蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士
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シルフィードの一日
この話は外伝に近いです。半分くらいそのまま、もう半分若干オリジナル含む。になっております。
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その日の朝、シルフィードは鳥の鳴き声で目を覚ました。
場所は
トリステイン魔法学院の近くの森の中。
そこにシルフィードのねぐらがある。
ちなみにねぐら作りはシルフィード自身とアルの協力によって造られた。
始めてこんなことしたがわりと良くできたな・・・とアルが作業後呟いてたとか
まぁそんなねぐらでふあああああああああ、と大口あけてあくびをするシルフィード
そのまま口を開け、やってくる小鳥達に牙などの間にある食べかすをついばんでもらって掃除してもらう。
それが終わり、鳥たちは飛んでいくのを見送ったあとまたあくびする。
太陽の光を見て
「太陽さんおはようなのね」
と呟いたあと、シルフィードは慌てて辺りを見回す。
しゃべっちゃった!と心の中で呟いていると、ねぐら付近にある茂みが、がさっと音をたてる。
シルフィードは驚いてその茂みの方を見ると
「ッタ!」
と言う鳴き声とともに小さい影が飛び出てくる。
その小さな鳴き声の主を見てシルフィードは
「なんだテテなのね。驚かさないでほしいのね」
ホッとしながら声をかける。
「ッテ!」
そんなつもりはなかったという感じで返事を返すテテ。
最近、テテとは少し仲良くなってきたと思うシルフィード。
テテは無表情で無口?口数が少ない?から分かりづらいけどテテはたまにシルフィードのねぐらに来ることがある。
お兄さまはよくテテを召喚している。周りにも人気があるテテは学園の密かなアイドル化している。表のアイドルはプ二ムのようだ。プ二ムは人懐っこいからすぐにシルフィードも仲良くなった。
テテは無愛想?なところがあるけどそこがまた別の人気を集めている。
召喚獣たちはわりと学院内で様々な人気を誇っている。
一部、ドライアードが男子生徒を魅了したりして事件が起きたりファンクラブ?ができたりした。密かに狐火の巫女とかもファンクラブができているとか・・・
学院の男性陣はそんな感じだが、女性陣はさっき言ったテテやプ二ム、ポワソなど可愛い召喚獣が人気だ。
機属性の召喚獣たちは・・・コルベール先生に好かれた。あと一部の男子に人気。
なにやら土系統のメイジの男子はこんなかっこいいゴーレムが作れれば!となにやらゴーレム作りブームが始まったりした。
あと、初めて機属性の召喚獣を見たときにコルベール先生の興奮っぷりはすさまじかった。アルが若干ひいて暴走を止めるのが一瞬遅れるくらい。
まあ召喚獣たちが巻き起こした事件はかなり多い、実はアルは毎日、あいつを召喚してくれええええ!などと言われ追い掛け回されたりしていたり・・・最近なにか対策したのか減ってきているらしい。
まあ召喚獣に関しての事件は今後暇なときにでも書かれるかもしれない・・・
シルフィードはテテに挨拶したあと、これから朝ごはんを食べに行くことを伝えると俺も行く!といった感じで返事が返された。
そしてそろって行こうとした時、また茂みから音がした。
「「?」」
顔を向けると、ひょっこり小さな女の子が顔を覗かせていた。
五歳くらいの子供だ。唖然とした顔でシルフィードたちを見ている。
手に籠を持っているから、近くの村からイチゴかきのこ採りに来たのだろう。
シルフィードは顔から冷や汗が流れ、テテは首をかしげている。
さっきまでのテテとの会話聞かれちゃった?
