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蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士

作者:蒼鈴六花
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デルフリンガー

今日はサイトがデルフリンガーを買う日だ。
俺も用事があるから街に行く。

「今日は街に行きたいんだが行って来て良いか?」

コクリと頷くタバサ。

「じゃ、行って来る」

俺は地下水をもって街に向かう。
途中人がいないから翼だして飛んだ。

そして街に着いてから適当に歩きつつ目的の物を買っていく。
根回しとある噂のおかげで店の店主たち皆、親切に格安で物を売ってくれる。これはセレスタンに感謝しないとな、今度何か良いものでも作ってやろう。

今日買ったものは主に薬を入れる瓶とか、道具を作るための材料とか、まあいつも通りだ。
俺は紙袋を抱えつつ街を歩く。

そして武器屋の近くに行くとサイトとルイズがいた。サイトは俺に気付いて

「あ、アルさん!今日は買い物ですか?」

「ああ、色々と足りないものがあってな、そういうサイトも何か買いに来たのか?」

「はい、剣を買いに来たんです」

「剣ね、これから買うんだろ?俺も少し武器を見たいから一緒に行くよ」

「ホントですか!アルさんが一緒なら良い武器選べるから助かります!」

そして武器屋の前に立ったルイズが

「なにやっての!さっさと行くわよ!」

俺たちは武器屋に入った。

店の中は薄暗く、壁や棚に、所狭しと剣や槍が乱雑に並べられ、甲冑が飾ってあった。
店の奥にはパイプを銜えたオヤジがいた。俺は店内を見てまわる。
そういやこの店はたしか……俺はとあることを思い出す。

