ハイスクールD×D 力ある者
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原作前のプロタゴニスト
龍介海外へ
黒歌たちが住むようになって、半年が過ぎた。
イッセー、龍巳が小学校に通い始めて約3か月。
今は夏季休暇という、夏休み真っ只中。
俺――遠山 龍介は、海外へ旅行に出ることになった。
「いきなりで悪いな」
今、家族全員をリビングに呼んで、集会を行っていた。イッセーはソファーに寝かせてある。
何故寝かせているかって?それは――。
「先に言っておく。イッセーの一部の記憶を封印した」
こういうことだからだ。
「どういうことなの?封印したって……」
カミュがこの話題に噛みついてくる。
「皆にも説明しないとな。……理由は、イッセーは人間だからだ。特別だが、何も変わらない人間。だから、裏の世界についての記憶だけ封印した。そこ以外の記憶は残っているが、裏の記憶に引っかかると、靄のかかったような曖昧なものになる。それに、封印の期間はイッセーが死ぬときだ」
「嘘……それじゃあ、私たちは正体を隠し続けないといけないの?」
「……そういうことになる。もしバレそうになっても、誤魔化しようはいくらでもある。……そのことは終わり。次の議題に入る」
カミュは悲しそうな顔をしている。
「(気持ちはわかる。だが、裏の世界にかかわった人間は、ロクな生き方をしない。俺はイッセーにそうなってほしくなかったから。記憶をその部分だけ封印したんだ)」
「……その議題は?」
龍巳が訊いてくる。
「それは、白音の戦闘についてだ」
「……私ですか?」
「あぁ、白音は黒歌と違い、今は能力が微量しかない。そこで、これを付けてほしい」
俺が出したのは、アクセのついた腕輪。
「これは?」
「ISの腕輪だ」
「IS?」
あ~、そうだった。白音たちはISを知らなかったんだったな。
「そうだな。ISはいわゆる『パワード・スーツ』だ」
「「「「パワード・スーツ!?」」」」
白音とほかの三人が反応した。
「まぁ、装着すればわかる。『来い!白虎』って言えば、装着可能だ」
カチャカチャ……カチッ!
白音は腕輪を受け取ると、少し苦戦したが腕にはめた。
「……来い!白虎!」
カッ!!
白音の腕輪が光り輝きだす。
光が収まると、そこには――。
「……成功だな」
白色のパワード・スーツ(白式とほとんど同じ)に身を包みこんだ白音がいた。
「……これは、すごいです!」
「装備は、刀剣の『雪刃』だ」
うん。雪刃は『雪片弐型《ゆきひらにがた》』を多少弄ったもの。白虎は白猫とかけたつもりだ。
「使い方は、システムが教えてくれる。あとは、体で覚えるしかない。制作した俺でも、どう進化するか予想は全くついてないんだ」
「……わかりました」
すると、白音は白虎を収納して腕輪に戻した。
「以外に呑み込みが早いな。……それと、一部発動も可能だ。それは白音自身が見つけてくれ」
「はい」
若干だが、白音は嬉そうにしていた。
「次は、全員にこれを」
「「「「これは?」」」」
「これは、内から漏れる気やオーラ、気配などを制御するもの。指輪型で邪魔にならないし、着けている本人にしか見えない。学校でも役に立つ」
四人は「ふむふむ」と納得したようだ。
「最後に、貯金を使いすぎるなよ?一応一億は俺の部屋にある金庫に入れてある。鍵は、俺の机の上から二番目の引き出しを開けたら、奥に隠し壁がある。その中だ」
「「「「一億!!」」」」
「声がでかい。まぁ、外には漏れないが」
「「「「ごめんなさい」」」」
全員が息ピッタリに言うから、ちょっと驚いたよ。
「ん~?何の話をしているの?」
イッセーが起きちまったか。
「俺の送り出しの会だよ」
「そうなんだ……もう行くの?」
「あぁ、もうすぐ出立する。さすがに見送りは時間がかかる。……俺はここで見送られたいのさ」
「何だか、龍兄さんらしいや」
「おいおい、らしいって何だよ!」
まあ、別にいいんだけどな。
「そろそろ時間だ。皆、元気でいろよ?」
「「「「「龍介(兄さん)(兄さま)こそ!」」」」」
俺なりだが、いい見送りだな。
「……行ってくる」
「「「「「いってらっしゃい」」」」」
皆に玄関まで見送られて、俺は海外へ旅に出た。
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