そんな風にひやひやしていると、少女はにっこりと笑みを浮かべ
「竜さんたち、何をしてるの?」
シルフィードは首をかしげ、言葉が分からないフリをする。テテはそのまま。
少女はさらに目を輝かせ、そばによってきて
「ねえねえ、竜さんたちどこから来たの?」
恐ろしい竜(もちろんテテは除く)を見ても、少女はまったく怖がった様子をみせない。なかなか変わった少女にシルフィードは嬉しくなって、身振り手振りで少女に説明をし始め、大空の向こうを指差し翼をぱたぱたと動かす。テテはその様子をじーっと見ている。
少女は
「そらからきたの?」
シルフィードは頷く。
「おそらからきた竜さんたち。かっこいー」
と少女はきゃははと笑ってシルフィードの首筋にかじりついてきた。そのあとテテにを抱き上げる。
シルフィードは嬉しくなって、きゅいきゅい喚いた。
テテは抱っこされるのが嫌そうだったが幼い少女相手に暴れることはしないらしい。ため息でもつきそうな顔?をしている。
「ねえねえ、今からなにするのー?」
シルフィードは大口をあけて、それからぱくぱくと口を閉じる。
「おしょくじ?」
きゅいきゅい、と首を振る。
「竜さんはなにを食べるの?」
と聞かれ頷いたり、首を振って答えつつ、少女と会話する。
少女はニナというらしい。テテは相変わらず抱かれたまま、少し不満そうな顔をしている。
「またきてもいい?」
去り際にニナにそう言われ、シルフィードは頷いた。テテはようやく開放してもらえて少しホッとした表情だ
ニナが去ってしばらくした後
シルフィードたちは学院に行こうとすると、小さな籠が転がってることに気付く。
「なにこの籠?」
中は蛙苺という野いちごが、たくさん入っていた。今朝の少女の忘れ物だ
「ああ、あの子の持っていた籠なのね。どうしよう。届けてあげた方がいいのかな?けど揉め事はごめんなのね」
シルフィードは変化を禁じられている。揉め事は嫌なので学院に早く戻ろうと思ったが
テテのほうに向くと
「ッテ!」
「あの子に忘れ物届けた方がいいって、確かにあの子も野いちご食べたいと思うのね」
シルフィードは学院で最近はまっている魚を食べたいようにきっとあの少女も・・・と考え
「こっそり行って、家の前にでも置いてくればいいのね。きゅい。そうすれば騒ぎにもならないのね」
「ッタ!」
テテは籠を持ち上げ、シルフィードの上に飛び乗る。
村はすぐに見つかった。人の足で三十分ほど、シルフィードなら数分の距離にその村はあった。
シルフィードはニナの家を探した。でも、どこかわからない。計算違いだった。
そうこうするうちに、村人に見つかり
「うわああ!竜だ!竜!」
カンカンカンと鐘が鳴らされ、家から出てきた村人達は怯えた表情をする。
あちゃあ、困ったことになったな、と思いながら地面に着地するとさらに騒ぎは拡大した。
「降りてきやがった!いったい何しにきやがった!」
「おそらく、そこの学院の貴族の使い魔だろ?平気じゃねえのか?」
そういう声もあるが、少数ですぐに最強の種族への恐怖が村人を襲い
「出て行け!ほら!はやく!」
棒やクワでシルフィードは追い立てられる。テテは上に乗っているものの気付かれていない、シルフィードが動くのでテテは籠の中身をこぼさないようにしている。
そしてシルフィードは自分を取り巻き見つめる村人の中に、母親らしき女性のスカートにしがみつくニナを見つけ、ホッと安心した。彼女なら自分を見ても怖がらない。
「きゅい」
ちょこちょこと近づくシルフィードの耳に飛び込んできたのは、ニナの母親の悲鳴で
「きゃああああああああ!食べられちゃう!誰か!誰か助けて!」
シルフィードは母親を安心させようと首を振るが恐怖を鎮めることはできなかった。
でもニナは怖がらないはずだと思った。だがシルフィードの期待は裏切られた。
ニナは母親とシルフィードを交互に見つめ
