蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士
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極楽鳥
俺達は今、火竜山脈に向かっている。
また依頼があったのだ。
タバサがイザベラに嫌がらせされるのを阻止したり色々あったが依頼内容を聞いた。
今回の依頼内容は。
火竜山脈にすむ極楽鳥の卵をとってくること。だがこの時期は火竜の子育ての時期でいつも以上に火竜は気性が激しく、今の時期火竜山脈に行くのは自殺行為のようだ。
火竜に見つからないようにこっそりと行くしかなく、山脈のふもとで一旦降りてシルフィードに変化してもらい、山登りが始まった。
山登りの最中。
「うー、暑いのねー。お兄さま、こんな所でもマフラーしたままなんて……暑くないのね?」
「ああ、このマフラーは特殊だからな、全然暑くない。むしろ快適だ」
「そのマフラー、マジックアイテムかなにかなのね?お兄さま謎が多いのね……」
そんな会話をしながら歩き続け、目的の鳥の羽をシルフィードが見つける。
「あの羽!極楽鳥なnムグ!」
「シルフィード、ここには隠れて来ているんだぞ……」
「そ、そうだったのね」
そうして俺達は立ち込める水蒸気の中、極楽鳥の巣を探し始めた。
そしてシルフィードが諦めかけた時、タバサが極楽鳥の巣を見つけた。
「すごい!ほんとにあった!きゅい!」
シルフィードが喜ぶ中、卵をとろうとすると、巣の主が帰ってきた。
ビャアビャア!
追い払おうとしても極楽鳥はそうやって鳴き続ける。
「これは、やばいな」
「どうしてなのね?お兄さま。少しうるさいだけなのね」
タバサは咄嗟にシルフィードに魔法を当てて弾き飛ばす。俺はタバサを抱えて岩の陰に隠れた。
ゴォオオオオオオオオオオオオッ!
太い柱のような炎が、俺たちのいた空間をないでいく。
「火竜!」
シルフィードが怒鳴る。霧の中から大きな若い火竜が出てきた。そして上空で反転し、再び俺達の方に来る。
その瞬間タバサは一撃で勝負をつけようと岩の陰から踊り出る。
「お姉さま!」
「タバサ!」
俺達が叫ぶ中、タバサはジャベリンを火竜に放つ、しかし火竜のブレスでジャベリンは一瞬で蒸発し、その光景をみたタバサは驚愕する。
タバサは咄嗟にアイスウォールを唱えるがそれでは火竜のブレスは防げない。シルフィードが飛び出しタバサを抱えてブレスをかわそうとする。
「ギガクール!」
俺は、ブレスに向かい氷の魔法を放つと氷とブレスは相殺し、あたりに水蒸気が広がる。
「こっちです!早く!」
そんな中で声がした。俺はタバサとシルフィードを抱え、声のほうに向かって走った。
テントの中にて
「火竜に挑むなんて、無謀ですよ。どうしてあんなことしてたんです?」
「俺達は極楽鳥の卵を探していてな、その時に火竜に出くわしたんだ。ところであんたはどうしてここに?」
「私も貴方達と同じです。でも……」
女性が話し始めた。
リュリュは美食研究していて、庶民にも美食を娯楽にしてもらおうと色々食べものを作ったりもしているらしいが、研究不足でなかなか良いものが作れずにいるらしい。
それで世界中のおいしいものを探していて、世界七大美味の一つと言う極楽鳥の卵を食べようと思ったようだ。
だが、一ヶ月近く狙っていたところ、火竜に邪魔されて取れずにいるようだ。なんでもあの極楽鳥は敵が近づくと火竜を鳴き声で呼ぶらしい。
親鳥を倒そうにも、殺したとたんこのあたりの極楽鳥が火竜と集まってくるようだ。
それに極楽鳥は生涯に一度しか伴侶を選ばないようで、殺したら片方はずっと独り身になってしまうとか
で、どうするか悩んで一ヶ月がたってしまったという。
そして俺は、囮を申し出ることにした。
「俺が火竜の囮になっている間に卵を取ってきてくれ」
「そんな恐ろしいこと頼めません!!」
「きゅい。お兄さまならできそうな予感はするけど、危ないのね!」
「危険」
「大丈夫だ、今回は強力な召喚獣使う」
「召喚獣?」
リュリュは不思議そうな顔をして首をかしげているが
「見れば分かるさ」
そして俺達は行動を開始した。
前より火竜の数が増えた。
「ほんとに大丈夫なの?」
「火竜の数が増えてるのね」
「大丈夫だ。じゃあ三人はばれないように卵をとってきてくれよ」
「……分かった」
そしてタバサ達は音をなるべくたてずに走りだす。それを確認してから。
「召喚!」
俺は召喚獣を呼び出した。
タバサ SIDE
私達が走り出した後、後ろからアルの声が聞こえた。召喚獣を呼び出したのだろう。
そしてすぐに後ろから音がする。
ヒゥウウウウウ
風を切る音が聞こえてくるので見上げると。
