FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第176話 勝利の香り
前書き
紺碧の海です!
今回は大魔闘演舞3日目のバトルパートです。第1試合と第2試合をやります。
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第176話・・・スタート!
チャ「『宝狩』が終わったところで・・・これより!大魔闘演舞3日目の、バトルパートを始めたいと思いますっ!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
大歓声が起こる。
チャ「因みに現在トップ4には銀河の旋律、死者の仮面、妖精の尻尾B、妖精の尻尾Aが並んでいますっ!!」
ヤ「宣戦布告を出し合ったギルドが勢揃いだねぇ。」
ラ「このバトルパートで今後の結果が決まりそうです。」
待機場所にいる妖精の尻尾ABは銀河の旋律の魔道士達と、死者の仮面の魔道士達と睨み合っていた。
エ「まさか、3日目の中盤で並ぶとはな。」
エルザが空中に映し出されている映像魔水晶の順位表を見て呟く。
ウェ「銀河の旋律の人達はこれまで10ポイントと8ポイントしか獲得してませんよ。」
グ「「妖精の尻尾と並ぶ強さ」ってのは、伊達じゃなかったんだな。」
銀河の旋律の魔道士達は妖精の尻尾を見下しているような視線をナツ達に送る。その態度も、その笑みも、何もかも一言で表すと、「キザ」だ。
フ「そしてもう1つ・・・」
視線を反対方向に移すと、死者の仮面の魔道士達が仮面越しから妖精の尻尾に冷たい視線をナツ達に送る。その視線と共に、死者の仮面の魔道士達からは不気味な魔力を感じる。
ショ「あいつ等は、俺達に何の恨みがあるんだ?」
マ「私には全く覚えが無いんだけどな~。」
マヤが首を傾げる。すると、死者の仮面のリノと目が合った。リノはマヤと目が合うとすぐに背を向けた。
マ「(目を合わせたくないならこっち向くな!)」
心の中で怒鳴る。
チャ「第1試合、銀河の旋律、カオリ・スプリング!!VS青い天馬、一夜=ヴァンダレイ=寿!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
石造りの会場の出入り口からカオリと一夜が姿を現した。一夜は1歩1歩足を進める度に観客の女性達に向かって変なポーズを決めたり、
一「どぉも。あなたの為の、一夜でぇす♪」
お決まりの台詞を口にする。が、
観女1「うげぇ~・・・」
観女2「キ・・キモッ・・・」
元からの悪評価を更に悪化させてしまっている。一方、サイドアップに束ねたローズピンク色の髪の毛を揺らしながら歩くカオリは観客の男性達の心を鷲掴みにする。
観男1「カオリ・スプリング、やっぱ美人だよなぁ~。」
観男2「俺の嫁になってくんねぇかな?」
一応言っておくが、カオリはまだ19歳の少女だ。中年の男と結婚するのはさすがに無理がある。
ル「うわぁ~。すごい綺麗な人~。」
ショ「あの人、青い天馬や週刊ソーサラーのグラビアにもスカウトされた事があるらしいけど、全て断ってるみたいだ。」
ト「ショールさんと似てますね。」
美女と自称イケメンが会場のど真ん中で向き合う。
ショ「一夜さん、大丈夫かな?」
エ「心配するな。あいつもすごい魔道士なんだ。初対面の女に、そう簡単に負ける事は無いはずだ。」
リョ「そ・・そうなの、か?」
ユ「そんな風に見えないのは・・・私だけ、かなぁ・・・・?」
エル「ユモ、俺も見えないから大丈夫だ。」
たぶん、エルザとショール以外、一夜の事を「すごい魔道士」として見える者はいないだろう。
チャ「第1試合、開始ッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。試合が始まった。最初に動きを見せたのは一夜だった。が、一夜は攻撃をするのではなく、くんくんくんくんと大きな出っ張った鼻を動かし、勝負する相手であるカオリの周りをくるくると一周する。
チャ「え・・えぇっとぉ~・・・い、一夜、選手、いったい何を・・・?」