「この竜さん、怖いの?」
「そうよ。竜はとても恐ろしい生き物なのよ。まあ、・・・おとなしい所を見ると、魔法学院の貴族の使い魔ね、きっと。でも、放し飼いになんてしないで欲しいわ!ああ、竜なんて縁起でもない!いつ野生にかえるかしれたもんじゃない!まったく、貴族さまがたときたら自分の部屋と森の区別もつかないんだから!」
「そうなの?ほんとに怖いの?」
そこまで言う母親の言葉に少女の顔は恐怖で歪んだ。
「ほんとよ。竜はもともとこの世で一番凶悪で、強い生き物なの。そんな獣を飼いならす貴族さまがたはもっと怖いけどね」
「竜怖い・・・。怖いよう。うえ~~~ん」
少女は泣き出した。シルフィードは自分は違うと否定したかったが、言葉を発するわけにもいかず。首を振るが、少女の泣き声は大きくなるばかり
シルフィードは首をかしげ、悲しげにきゅいと鳴いた。テテはシルフィードを励まそうと手でぽんぽんと叩く。
せっかく届けに来たのに・・・。騒ぎは大きくなる一方だったのでテテに一度降りてもらって籠を置かせ、また乗ってもらい飛び上がる。銃をもってこいなどと聞こえたので急いだ。
きゅいきゅい喚きながらシルフィードは学院へと向かう。テテも表情は暗くしながら、ぐんぐんスピードをあげるシルフィードに必死にしがみついた。
学院にて食堂裏口に行き裏口を鼻先で叩く。するとマルトーが出てきて
「ねんでぇ。お前さんかい。おっ?テテもか。ちょっと待ってな」
そして骨、肉、魚をもらい、マルトーを舐めてお礼をした後、テテと一緒に食事する。
テテはハシバミ草をもしゃもしゃと食べている。肉や魚も食べたが苦いのが好きらしい。
おなかいっぱいになると哀しさが少し紛れたが、心は沈んだまま。
そこにキュルケのサラマンダーとギーシュのモグラが来る。
「よぉ。青いのそれにテテ」
サラマンダーのフレイムが人間にはうなり声にしか聞こえない発音、ハルケギニアの先住言語で話しかける。ちなみにテテの名前は短いので?そのまま
「どうしたんだい。青いの。元気がねえじゃねえか」
フレイムは心配そうにシルフィードの顔を覗き込む
「ちょっと哀しいことがあったのね」
今日の出来事を話した。するとジャイアントモールのヴェルダンテが
「おやおや、それは哀しいね。きみは韻竜だというのに、そこらの竜扱いされたのかい?」
きゅいとシルフィードは頷く。使い魔仲間にはシルフィードが韻竜だとばれてる。アルも悪魔だとばらした。
彼らは仲間意識で主人にも内緒にしてくれている。
「でも・・・、怖がられたのは哀しいね。きみはこんなに気がいいのにね」
「ッテ!」
テテはそうだといった感じで言う。フレイムは
「ごつい顔してるからだろ?」
「ひどい言い方するのね!」
「まあ、人間にどう思われようといいじゃないか。もともと違う生き物なんだ。別に好かれなくたって生きていける」
「問題発言だな。赤いの、きみは使い魔がいやなのかい?」
ヴェルダンテはたずねる
「いやなもんか!メシには困らない。ご主人様は優しくしてくれる。ドラゴンどもが威張ってる、あの火竜山脈に比べりゃここは天国だよ!頼まれたって辞めるつもりはないね」
「まったくもう、あなたたちは気楽でいいのね。体は小さいから、ここで寝起きできる。シルフィはそうはいかないのね。森で寝起きしてるシルフィには、ご近所づきあいというものがあるのね。嫌われたら、居心地悪いのね!おまけに怖がられたら傷つくのね!」
きゅいきゅい喚くシルフィード、それにフレイムが
「青いの。繰り返すが、贅沢言ってたら始まらないよ。ほら、そこの彼見てみ?」
とフレイムがあごをしゃくった先で黒髪の少年が水汲み場で必死になって洗濯している。
「ああ、あの彼か。ギーシュさまをやっつけた・・・。ぼくは複雑な気分だよ。同じ使い魔として、貴族をやっつけた彼が眩しいけど、ギーシュさまを痛い目にあわせた仇でもある」
