「メ」から始まる異世界日記
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月明かりの中に
前書き
そこは暗かった。カプセルが並んで設置されていて、1から30まで数字が書かれていた。中には人が入っていた。そのカプセルは液体で満たされていた。周りにはそれを制御するのか、見たこともないような機械がたくさんあった。
「さっきまでいた洞窟…なのか…?」
そこには心なしかさっき来たときより暗く見える洞窟の入り口だった。
メン洞窟と呼ばれるこの洞窟は俺たちみたいな戦える奴らなら大丈夫なんだけどあんまりこの周辺の人たちは近付かないんだ。夜な夜な女性の悲鳴とかが聞こえるらしいしね。俺たちはギルドに届いた依頼を受注してきていた。依頼内容は近くの羊飼いの人からで「洞窟に肉食獣がいるらしく羊の数が毎晩減っていってるんだ。たぶん洞窟にすんでるからなんとかしてくれ!」な感じだった。そんな依頼でもない限りは近づきたくないんだけどなぁ…まぁ、依頼より重要なことかも知れないし…とかいって自分たちの跡(正確には俺と一緒にきていたあの女どもの跡)を追跡していた。取りあえず中に入ればなんかあるだろと思って追跡できる限界位まで歩いてきた。そしたら灯りが見えた。
「あれ…? あれは……」
なくしてた灯りじゃん!? 水に流されたぐらいじゃ消えないよ? なにがどうなってひかってるのかは…考えるよ? 多分、筆者が。
ともかくここまで流されてきたのかと思えばそうでもないらしい。
「ギルドの者です~ 誰かいますか~?」
一応声を出してみると
「こっちだよ! こっち!」
と女性の声が聞こえたので行ってみると…そこには!
腰を抜かしてぺたんと座る、可愛いヒロイン…ではなくおばさんだった。
「っ~~~!!」
このやり場のない怒りはどうすれば…と思ってたらおばさんが指差すもんだからそっちの方に進んでいくと… いた。1メートルくらいへこんでるところがあった。その上の岩肌はぶち抜かれ、月明かりが差し込んでいた。その月明かりに負けず劣らずキレイな銀色の髪をした色白な女の子が倒れてた。さすがにヒロインだろとかは思わなかった。というか思えなかった。そんな考えなんか飛んでいくくらいキレイだった。見惚れてた。月に雲がかぶったのか月明かりが弱まり、我に返った。
「たたた…助けないと!? てかどうやってだよ俺!?」
う~んとえっと…なんて情けない言葉をあたふたつぶやきながらウロウロしてると…
「だれ?」
「ん!? 起きた!?」
「だれ?」
「おれは、泣く子も黙る主人公の…」
「違う。」
「は? あ、後ろのおばさん??」
「…」
「はぁ…おい、おば…さ…ん…?」
少女の声もまた透き通っていて、月明かりをそのまま色にしたようなキレイな銀色の髪や少しでも触れると崩れそうな儚く白い肌とあいまってこんな人間も生まれるのかと疑問を持つほどの美しい少女だった。いや…同い年かな?
そんな俺の止まるところを知らない感想を止めた奴がいた。おばさんだ。いや、おばさんだったと言うべきか。
「てかおっさんじゃねぇか!?」
バンギのおっさんとさほど変わらない年齢の男がそこにはいた。
「ふむ、わたしがわからぬか。まぁいい。貴様は運がいい」
その男の目を見たら…なんというか、悪寒がした。人を人として見ていないような冷淡ですらない無感情の目をしていた。
俺は正体不明の恐怖を感じながら、それでも剣をつくった。一番慣れたいわゆる日本刀のような形状の剣を。それを握るとわずかながら恐怖が薄れた気がした。
「ふっ…」
男は聞こえるか聞こえないかぐらいの声で笑いながら去っていった。闇に溶け込むように。
情けなかった。あの男を前に動けなかったこと。いや、今はそんなことなんてどうでもいい。それより外にでないと。
「あ…そ…そうだ、動ける? ケガとか…してない?」
辛うじて言えた言葉だった。まだ声も足も震えてる。あれほどのプレッシャーを感じたことがなかった。
「うん」
「そ…そう? とりあえず…でようか…?」
「うん」
それからはとりあえず灯りを持って出口を目指した。歩き出したら終始無言だった。行こう、と差し出した手を握ってくれたのがせめてもの救いだった。ただただ手から伝わる温もりに救われた。それがなかったら俺は…そんなことはありえないと頭では理解してるけど…あの男に押しつぶされそうな気がしたから。
ひとまずギルドに戻ったらバンギのおっさんとチワさんに洞窟でこの女の子が叫んでたと言った。男のことは話さなかった。思い出しただけで押しつぶされそうになる。あれはもはや呪いだ。そんな俺の心情を察してくれたのか何も聞かずにうなずいてくれた。
その女の子もギルドにいていいといわれたのでその日は俺はギルドに泊まった。
あんだけヒロイン探してたのにいざそうなると何もできない。名前も聞けてない。てか話せてない。そんな自分にイライラしながらその日は寝た。
朝起きて、学校はあれこれ理由つけて休もうかと思ったらチワさんに身も凍るようなステキな笑顔で
「いってらっしゃい」
と言われたので学校に行った。
まったく授業に身が入らなかった。いや、普段から入ってないが。そして俺の親友のハルキに何かあったと断定され、一方的に相談(というか尋問)された。そこで昨日助けた女の子に話しかけられなくて…と言ったら
「オレが行ってやるぜ! 任せんしゃいな!」
とかいって勝手にギルドまでついてきた。
あいつ農業ギルドだったろ…
暇してていいのか?
とにかく、目障りではあったがハルキを連れて行ったから話がすすんだんだ。
彼女は何者なのか、なぜあんなとこにいたのかが。
後書き
説明サボったツケが回ってきた。だから説明しよう。
この世界でいうギルドは団体だと思ってくれ! ハルキが農業ギルドにいる。俺は魔導師ギルド。他にも工業ギルドとか商業ギルドとか…
そしてこの世界の人々は全員魔法と能力を持っているんだ。
まずは魔法から。魔法はその人の努力でなんとかなる。だから飛行魔法の練習してたらしいおっさんが飛んできた。なまじ飛べるようになったからって調子にのるとあんな風になる。俺の魔法である剣精も最初は大変だった…鉄パイプがたくさん出来たからな。時間がたつか俺が消えろと念じれば消える。最初は鉄パイプでさえ2つ同時が難しかったんだからな。あの男のプレッシャーのなかで剣だけだせたのは血のにじむような努力の賜物。
あと能力の説明だな。これは生まれつき持ってるんだ。俺は能力が戦闘に使えるから魔法使いのなかでも自由に魔法を導く者、すなわち魔導師になったんだ。ハルキの能力は認識。工業製品だとそのパーツの形状を完璧に覚えて間違いが瞬時にわかったり、あとは農業で使うなら作った生産物のチェックとかな。あとは違う能力でいえば目視しただけで温度がわかる奴とかな。
世界観の説明終わり!
あとがきで説明とか…計画たてろよ筆者!!
見苦しいにもほどがあるぞ!!!byコウ
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