マイクでチャパティ・ローラが一夜に問い掛ける。が、一夜はそれを無視し、また変なポーズを決めると、
一「何と素敵な香りだ。」
目をキラキラ輝かせながらカオリに言った。普通自分の匂いを嗅がれると嫌がるのだが・・・
カ「ありがとうございます。あなたも素敵な香りですよ。」
カオリは笑顔でお礼を言い、自分もお返しの代わりに一夜の香りを褒める。
ナ「なぁ、あいつ等の鼻・・・大丈夫なのか?」
ナ以外「・・・・・」
ナツの問いに答えられる者は妖精の尻尾の中にはいない。もしいたら、その人物は妖精の尻尾ではなく、青い天馬か銀河の旋律に加入した方が良いだろう。
カ「素敵な香りですが、あなたの香りはちょっと刺激が足りないので、これで補いましょう。」
そう言ってカオリは肩から下げているキャラメル色をしたショルダーバッグの中から小さな小瓶を取り出し、コルクの栓を抜いた。すると、小瓶の中から淡い黄色の煙が出て来て、一夜の鼻をくすぐる。
一「おぉ!何とすて・・メエェェエエエェエエェエエエエエンッ!」
黄色い煙を吸った一夜が突然雷に打たれたかのように電気を帯びながら痺れ始めた。
ヒ「一夜さん!?」
イ「師匠!」
レ「大将!!」
ジェ「先生!」
キ「アニキ・・・」
待機場所にいたトライメンズ+ジェニー+キルロが口々に叫ぶ。相変わらず呼び方は一貫していない。
カ「今のは麻痺の香りです。ちょっと刺激が強すぎましたか?」
カオリは小さく微笑みながら使い終わった麻痺の香りの小瓶をショルダーバッグの中に仕舞う。
一「メ・・メェン・・・」
麻痺の香りをまともに食らった一夜はすでに着ている白スーツがボロボロになっている。
一「ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ、な、なかなか・・はぁ・・・や、やります、な・・・ぜぇ・・はぁ・・・こ、ここは、痛み止めの・・・香りで・・ぜぇ・・はぁ・・・傷を・・・癒し、ましょう・・・ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ・・はぁ・・・」
グ「おっさん、もうグダグダじゃねぇか・・・」
一夜の様子を見てグレイが呟く。一夜はどこからか試験管を取り出しコルクの栓を抜いた。すると、試験管の中から黄緑色の煙が出て来て、一夜の体を包み込む。痛み止めの香りは痛みを和らげる効果がある。
そして使い終わった痛み止めの香りの試験管を投げ捨てる。
一「そろそろお見せしましょう。我が力の香りをっ!!!」
そう言うと一夜はまたどこからか試験管を取り出しコルクの栓を抜いた。すると、試験管の中から赤い煙が出て来た。その赤い煙を一夜は思いっきり鼻で吸い込む。
一「ぬおおおおおっ!力の香り、全開~~~~~!!!」
煙を吸い込んだ一夜の体は徐々に筋肉質になっていく。最終的には着ていた白スーツとオレンジ色のYシャツがはちきれてしまうほどの巨漢になっていた。当然の事だが、巨漢になっても顔は変わらない。
一「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
筋肉の塊のようになった右腕をカオリに向かって振りかざす。が、カオリは可憐な身のこなしでその場から離れる。その一瞬でショルダーバッグから小さな小瓶を2つ取り出すと、その内の1つの小瓶のコルクの栓を開ける。すると、小瓶の中から淡い水色の煙が出て来て一夜の周りを包み込む。
カ「凍結の香り!」
次の瞬間、一夜の体が凍り付いた。
ウェ「速い!」
エル「一瞬すぎんだろ。」
あまりの速さに目が追いつけなかったウェンディとエルフマンが驚嘆の声を上げる。
カ「これで終了にしましょう。最後は素敵な香りで・・・」
カオリはもう1つの小瓶のコルクの栓を抜く。すると、小瓶の中から淡い赤色の煙が出て来て凍結状態の一夜の周りを包み込む。
カ「爆炎の香り!」
紅蓮の炎が氷ごと一夜を包み込む。
一「メエエェエェェエエェェエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエンッ!!!」