赤い竜のようなものにアルが乗っていた。とても生物には見えない、おそらく機属性の召喚獣なのだろう。
「あ!お兄さまなのね。始めて見る召喚獣に乗ってるのね」
「あ、あれなんですか!見たこともない幻獣ですね……」
「あれは、機械。金属のゴーレムみたいなもの。幻獣じゃない」
「え!?金属のゴーレム?それなのに空を飛んで……羽も動かしてないのに」
それはタバサも不思議に思っている。金属のゴーレムが空を飛ぶなど、未だに分からない。
今度またアルに聞いてみよう。
「それよりも、卵」
タバサは二人を促し、卵をとりに向かった。
SIDE OUT
俺は機属性の召喚獣ヴァルハラに乗って、火竜に向かって飛んでいた。
「ヴァルハラ、死なない程度に手加減しろよ」
「……ガ」
了解といった感じで機械音がする。
そして俺は詠唱を開始する。
「凍牙、其は決別の剣と化し我が仇なす敵を切り伏せよ! 蒼剣、フリジットコフィン!!」
氷が剣となり火竜にあたる、切れ味は落としておいたから貫くことはない。火竜は落ちていく。
それを見た他の火竜が叫び、仲間を呼ぶ。
「行くぞ!ヴァルハラ!派手に暴れろ!!」
「……!!」
そしてヴァルハラと俺は火竜の群れに突っ込んだ。
タバサSIDE
「卵、取れたのね!」
シルフィードの言葉にタバサが頷く。
「は、ははは。私は夢でも見てるんでしょうか……たった一人の手によって火竜たちが次々と倒されてますよ」
上空の光景に唖然としていた。アルの呼び出したヴァルハラがビームで一気に火竜を倒したり。アルが魔法で次々と火竜を倒していく。
「もう、囮なんてもんじゃないのね。最初からお兄さまに任せとけばよかったのね」
シルフィードがそういう中タバサは思う。
(アルに頼りすぎてる気がする……私はほんとにアルを呼び出せるほどの潜在能力があったんだろうか。私はアルと……)
「……対等なの?」
呟く。
(強くなりたい……アルと対等になれるくらい)
上空の戦いを見上げながらタバサは決意した。
SIDE OUT
そして俺達は無事に卵をとることに成功した。
手に入れた卵の一つを皆で食べることになったのだが……
「「「「……」」」」
まずかった。普通にまずかった。そもそも食用には向かない味だ。だがこれをあのイザベラが食べるのなら、食べた時の様子を見させてもらうとしよう。
俺たちは、リュリュと別れてイザベラに卵を届けた後、テレビーでイザベラの様子を見ることになった。わりと良いものが見れた……シルフィードは爆笑した。
その後のリュリュ。
食品作りについて、真においしいものを作りたいならまず空腹について知るべきだと。ためしにしばらく飯を抜いたらどうだ?と提案した。
彼女はその後ほんとに三日間何も食べずに過ごし、空腹について知ることができたらしい。
少しは庶民の気持ちと食についてを知ることができたとお礼を言われた。
俺は彼女の研究に少し協力することになったりして、今でも連絡を取り合っている。
タバサもリュリュの研究に少し興味はあるらしく成果を俺に聞いてくる。
まあ、リュリュについてはこんな感じだ。
後、タバサが最近魔法や召喚獣について聞いてくるようになった。あと朝の鍛錬も見に来るようになった。
本人に聞いてみたら。
「強くなる」
とだけ言った。
なにか思うことがあったらしい。
俺は、タバサが強くなりたいのならできる限り力になろうと思う。まあタバサがそれを望むのならだがな。
あと余談だが。
火竜山脈の火竜たちを手懐けることに成功した。
なにやら俺は動物に懐かれ易い気がする。シルフィードの棲んでる森の動物にも懐かれたし、まあいいか動物好きだし。
火竜も案外可愛いもんだぞ?のど鳴らしながら擦り寄ってきたりするし。
余談は大体こんな感じだ。
さてこれから街での仕事があるからこれで失礼する。
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ヴァルハラ出せましたー!出番作り辛かったけど何とか出しました。
この分だと機神ゼルガノンとかはいつ出るのやら・・・FFTの召喚獣も出し辛いです。
そしてアルさんの研究の範囲は広がって行く、そしてタバサの魔改造フラグ?が。はたしてタバサは原作より強くなるのかならないのか・・・
では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。
後書き
敵を一気に殲滅できるSランク召喚獣は使うと爽快ですね。
かっこいいですし。
まぁ全部手に入れるのが面倒ですが……
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