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時空を渡る精霊

作者:蒼鈴六花
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助けを求める声

思いのほか書けたので投稿。
デバイスを英語に書き直しました。
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エミルが高町家に来て早5年。

エミルはなのはと同じ小学3年生になっていた。

朝、エミルは桃子の手伝いをして朝食を作り。

「エミル、なのはを起こしに行ってきて」

「分かった」

いつも通りなのはを起こしに行く。

「おい、なのは。起きろ」

「ふあー、おはようエミルお兄ちゃん」

「ああ、おはようなのは」

それから恭也と美由季を呼びに行く。

「兄さん、姉さん。朝食の用意ができた」

「ああ、分かった」

「もうそんな時間かー」

そして朝食の席にて

「今日もおいしいな。お前らエミルと母さんに感謝しろよ」

「まあ、あなたったら」

「初めてエミルが料理した時は驚いたけどね」

「そうだな、性格からして料理なんてできなさそうなのにな」

「うるせぇ、料理作るのが好きで悪いか」

「エミルお兄ちゃんとお母さんの料理はおいしいよ!」

そんな会話をしながら朝食の時間は過ぎていく。
そして家を出てエミルとなのはは、バス停に向かいバスに乗り込むとバスの後ろの席から声がした。

「なのはちゃん、エミル君」

「なのは、エミルこっちこっち」

エミルとなのはを呼ぶ声が聞こえる。

「すずかちゃん、アリサちゃん」

なのはとエミルはバスの一番後ろの座席に向かう。

「よう、二人とも」

「ようじゃないでしょ、もう。まあいいわ、おはようエミル、なのは」

アリサの声は最初は驚いた。今は亡きマルタにそっくりだったからだ。まぁ声が似てるだけだし、そこまでで最初は話もしなかったが、色々あって今では普通に友人だと思っている。

すずかは二人の会話を見ながら微笑みつつ。

「おはようなのはちゃん、エミル君」

「おはよう」

すずかとアリサは席を空け二人は座るとバスは発車した。

月村すずかとアリサ・バニングスは1年の頃からなのは、エミルと同じクラスで塾に通っている。
いつもはこの4人でいることが多い。

今日も学校の昼休み、屋上のベンチで4人並んで弁当を食べている。

今日の話題は授業であった将来についてだ。

「将来かー」

たこさんウィンナーを食べながらぼんやりとなのはが言い出す。

「アリサちゃんとすずかちゃんはもう結構決まってるんだよね?」

アリサは。

「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし、いっぱい勉強して後を継がなきゃ、ぐらいだけど」

そう言ってすずかを見る・

「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいなと思ってるけど」

それを聞いたなのはは

「そっかー。二人ともすごいよね」

「でも、なのはは喫茶翠屋の2代目じゃないの?」

「うん、それも将来のビジョンの一つなんだけど…エミルお兄ちゃんのほうが向いてるし、やりたいことが何かある気がするんだけど、まだそれが何かはっきりしないんだ。私、特技もとりえも特にないし」

その言葉を聞いたとたんアリサはなのはにレモンをぶつける。

「バカチン!自分からそういうの言うんじゃないの!!」

それにすずかも続く。

「そうだよ。なのはちゃんにしかできないこときっとあるよ」

「大体アンタ、理数の成績はこの私よりいいじゃないの?それでとりえがないとはどの口が言ってるの!」

アリサはなのはの口を引っ張り始め、エミルに顔を向けると、もくもくと弁当を食べていた。

「ちょっとそこ!なのはの兄貴ならあんたもなにか言ってやんなさいよ!」

そこでようやく顔を上げ。

「なのは、自分を卑下するな。それにお前のやりたいことだってそのうち見つかるさ、まだ9歳なんだしそこまで悩む必要はない」

「あんた、たまに老けて見えるわね……」

「……」

そんな感じで昼休みは過ぎ去った。



そして放課後、4人は並んで歩いていた。
するとアリサが何かを思い出し。

「あ、こっちこっち!」

指差して皆を呼び始めた。

「ここを通ると塾に行く近道なんだ」

「そうなの?」

「ちょっと道悪いけどね」

4人でその道を通ることになり歩き始める。
俺は道に入ったとたん変な気配を感じていた。

(なんだ?この気配)

