうが早いか」
俺は、説明するのが下手なので実際にモンスターを召喚し、ストーンを身につけた状態でダイレクトアタックさせた。
そこのドMとか思った奴。
あとで、ちょっと来ようか(黒笑)
「どうなってるんだ!? デュエルディスクを持ってないのになんでモンスターが!?」
十代は混乱したかのような興奮したかのようなテンションで尋ねてくる。
「俺の特殊能力みたいなもんだ。で、本来なら普通に痛いし、下手すれば死ぬんだが」
俺の説明を聞いて十代はそうだよなと頷いている。
まぁ、仮想召喚でもかなり痛い訳だからリアルだったら、そりゃね。
「このストーン。って呼んでるんだけど、このストーンを身につけてると何故かダメージを吸い取ってくれるんだ。」
「へぇ~、すごいんだなコレ」
「ちなみに今渡したのはLP4000分な」
「え、LP分のサイズとかあるのか?」
「この石は変わっててな、LPを回復するとサイズが大きくなる。逆にダメージを受けると、ほら」
俺は先ほどダイレクトアッタックさせた時に身につけていたストーンを見せる。
「ダメージを受けるたびにヒビが入って、LP0で砕け散る。」
「え、じゃあ、お前のストーンは?」
「安心しろ。これは俺の能力で作れるから、とっくに生成済みだ。」
「なんか、よくわかんねーけどすごい力だな」
十代は何やら感心したように言うが
「お前程じゃないさ。あ、あと・・・・・・」
「まだあるのか?」
十代は早くデュエルしたいようだが、きちんと説明しないとフェアに闘えないからな。
「デュエルディスクについてだがな」
「普通のは使えないから、貸してくれるんだろう?」
「そうだけど、俺は使わないから」
「は?」
「俺はストーンで残りの大体のLPがわかるし、今見せたようにデュエルディスクがなくても、モンスターを召喚できるからな。ストーンはちゃんと身につけろよ? マジで痛いぞ」
「お、おぅ。」
「それと見方も普通のと違う」
「どう違うんだ?」
「まず起動すると・・・・・・」
それからしばらく、俺専用デュエルディスクの使い方をレクチャーし、ようやく定位置についたのは会場の皆があくびをするくらい待ってからだった。
後書き
次回はいよいよオリジナルデュエルの開幕です。
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