しばらくしてからカオリはショルダーバッグから小瓶を取り出し、コルクの栓を抜いた。すると、淡い青色の煙が出て来て炎に包まれた一夜の周りを包み込む。
カ「水流の香り!」
大量の水が噴射され、一夜の体を冷やす。
一「メ・・・メェ~ン・・・・」
巨漢の一夜は力なく倒れ、それから立ち上がる事は無かった。
チャ「試合終了ォォォ!勝者、カオリ・スプリング!銀河の旋律、10ポイント獲得!!」
勝負に勝ったカオリはその場で1回転すると、右手の人差し指だけを立てて空に突きつけると、
カ「勝利の香りは、私に捧げられましたっ!」
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チャ「続いて第2試合、気楽な禿鷹、ヒリア・フーガベース!!VS白い柳、タクヤ・トースティー!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
石造りの会場の出入り口から瑠璃色の三つ編みと赤い短髪を揺らしながらヒリアとタクヤが姿を現した。
チャ「ヤジマさん、この2人はどんな勝負を見せてくれると思いますか?」
ヤ「そうだねぇ・・2人共召喚魔法を使うから良い勝負にはなると思うよ。」
チャ「ラハールさんは?」
ラ「召喚魔法は魔力をたくさん消費するので、その弱点を理解しながら2人は戦うと思います。」
チャ「なるほどぉ~。さぁ!両者とも会場のど真ん中で向かい合ったみたいです。」
ヒリアとタクヤの間で火花が散る。
チャ「第2試合、開始ッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。試合が始まった。ヒリアとタクヤが動いたのはほぼ同時だった。ヒリアは右手を天に掲げ、タクヤは両手を大きく広げると、
ヒ「天を舞い、大空へ飛び立つものよ!召喚、鷲のザディア!」
空中に水色の魔法陣が浮かび上がり、そこから巨大な翼を持つ鷲が姿を現した。
タ「地を走り、草原を飛び舞うものよ!召喚、カブトムシのアジール!」
地面にオレンジ色の魔法陣が浮かび上がり、そこから丈夫な角を持ったカブトムシが姿を現した。
ル「鳥と虫?」
リョ「マヤとトーヤと同じ、召喚魔法の1種である鳥召喚と昆虫召喚だ。」
マ「召喚魔法対決かぁ~。トーヤ、乱入しにいっちゃう?」
ト「ダ、ダメですよ!失格になっちゃうかもしれませんよっ!」
思い切った事を言うマヤを慌ててトーヤが止める。
フ「でもよ、この勝負・・・」
ユ「圧倒的に・・・ねぇ?」
ウェ「もう、勝敗がついてしまってる感じですよね・・・」
フレイ、ユモ、ウェンディが曖昧な笑みを浮かべながら口々に言う。
ヒ「ザディア、狙いはあの少年よ!」
ヒリアの指示に従いザディアは巨大な翼を広げてタクヤ目掛けて一直線に飛んでいく。
タ「アジール、向かい討て!」
タクヤの指示に従いアジールは自慢の角でザディアに向かい討つ。が、明らかにアジールの方が体が小さい為、アジールの自慢の角はザディアの巨大な体で折られた。
タ「あーーーーーっ!アジールの角がっ!角がっ!角がああぁあぁぁあぁあぁあああああっ!!」
自分が折った訳でもないのに動揺するタクヤ。その隙に、
ヒ「ザディア、翼斬り!」
ザディアは翼を刀のように振るうとタクヤを石造りの会場の壁まで吹っ飛ばした。勢いが強すぎたのか、体全身を打ち付けたタクヤはその場で目を回していて立ち上がる事は無かった。
チャ「試合終了ォォォ!勝者、ヒリア・フーガベース!気楽な禿鷹、10ポイント獲得!!」
ヤ「たった一撃で倒すとは。ナイスだねぇ。」
ラ「すごいものを見せてもらいました。」
今までのバトルパートで最短の勝負だった。何て呆気無い勝負だったのだろう・・・
後書き
第176話終了致しました!
第2試合まで書けたぁ~。よかったぁ~。
次回は第3試合と第4試合です。果たして、どのギルドが戦うのか・・・!?
それではまた次回です!
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