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ノーゲーム・ノーライフ~3人目の天才(ゲーマー)~

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第9話~二人だけのジャンケン大会~

 
前書き
さぁて!ジャンケン大会始めましょ~!
今回は空とステフの二人だけのジャンケン大会です!!
・・・・ただのジャンケンですね(笑)はい(笑)
でもでもゲームはゲーム!!
イカサマありですからね!!
空いわく、
「ゲームは始める前から終わっている」
らしいですからw
それでは!!
最初はグー!ジャンケン・・・ポン! 

 
コンコン・・・コンコン・・・
断続的に扉を叩く音がする。
「――――っ!!」
瞬間的に俺は脳を起こす。
隣ではまだぐっすりと寝ている妹。
少し離れた場所では体を丸めて寝ているであろうこの世界で知り合った俺たちと同じあの世界の住人である赤葉と名乗る少年。
その二人を交互に見ながら数秒。
「・・・なるほどな」
そう。
この世界では警戒(そんなもの)は必要ないのだ。
十の盟約その一。
この世界におけるあらゆる殺傷、戦争、略奪を禁ずる。
つまりあの世界の盗賊紛いのことはこの世界では一切許されていない。
そのことを既に理解している妹の頭を撫でながらやっぱり敵わないな~と心の中で呟きながら扉へと向かう。
「はいはいどちら様ですか~」
ドアノブをひねりドアを開ける。
そこにいたのは―――
「――ステファニー・ドーラですわ」
青い瞳と対照的な赤い髪を持つ、愚王の娘ことステファニー・ドーラその人だった。

・・・・
・・・
・・


「それで?何の用でここに?」
取り敢えずそこらへんに座らせて、妹の手を握り俺は口を開いた。
「・・・・・・」
するとじっと俺――厳密には妹と繋いでる手――を見つめてきた。
・・・・意味がわからない。
「なんなの?おたく、用があって来たんじゃないの?ないなら帰ってくんないかな?こっちはまだ寝足りないんだよね」
「よ、用ならありますわよ!!・・・・先程のゲームについてですわ」
「さっきの?・・・ポーカーか?」
「そうですわよ!おかげで負けましたわ!!」
「はぁ?んだよそれ・・・ただの」
「やつ、あたり・・・負けたの、他人(ひと)の、せいに、して・・・」
いつの間にか起きていた妹が相手をあえて逆撫でするように挑発(?)する。
でも、これは・・・
(チャンスだ)
「な、な・・・!あなたがあの時イカサマを教えてくれてれば・・!!」
「教えてくれてれば・・・なんだ?勝てたのか?」
「え、えぇ!そうですわ!」
「その、他人から力を借りて成した勝利は一体何になる?おたくにとって何になるんだ?それは、あんたの、力なんかじゃ、ない」
「そうだよ。偉大なる人類種の元王様の娘さん」
「・・・偉大?」
いつの間にか起きていた赤葉がステファニー・ドーラへと尊敬を含んだような眼差しで語る。
「うん。今の神様、遊戯の神と言われたテト。そのテトが唯一神の座につく前、この世界では戦争があってたんでしょ?全種族を巻き込んだ『大戦』が」
「え、えぇ・・・そう、記録されてますわ」
「全種族、つまりは、神霊種(オールドデウス)幻想種(ファンタズマ)精霊種(エレメンタル)龍精種(ドラゴニア)巨人種(ギガント)天翼種(フリューゲル)森精種(エルフ)妖精種(フェアリー)土精種(ドワーフ)妖魔種(デモニア)機凱種(エクスマキナ)月詠種(ルマルナ)吸血種(ダンピール)獣人種(ワービースト)海棲種(セーレーン)、そして、人類種(イマニティ)。だけど、今もそうだけど魔法適性が全くない人類種が何故他の馬鹿げた連中から絶滅せずに生き延びれたのか・・・考えたことはなかったの?」
「もちろんありますわ。というかそれは、人類種最大の謎とされていますわ」
「・・・お、おい!ちょっと待て」
わけのわからない話からようやく我に返った俺は口を挟む。
「ん?どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ!その話はどこで知ったんだ!」
「テトから聞いたよ?・・・・っと、それより、話戻さない?愚王の娘さん?」
ニヤっと人の悪い笑みを浮かべて赤葉は問う。
「―――!・・・愚王・・・ですって?」
あとは任せたと言わんばかりに赤葉が俺へと目で促してくる。
(・・・ッチ、しゃぁねぇな)
「あぁ。先代の王が愚王ならその娘も娘ってか。バカみたいに他種族に喧嘩(ゲーム)ふっかけて結果負けて。しまいにゃ領土をエルキアを残して全て奪われるような奴は愚王と言われても仕方ないだろ」
「た、確かにお爺様はゲームが弱かったですわ・・・。で、でも!民を、人類種を想う心は誰よりもありましたわ!」
「その民を想う気持ちがあったからなんだ?その民をここまで追い詰めたのもその愚王だろ?そして、その民から愚王だと蔑まれているのは・・・事実だ」
「そ、それは・・・」
「所詮、お前の爺さんは『愚王』なんだよ」
「・・・・・・・・・撤回しなさい」
「は?なんて?」
あえて逆撫でするように
「撤回しなさい!」
「何をだ?」
相手を怒らせて
「先王を・・・私のお爺さまを・・・」
「・・・『愚王』、と呼んだことか?」
冷静さを失わせる。
「そうですわ!ですから撤回しなさい!」
「はっ、嫌だね。俺は事実を言っただけだ」
「――――このっ!」
ステファニー・ドーラが怒りに身を任せ手を振り上げた、その時
「じゃぁ、ゲームしたら?」
赤葉の一言がステファニー・ドーラを止めた。
「・・・ゲーム、ですの?」
「そっ、ゲームだよ」
じゃぁ、と俺は最初から決めていたゲーム名を口にする。
「ジャンケンをしよう。知ってるか?ジャンケン」
「え、えぇ。知ってますわ」
この世界にもあってよかったと内心思いながら俺は言葉を紡ぐ
「じゃぁ、賭けるものだが・・・おたくは何を?」
「・・・謝罪をしていただきますわ、私のお爺様を侮辱したことを謝罪していただきますわ!」
「んじゃ、俺は・・・ん~」
少し悩む素振りを見せて
「俺らお金なくてさ、ここ出たら泊まるとことかないんだわ。だから、些細な願いを叶えてくれないか?」
「ふ~ん・・・つまりはたからせろと言う事ですわね」
ニコッと笑みを相手に向ける。
「それじゃぁ、賭けるもんも決まったし・・・」
「こちらはいつでもいいですわよ」
「よし、じゃぁ・・・」
「「盟約に誓って!!」」 
 

 
後書き
ふえぇぇぇぇぇ終わったぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・。
・・・・・・・・・あれ?
あの二人が・・・いない?
・・・・・・・・・(確認中)
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
あのうるさい二人がいないぜぇぇぇぇ!
・・・・・・・・。
さ、さて!何しよっかな~!一人だしな~!自由に・・・・・・
じ、自由に・・・・・・・・・。
あ、あれ?おかしいな・・・目から汗が・・・・。
な、泣いてなんかないからな!・・・・・グスッ
次回も、見てくれると、嬉しい、です・・・・・グスッ 
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