名古屋攻勢
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第七章
「そうするだがや」
「そうなるだがや」
こう二人で話す、そして。
遥は満面の笑みでだ、正幸にこうも言うのだった。
「あとドラゴンズだがや」
「調子いいだがや」
このことをだ、正幸はいささか残念そうに聞いてこう言った。
「それがいいことだがや。けれど」
「ライオンズのことだぎゃ?」
「最近ぱっとしないぎゃ」
そしてだった。
「今年もだがや」
「今ライオンズ何位だがや」
「四位だがや」
Bクラスだ、クライマックスシリーズに出ることも出来ない。
「残念だがや」
「そうだがや」
「だからだぎゃ、わしは今シーズンは諦めてるだがや」
「昔はライオンズは毎年日本一だっただがや」
「昔だがや」
西武の黄金時代、それはというのだ。
「今は本当にぱっとしなくなったがや」
「けれど今のドラゴンズは」
「そうだぎゃ」
中日新聞だけでなく名古屋のスポーツ新聞全体が活気に満ちている、もうそれだけで状況がわかることだった。
「優勝だがや」
「羨ましいことだがや」
「いや、羨ましいんじゃないでよ」
そこは違うとだ、遥は正幸に真顔で言ってきた。
「これはチャンスだぎゃ」
「ものを売るだぎゃ」
「その通りだがや、ドラゴンズの帽子にユニフォームに」
それにだった。
「他のものもバーゲンになるだがや」
「中日優勝セールだぎゃ」
「それだがや、優勝したその時は」
まさにだとだ、遥は目を輝かせて言うのだった。
「バーゲンで一気に売るだがや」
「日本一になったら」
「ならなくても残念セールだがや」
どっちにしてもだった、リーグ優勝すればもう一度セールがあることは既定路線というのである。遥は正幸に目を輝かせて言う。
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