店のオヤジはルイズたちに

「旦那。貴族の旦那。うちはまっとうな商売してまさあ。お上に目をつけられるようなことなんか、これっぽっちもありませんや」

「客よ」

「こりゃおったまげた。貴族が剣を!おったまげた!」

「どうして?」

「いえ、若奥さま。坊主は聖具をふる、兵隊は剣を振る、貴族は杖を振る、そして陛下はバルコニーからお手をおふりになる、と相場は決まっておりますんで」

「使うのは私じゃないわ。使い魔よ」

「忘れておりました。昨今は貴族の使い魔も剣を振るようで」

オヤジはサイトを見て

「剣をお使いになるのはこの方で?」

サイトはすでに店に並んだ武器に夢中だ。まあ元いた世界じゃお目にかかれないもの多いしなあ。

ルイズはサイトを無視して

「わたしは剣のことなんか分からないから適当に選んでちょうだい」

オヤジは店の奥に行きつつ小声で

「……こりゃ、鴨がネギしょってやってきたわい。せいぜい、高く売りつけるとしよう」

俺には丸聞こえだったけどな……そういうのは小声でも言うのもやめとけと心の中で思う。

そしてオヤジは細身の剣を持ってくる。

「そういや、昨今は宮廷の貴族の方々の間で下僕に剣を持たすのがはやっておりましてね。その際お選びになるのが、このようなレイピアでさあ」

きらびやかな模様がついていて貴族には確かにお似合いだな

「貴族の間で、下僕に剣を持たすのがはやってる?」

「へえ、なんでも、最近このトリステインの城下町を、盗賊が荒らしておりまして……」

「盗賊?」

ここでようやく土くれのフーケの話が出てきた。貴族はフーケを恐れ、下僕に剣を持たせるようだ。

ルイズは剣をじろじろ見て。

「もっと大きくて太いのが良いわ」

「お言葉ですが、剣と人には相性ってもんがございます。みたところ、若奥さまの使い魔とやらには、この程度が無難なようで」

「大きくて太いのがいいと、言ったのよ」

オヤジはまた店の奥に消えた。また小声で。

「素人が!」

と言っていたが……
そしてオヤジはまた剣を持ってやってくる。

「これなんかいかがです?」

宝石のちりばめられた大検だった。

「店一番の業物でさ」

サイトも近寄ってきて、剣を見つめる。俺はサイトに

「サイト、お前はこの剣を見てどう思う?」

オヤジは俺のほうを見てなにやらびっくりしている。多分この客、鴨にしようとしてる貴族の知り合いか!って感じだろうか。

「うーん、すごそうに見えるけど実践で使うと折れそうな感じがする」

「正解だ。これはおそらく儀礼用の剣。儀礼用の武器は装飾や儀礼性を高めたせいで実用性を失ったものが多い、これはその一つだろう」

「へー、そうなんですか」

「少し成長したなサイト」

「アルさんのおかげです」

少し照れるサイト、そこに

「お前さんたち見る目あるじゃねーか!」

俺は声が聞こえたほうに向き一本の剣を引き抜く。

「インテリジェンスソードか」

何かに気付いたデルフリンガーは

「お、お前さん、只者じゃないとは思っていたが……いったい何者だ?」

「そうだな……少し特殊な術が使える剣士ってとこだな」

そう話しているとサイトが後ろで

「剣がしゃべってる」

「サイト、これはインテリジェンスソードと言うものだ。意思を持つ魔剣でなこうやってしゃべる」

「物知りですね。アルさん」

「そんなこたぁいいから、お前さん俺を買わないか?お前さんが何者にせよここまでつえーやつぁそうそうお目にかかれねぇ」

「悪いが剣なら間に合ってる。俺よりそこにいるサイトに買われてくれないか?」

「そこの坊主か?まあ見る目はあるようだが剣を扱えそうな感じはしねえな」

「これから剣を扱えるように俺がする。それにサイトは強くなる」

「お前さんにそこまで言わせる小僧に興味が湧くねえ!小僧俺を持って見ろ!」

俺はサイトにデルフリンガーを手渡す。デルフリンガーが

「おでれーた。てめ使い手か。なるほど、これなら確かに強くならぁ」

「使い手?」

「ふん、自分の実力も知らんのか。まあいい。お前さん俺はこいつのことが気に入った!こいつに買われる!」

「そりゃよかった。あと俺のことお前さんというのはやめないか?俺はアルウィン・ルベルだ。アルでいい」

「おう!俺はデルフリンガーだ!坊主も覚えときな!」

「俺は平賀才人だ。よろしくな」

「さて、自己紹介も終わったことだし、店主、デルフリンガーはいったいいくらなんだ?」

そこにルイズが

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。いくらインテリジェンスソードだからって、こんなボロ剣買うの!?もっと綺麗でしゃべらないのにしなさいよ」

サイトは

「いいじゃんかよ。しゃべる剣なんて面白い」

ルイズは文句を言いつつも

「はあ、いいわよもう。あれおいくら?」

「あれなら、百で結構でさ」

「安いじゃない」

「こっちにしてみりゃ、厄介払いみたいなもんでさ」

とオヤジが言ってからルイズは金を支払おうとする。そこに俺は

「ちょっと待った」

ルイズが振り向き。

「今度はなによ?」

「いや、ちょっと店主にな」

「?」

首をかしげるルイズ、俺は店主に

「さっき実践向きでない儀礼用の剣を法外な値段で売りつけようとしてただろ」

「な、なんのことでさ、言いがかりをつけるのはやめて欲しいですね」

「さっき小声で鴨がネギしょってやってきたわい。せいぜい、高く売りつけようとか聞こえたんだが」

それを聞いたルイズが

「なんですって!!」

と杖を振り上げようとしたので

「まあ、落ち着け」

止めてから。ルイズが杖を振り上げようとしてからびくびくし始めた店主に

「なぁ店主、ここは一つ相談なんだが……」



その後、俺たちは店を出た。俺はなぜかあった棒手裏剣と投擲用ナイフを買おうとしたらタダでいいと言われたのでもらった。

サイトは俺に

「アルさんいったい何をしたんですか?」

「ある情報を少し話しただけだ」

「その情報が気になります」

「まぁ、タダでもらえたんだから、なんでもいいじゃない」

「そうだけど……まいっか」

そして俺たちは途中で別れて帰った。

その様子をタバサとキュルケガ見ていたのだが

「あれって貴方の使い魔よね?」

とキュルケがタバサに聞く。タバサはコクリと頷く。

「なんで一緒にいたのかしら?」

「わからない」

そしてキュルケたちは武器屋に入っていった。



その日の夜の武器屋にて

店のオヤジは酒を飲んでいた

「タダで武器持ってかれちまった……なんであんなこと知って」

アルは

「そういえば、こんな噂を聞いたんだが……」

その武器屋が裏で行ってることをぼそっと言った。なんでこんなこと知ってやがる……!
なんなら法外な値段で武器売った客のリスト作って持って来るかとも言っていた。

アルの顔は普段どおりだが、底冷えするような目をしながら言った。これはやばいやつだと思った。敵に回してはいけないと、だからあの時はついタダでいいなんて言っちまった……
店のオヤジはそれであることを思い出す。

最近、盗賊の噂が表に出回っているが、裏では違うとある噂が流れていた。

いつも赤いマフラーを巻き黒い髪に目をした悪魔のような男がいると、一部の店はその男に格安で物を売り、決して敵としてみられないよう媚売ってるらしい。なんでも敵に回したとたん悲惨な末路を辿ることになるとか。

「噂がなんでえ!所詮は噂だ!あんにゃろーいつかひどい目にあわs」

そこでオヤジに悪寒がはしる。

「な、なんだ急に悪寒が……もしかして噂は本当なのか……」

止まらない悪寒に店の店主は青ざめる。

翌日、店主は何かうつろな感じになっており、その日は一日ずっとそんな感じだったようだ。



とある夜空にて

飛びながらつぶやく

「やはり情報は武器だな。色々と役に立つ」

それを聞いた地下水は

「旦那ならこの街の裏もすぐに掌握しそうだな……」

「ん?なにか言ったか?」

「いやいや、旦那はやっぱり悪魔だってことですよ」

「ああ、悪魔だが?」

そして夜は明ける。






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暴走してしまったような気が・・・
なんだか主人公のアルさんは手に負えなくなりそうで怖いです。どんどん黒くなる。

武器屋のオヤジは果たして実験台第2号化するのか・・・?謎です。
どうやらセレスタンさんは完全に実験体になってしまったようです。

サイトは少し成長しました。これから彼はどの程度強くなるのか

次回:すごく短いです。フーケが登場します。

では誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。


 
 

 
後書き
記念すべき?実験台第1号はセレスタンさんでした。
下b……いえ、まあ手下第1号でもあるようです。 
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