「昔の話じゃないか。とにかく、彼は立派な使い魔、まさに使い魔の鏡だとぼくは彼を尊敬している。だが、彼の扱いを見たまえよ」
と彼の主人の少女が彼の背後に現われ、背中を蹴り飛ばし、頭から水汲み場に突っ込ませた。彼はびしょぬれになり主人に抗議するが主人の少女は使い魔の股間を蹴り上げた。
「あれは痛い。いや、痛いなんてもんじゃないぞ」
その後も主人にうずくまってる所を踏まれて怒鳴り散らされる。
フレイムはため息をもらし
「彼は素晴らしい手柄を主人にもたらした使い魔なのに、あの仕打ちはどうだい?彼はしかも人間じゃないか。二重の意味で、あの扱いはない。ないよ。凶暴なんて言われるぼくら火とかげだって驚く虐待っぷりだ」
「それに比べたら、青いの。きみの悩みは贅沢だね。近所に住む人間にどう思われたっていいじゃないか。怖がられるのがいや?贅沢すぎる!贅沢すぎるよ!」
と仲間達に言われもっともだと思うシルフィード、きゅいと哀しげな声を漏らす。テテはそんなシルフィードをじっと見ていた。
その後、
シルフィードはテテにアルのところに連れて行かれ、アルに相談した。
アルはなにやら報告書?らしき紙を一旦机に置き
「大丈夫だ、シルフィード。悪魔の俺にだって理解者ができたんだ。お前にも理解者ができるさ。これからねぐらに戻るんだろう?俺も行く、少しだけだがな」
そしてねぐらに向かった。
ねぐらの近くには、魚が置いてあり、その近くに紙が置いてあった。
アルは紙を拾う。
「これは、手紙のようだな」
「なんて書いてるのね?」
『竜さんへ。さっきは怖がってごめんなさい。竜さんは、親切にわたしの忘れた籠を届けてくれたのに、わたしは怖がってしまいました。わたしが同じことされたら哀しいです。だから謝ります。ごめんなさい。ママは竜さんを怖い生き物だと言ったけど、わたしはそうじゃないと思います。このお魚は籠を届けてくれたお礼です。このお手紙は、神官さまに書いてもらいました。また遊びに行ってもいいですか?ニナ』
「だとさ、早速理解者ができたようだな」
そういって、シルフィードに微笑む。
シルフィードは嬉しくて飛び上がってきゅいきゅい喚く。
テテもシルフィードが元気を取り戻したのを見て一緒に飛び上がって喜んでる。
アルはその二匹の微笑ましい姿を見ながら和んだ。
アルSIDE
俺が何読んでたって?村の騒ぎについてさ。
この辺の地域一帯なら何かおきればすぐにわかる。今回もすぐにわかった。
テレビーでちょうどシルフィードたちが村を飛び去ったあとくらいから見てたしな・・・
万能だなテレビー。多少俺のせいで強化されてるっぽいが。またあいつの仕業か?・・・
それはともかくニナという少女は残された籠を見て疑問に思い、そこに神官が自分が見たものを信じるのも一つの方法だ・・・とニナに教えていたな。なかなかいい神官もいたものだ。
まあそんな感じでニナは自分の見たものを信じることにしたらしい。
テレビー以外のも村の騒動に関する報告書があったので読んでいた。
それくらいかな、今回はあんまり出番なかったな。まあいいかそれじゃ俺はこれから実験があるので失礼する。
SIDE OUT
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召喚獣の騒動に関してはそのうち外伝で書くやも?
外伝のフラグ?立てまわってる気がします。
テテがちょこちょこ出てきました。これからシルフィードとテテは仲良く?なっていくのか
では誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。
後書き
やっぱ、メイトルパの召喚獣好きです。
ずっと主人公の属性は獣でした。
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