横で歩いていたなのはに目を向けると何かに気付きハッとした表情になる。

「なのは?」

その声に前を歩いていたアリサとすずかが振り返る。

「どうしたのよ?」

それになのはが

「ううん。なんでもない」

「じゃあ、行こう」

「うん」

そして再び歩き始めると

『助けて』

「「!?」」

俺は動きを止める。なのはも同時に動きが止まる。
それに前の二人が振り向き

「なのは、エミル?」

「今、何か聞こえなかった?」

となのはが聞いてみた。エミルはなのはも聞こえていたのかと驚く。

「何か?」

「なんか、声みたいな……」

「別に」

「聞こえなかったかな……」

なのははきょろきょろし始めるとまた。

『助けて!』

声が聞こえた。なのはは、走り出す。

「なのは!」

俺も追いかけ始めたことで、後ろの二人は驚いて

「なのは、エミル!」

「なのはちゃん、エミル君!」

俺はすぐになのはに追いついた、なのはより俺のほうがずっと足が速かったし追い抜くことにした。

「なのは、先に行くぞ!」

「ふえ!お兄ちゃん!?」

エミルはなのはを追い越し、すごいスピードで駆け抜ける。すぐに声の主を見つけた。
フェレットのような動物が怪我をして丸まっている。

(こいつか……)

遅れてなのはがやってくると、フェレットは目を覚まし見上げてくる。その首には赤い玉と黒い玉がついていた。



近くの動物病院にて

どうやらフェレットは怪我はないけど衰弱しているようだった。

病院の先生が首輪に触ろうとした時、フェレットは目を覚ました。

きょろきょろと周りを見て、それから俺となのはを交互に見て困っているようだ。

それになのはが指を近づけると匂いをかいでから一回舐める、するとなのはは嬉しそうに笑顔になる。
だが、その後すぐに倒れてしまった。
そして、院長先生にフェレットを預け、塾に向かうことにした。



塾で相談した後、高町家では

フェレットをうちで預かれないかとなのはが父さんと母さんに頼んでいた。
俺もなのはに協力し、ちゃんと面倒見るならいいと許可をもらった。

アリサやすずかには、なのはから連絡するということで、俺は自分の部屋に戻ってくつろいでいた。
すると突然、奇妙な感覚に襲われ

『聞こえますか?僕の声が、聞こえますか?聞いてください』

『僕の声が聞こえる貴方、お願いです!僕に少しだけ力を貸してください!お願い僕の所へ!時間が……危険が……もう!』

声が途切れ、少し考えた後すぐに用意をし、部屋を出るとなのはが同じく部屋を出た所だった。

「エミルお兄ちゃん!」

「なのは、あの声が聞こえたんだろ?急ぐぞ!」

「あ、うん!」

そして俺達はこっそり家を抜け出し、二人は動物病院に走った。



動物病院入り口

なのはと俺はまた奇妙な感覚に襲われる。なのはは、頭痛付きのようだ。

「大丈夫か?なのは」

「う……」

なのはが落ち着いてから動物病院に入ろうとすると、フェレットが病院から飛び出してきた。

「!?あっ!あれは!」

なのはは声をあげながらフェレットの方を見る。エミルはフェレットが出てきた所を睨みつけている。

直後、黒い物体が壁を壊し、フェレットの所に突進した。フェレットはそれを避ける。

「あ!」

なのはは飛び出したフェレットをキャッチする。

「なになに?いったいなに!?」

「魔物か!?」

なのはは混乱し、俺は少しフェレットを見てから黒い物体に目を向ける。

(普通に攻撃しても倒せなさそうだ……)

