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機動戦士ガンダムSEED DESTINY~SAVIOUR~

作者:setuna
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第十一話 マハムールでの一時

 
前書き
マハムール基地での一時。 

 
僚艦のニーラゴンゴを失ったミネルバは、速度を上げ数日後にはペルシャ湾の奥、バスラ近郊のマハムール基地に到着した。
アレックスとナオトは呼び出され、マハムールの基地の司令部へ行くのだった。
艦長と副長、アレックスとナオトはこれからの動き。
つまりはスエズ支援の戦略を立てるためにマハムール司令部と作戦会議をする必要がある。

タリア「ミネルバ艦長、タリア・グラディスです」

アーサー「副長のアーサー・トラインであります」

ミネルバを降り、待っていたザフト士官に艦長と副長は挨拶をする。
それに続くようにアレックスとナオトも口を開いた。

アレックス「特務隊所属、アレックス・ディノです」

ナオト「同じく特務隊所属、ナオト・フジワラです。」

ヨアヒム「マハムール基地指令ヨアヒム・ラドルです。遠路、お疲れ様です」

そう言い、彼は艦長に握手を求める。

タリア「いえ」

艦長は握手に応えると、僅かに微笑んだ。

ヨアヒム「しかし、議長は余程今回の作戦に力を入れているようですな。FAITHが4人とは」

ナオト「四人…ですか?」

?「指令。この作戦への参加は命令ではなく私の意思です。議長から頂いた言葉は、“ミネルバのFAITH達と共により良き世界を目指してくれ”と…それだけですよ。」

ナオト「嘘?ハイネ?」

ハイネ「久しぶりだなナオト。特務隊所属、ハイネ・ヴェステンフルスだ。」

アレックス「知り合いか?」

ナオト「2年前の戦争で何度か作戦を一緒にやったの」

ヨアヒム「では行きましょうか」

アレックス達はヨアヒムに連れられ、マハムール基地内へと足を運んだ。

ハイネ「アレックス・ディノ…噂は聞いてるぜ?入隊して僅か短期間でFAITHになったスーパーエースの1人だってな」

アレックス「はあ…?えっと…」

ハイネ「ん?ああ、ハイネでいいよ。堅苦しいのは無しでいこうぜ。よろしくな」

アレックス「ああ、よろしくハイネ」













































司令部に入室したアレックス達はそれぞれに宛てがわれた席に座った。

ヨアヒム「さて、今回の作戦の目的はここ…ガルナハン奥の火力プラントを入手することです。この地域唯一のエネルギー源だ。当然、地球軍にとっても押さえて起きたい要所であり、かなり強引な手段でこの周辺の奥を制圧しています。おかげで、周辺住民の反連邦感情は高まり、彼等はザフトに圧制からの解放を求めている。しかし、厄介な地形に置かれた陽電子砲台とそこを守る大型MAに阻まれて、作戦は失敗続きだ。しかし、ミネルバの戦力とヴェステンフルス隊が加われば…突破は可能と期待しています。」

タリア「尽力させて頂きますわ」

ヨアヒム「現地協力員からの情報によると、ここ…砲台の裏の山に、今はもう閉鎖済みの坑道があるらしい。それを上手く使って奇襲をかけられないかと思っているんですがね」

閉鎖済みの坑道…。
それを聞いたアレックスはそれが可能な機体とパイロットが仲間にいることを知っている。

アレックス「…ミネルバ搭載の機体なら…この坑道を有効に使えると思いますが」

ヨアヒム「なるほど…では、作戦の立案はお任せしましょう」

ヨアヒムは作戦の立案をアレックスに任せることにした。












































一方でシン、ステラ、レイ、ルナマリアの4人はマハムール基地で外食をしていた。

ステラ「シン、これなあに?」

シンから手渡された料理に疑問符を浮かべて首を傾げるステラ。

シン「これはドネルケバブって言って、これにチリソースかヨーグルトソースをかけて食べるんだ。ステラは辛いの苦手だからヨーグルトソースな?」

辛い物が苦手なステラのドネルケバブにヨーグルトソースをかけてやる。

ステラ「うん。シンは?」

シン「俺?俺はチリソースだよ。辛いのは嫌いじゃないし。」

チリソースが入った容器を手に取るシン。

ルナマリア「私もチリソースかな?」

レイ「俺はヨーグルトソースだな…」

シンとルナマリアはチリソース、レイはヨーグルトソースをかけようとした時。

ハイネ「そこの2人ストップ!!」

全員【?】

3人がソースをかけようとした時、ハイネに止められ、シン達は首を傾げる。

ハイネ「ケバブにチリソースだなんて何言ってるんだ。ケバブにはヨーグルトソースをかけるのが常識だろうが!!」

ルナマリア「…そうなの?」

シン「さあ?」

ハイネ「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう!!ヨーグルトソースを掛けないなんて、この料理に対する冒涜だよ冒涜!!」

ステラ「…?」

レイ「……」

ステラが首を傾げ、レイが沈黙するが、そこに呆れた表情のナオトがやって来る。

ナオト「何やってるのハイネ。別にいいじゃない何をかけても」

ハイネ「お、来たなケバブにチリソースかける邪道女」

ナオト「誰が邪道女だよ!!あんたに私の食べ方をとやかく言われる筋合いは無いよ!!私の分は?」

シン「あ、どうぞ」

シンが袋からナオトのケバブを出し、手渡す。
ナオトはチリソースをかけると一口ケバブを頬張る。

ハイネ「あぁ……!!なんてことを!!」

ナオト「うん、美味しい!!ケバブにはチリソースが一番!!アレックスもチリソースかける?」

アレックス「え?じゃあ試して…」

ナオトに差し出されたチリソースの容器を受け取ろうとした時。

ハイネ「だあああ!!待て待て!!何も知らないこいつまで邪道に墜とす気か!!」

そうはさせないと言わんばかりにヨーグルトソースの容器を持ってアレックスのケバブにかけようとするハイネ。

ナオト「ちょっと馬鹿ハイネ!!あんた何すんの!!引っ込んでてよ!!」

ハイネ「お前こそ何をする!!ええいこの!!」

ルナマリア「あ、あの…もうそれくらいにして…」

シン「アレックスさんに決めさせたら…」

ステラ「あ…」

ナオトとハイネが争ったせいで、アレックスのドネルケバブには、チリソースとヨーグルトソースがどっぶりとかかってしまった。

アレックス「………」

チリソースとヨーグルトソースがどっぷりとかかったケバブに表情を引き攣らせた。








































思わぬ事故に硬直して数分後。
ナオト「馬鹿ハイネ」

ハイネ「いやあ、悪かったなアレックス。」

アレックス「……ええ…まぁ…ミックスソースも中々イケますよ…」

汗を浮かべながら、こっそり下から余分なソースを搾り落としながらアレックスはケバブを食べている。
シンとルナマリア、レイから同情を篭めた視線で見られた。

アレックス「……と、とにかく次の作戦は知ってるな?」

シン「はい。ガルナハンを墜とすんでしょう?」

アレックス「墜とすと言うか開放すると言うか、ま、そんな所だ。ガルナハンを開放すれば、スエズは孤立するし、ユーラシア西側の反乱勢力も息を吹き返す」

シン「それで?」

アレックス「次の作戦、お前が鍵だ」

シン「え?」

アレックス「頼りにしてるぞ」

そう言うと、ぽん、とシンの肩を叩いてアレックスは残りのケバブを食べ始める。

ルナマリア「やったじゃないシン」

レイ「お前はアレックスに期待されているようだ。」

ステラ「よかったね…」

シン「へへ」

シンもまんざらじゃなさそうに笑った。

?「ようシン!!」

シン「ん?」

シンが振り返ると緑服を着た男がいた。

?「久しぶりだな。元気だったか?」

シン「お前誰だ?」

疑問符を浮かべるシンの発言に男は盛大に転んだ。

?「忘れるなよお前、俺だよ俺!!」

シン「詐欺は結構です」

?「俺俺詐欺じゃねえ!!」

?「お前は何やってるんだよショーン」

シン「あ、ゲイル」

アカデミー時代からの知り合いの登場にシンは笑みを浮かべる。

ゲイル「ああ、久しぶりだなシン。」

シンとゲイルが親しげに会話しようとした時、ショーンが割り込む。

ショーン「ちょっと待て!!何でゲイルはすぐに思い出して、俺のことはあっさりと忘れてんだよ!!」

ゲイル「そりゃあ、俺はお前と違うからさ。シン、元気でやってたか?俺もハイネの元で頑張っている。お前も頑張れよ」

シン「ああ」

ショーン「頼むから俺も会話に入れてくれ~…」

シン「あ~もう、うるさいな。静かにしろよ自称ザフトの“疾風の弾丸”」

ルナマリア「うるさいから半径2キロまで近寄らないでよ“疾風の弾丸”」

レイ「全くお前は変わらないな“疾風の弾丸”」

アレックス「こらこら言い過ぎだ。大丈夫か?“疾風の弾丸”」

ナオト「何それダサいよ“疾風の弾丸”君」

ステラ「元気出して“疾風の弾丸”…」

ハイネ「ネーミングセンス0なのな“疾風の弾丸”」

ゲイル「アカデミー時代からどうしようもないんですよこの“疾風の弾丸”は」

ショーン「止めろおおおおおお!!それを言った馬鹿な奴は消えたんだああああああああああああ!!!!」

マハムール基地にショーンの悲痛な叫び声が響き渡った。 
 

 
後書き
ゲイルとショーンが登場。
殆どオリジナルキャラだけどね。
彼等はバビのパイロットという設定です 
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