ほとんど勘だが、普通に攻撃するだけじゃ倒せそうにないと思う。
そう思ってるとフェレットが

「来てくれたの?」

「しゃべった!?」

「おい!とりあえず逃げるぞ!」

「う、うん!」

俺はなのはに呼びかけ立たせる。



二人は町を走って逃げる。

「おい、フェレット。説明しろ!」

と走りながらエミルはフェレットに言う

「君達には資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」

なのははフェレットを見ながら

「資質?」

「僕は探しもののために、ここではない世界から来ました。でも、僕一人の力では思いを遂げられないかもしれない……だから迷惑だとは分かっているんですが、資質を持った人に協力して欲しくて……」

「詳しい説明は後にしろ!協力するからその方法を!」

「は、はい!貴方達に魔法の力を使って欲しいんです!」

「魔法?」

そこで上から黒い化け物が降ってくる。

「危ねぇ!なのは!!」

とっさにエミルがなのはを抱え避ける。

「その魔法の力ってやつは、どうすれば使えるんだ!」

「これを!」

と首についた玉を渡してくる。なのはは赤エミルは黒を。

「それを手に、目を閉じて心をすませて、僕の言うことを繰り返して。君には念話で伝えるよ」

最後にエミルのほうに向いてフェレットが言う。エミルは頷き。

「いい?いくよ!」

「うん」

「ああ」

「我、使命を受けし者なり」

「我、使命を受けし者なり」

なのはが呟く中、エミルにも念話で

『我、使命を受けし者なり』

「我、使命を受けし者なり」

エミルもなのはと同じように呟く

「契約の元、その力を解き放て」

「えと、契約の元、その力を解き放て」

ユーノから念話が来る

『契約の元その力を解き放て』

「契約の元その力を解き放て」

(ここまでは同じだな)

「風は空に、星は天に」

「風は空に、星は天に」

念話にて

『樹は大地に、太陽は天に』

「樹は大地に、太陽は天に」

それからフェレットは目を瞑り

「そして、不屈の心はこの胸に!この手に魔法を!」

「そして、不屈の心はこの胸に!この手に魔法を!」

『そして、絆の響きはこの胸に!この手に魔法を!』

「そして、絆の響きはこの胸に!この手に魔法を!」


「「レイジングハート、セットアップ!!」」

『「スピリットハート、セットアップ!!」』


『『stand by ready.set up.』』


その言葉と同時に、桜色と紺色の光の柱ができる。

その光を見たフェレットが驚く。

「なんて魔力だ…」

だがすぐ立ち直り。

「落ち着いてイメージして!君の魔法を制御する魔法の杖の姿を!そして君の身を守る強い衣服の姿を!」

「そんな急に言われても……えと……ええと……とりあえずこれで!」

「要するに武器と防具だろ。なら決まっている!」

そしてなのはは、学校の制服を元にした白い服に、大きくなった赤い玉の周りを金色の金具が付いている。金具の下の部分と柄の先がピンク色になってる杖を握っていた。

エミルは、紺色の膝まであり肩が露出した上着に黒いマフラー、黒に黄色のラインのはいった膝より少し長めのズボン。指先が出る黒いアームガードにリストバンドをしていて、腰には鞘に、丸いポーチがついている。
そして杖は

「ねえ、お兄ちゃん。それ杖じゃなくて剣だよ?」

「ああ、剣だが?」

エミルの持っている剣は、刀身が蒼くかすかに光っていて、持ち手が茶色く変わった形になっており、柄の先に黒い玉がついていた。

「まあ、成功したみたいだしいいだろ。それより話は後だ、まずあいつをかたずけねえとな」

「え、ええーー!無理だよー!」



こうして、時空を超えた精霊と魔法使いになった少女の物語は始まった。





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過去編は気が向いたら書きます。

とりあえず原作開始。これからどう介入させていくか・・・
ちなみにエミルの武器は、ネザートレイターをモデルにしたようです。

では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。

 
 

 
後書き
あんまし精霊って感じのしないラタトスク。
というか彼の本来の姿がすごく気になる。

シンフォニアは古代勇者編(ミトス編)作るべき。きっとそれでラタトスクの本来の姿が出てくるはず……! 
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