FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第170話 不思議な手品師
前書き
こんにちは~!07です!
今回は大魔闘演舞2日目のバトルパートの続きです。今回は第2試合だけです。
ナレーション風にいきます。
それでは、第170話・・・スタート!
『『謎の仕事』に挑んでいる元妖精の尻尾B』
真っ白な霧で辺りを覆いつくされた天高く聳え立つ崖。
ガ「はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ、おい・・はぁ・・・はぁ・・つ、着いた・・みてぇだ、ぞ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
その頂上に今、辿り着いた者達がいる。妖精の尻尾の魔道士であり、鉄の滅竜魔道士であるガジル・レッドフォックス。
リ「はぁ・・はぁ、はぁ・・・や、やっと・・か・・・はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・・」
同じく、妖精の尻尾の魔道士であり、ガジルの相棒であるエクシード、パンサー・リリー(通称リリー)。
ラ「はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・・」
ミ「はぁ、はぁ・・・はぁ・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・」
同じく、妖精の尻尾の魔道士であり、妖精の尻尾6代目ギルドマスター、マカロフ・ドレアーの孫、ラクサス・ドレアーと、妖精の尻尾の看板娘であるミラジェーン・ストラウス(通称ミラ)。
ジュ「はぁ・・はぁ、はぁ・・・こ、ここが・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・・・」
カ「はぁ、はぁ、き・・『霧隠れの滝』・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・・」
同じく、妖精の尻尾の魔道士であり、グレイに好意を抱いているジュビア・ロクサーと、妖精の尻尾一の酒豪女のカナ・アルベローナ。
この5人+1匹は昨年大魔闘演舞に出場した元妖精の尻尾Bである。本当はナツ達と一緒に大魔闘演舞に出場するはずだったのだが、急遽マスターからの頼みでこの『謎の仕事』をする事になったのだ。
そして―――――その『謎の仕事』の目的地である『霧隠れの滝』に彼等は到着していた。
その名の通り、『霧隠れの滝』は霧で隠れていて、更には崖の頂上にあり、ここまで来る為の道のりが険しすぎる為、ここに辿り着いたのはこの5人+1匹が史上初とされている。
ラ「本当に、ここで間違いねぇんだよな?」
ミ「間違いないわ。ほら、マスターから貰ったこの歴史書の描いてある滝の絵・・・」
ミラは背負っていたリュックサックから表紙がボロボロの歴史書を取り出し、滝の絵が描かれているページを開くと、滝口の辺りを指差した。ミラが指差したところには、竜のような形をした石の像が置かれていた。
ミ「この絵のとおり、あの滝の滝口にも同じような竜のような形をした石の像があるわ。」
ミラが歴史書から手を離し、滝口の辺りを指差す。ミラが言ったとおり、滝口にも絵と同じような竜の形をした石の像が置かれていた。
リ「苔塗れだが、間違いないな。」
カ「どうやらこの滝が、『霧隠れの滝』で間違いないみたいね。」
滝の水はどこから流れてくるのかも分からず、滝壺も遥か下にあり、霧で隠れている為全く分からない。
ジュ「でも、この滝の水・・少し魔力を感じます。」
ジュビアはそう言って滝に近づき、右手を前に突き出し、滝の水に触ろうとすると―――――
ジュ「キャッ!」
カ「ジュビア!?」
ガ「おい!どうした!?」
悲鳴を上げ尻餅をついたジュビアに駆け寄る。ジュビアの右手は何かで切られたかのようにいくつもの小さな切り傷があった。
ミ「ジュビア、どうしたの、その傷・・・?」
ジュ「・・滝の水に触ろうとしたら、何かに弾き飛ばされたみたいで・・・」
それを聞いたラクサスも左手を前に突き出し、滝の水に触ろうとすると―――――
ラ「!」
慌てて手を引っ込めた。
カ「ラクサス?」
ラ「どうやらジュビアが言ってる事は本当みてぇだな。」
そう言うラクサスの左手も、ジュビアほどではないが小さな切り傷があった。
リ「とにかく、マスターの言ってる事が正しければ、ここのどこかにあるはずなんだろ?」
ガ「あぁ。ここのどこかにあるはずだ。」
ガジルは一旦話を区切り、「ギヒッ」と右口角を上げて笑うと、
ガ「闇ギルド最大勢力、ビゲスト同盟の1角、西の真空のギルドがな。」
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『大魔闘演舞会場、ドムス・フラウ』
チャ「とんだ展開になってしまいましたが、構わず第2試合に参りましょうっ!!」
銀河の旋律に続いて死者の仮面が妖精の尻尾に宣戦布告を出し、それを受けた妖精の尻尾が大魔闘演舞に出場しているギルド全員に宣戦布告を出してしまった思わぬ展開に会場が驚嘆と歓喜の歓声に包まれる中、チャパティ・ローラの気合が入った実況で第2試合が始まろうとしていた。
チャ「第2試合、妖精の尻尾B、ショール・ミリオン!!VS青い天馬、キルロ・ラルネス!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
ショ「それじゃ、行って来る。」
いつもの白いトレーナーに黒いベスト姿に戻ったショールが会場に向かう。
ト「ショールさん、頑張って下さい!」
フ「1日目のリベンジだと思って、全力でいけよっ!」
リョ「でも、怪我が完治したばっかなんだ。あんま無茶はするなよ。」
昨夜まで頭に巻いていた包帯が取れたばかりのショールは額に手を当てながら振り返ると、
ショ「大丈夫。今度こそ、良い結果を残してくる。」
そう言って微笑むとまた会場に向かって行った。
マ「それより、あのキルロっていう人・・・」
ユ「何者なんだろうね?」
一方、妖精の尻尾Aの待機場所では、
ナ「次はショールか。」
エル「あいつも2週間の修行で力つけてきたからな。漢の勝負、見せてくれるわい!」
なぜかエルフマンが一番気合が入っている。
ル「エルザは応援しなくて良いの?」
ルーシィが隣にいるエルザに問うと、
エ「な~に、ショールは生活でも勝負でも常に冷静を保っている。応援しなくても、あいつは仲間の期待にちゃんと応える奴だ。心の中で応援するだけでも十分だ。」
ル「そっか。」
ルーシィはエルザの答えに小さく微笑んだ。
グ「それより、俺が一番気になるのは・・・」
ウェ「あのキルロという方ですよね。」
観女1「キャーーーーー!ショ~ルゥ~♪」
観女2「頑張ってぇ~♪」
観客の女性達の歓声がショールに降り注ぐ。
ショ「(うぅ・・困ったなぁ~・・・すっごく戦いにくい・・・)」
ショールは曖昧な笑みを浮かべながら会場のど真ん中で立ち止まる。目の前には黒いパーカーのフードを目深に被った男か女かさえ分からない青い天馬の魔道士、キルロ・ラルネスがショールの事を静かに見つめていた。
ショ「(キルロ・ラルネスさんか・・・見た目的に男だな。青い天馬の魔道士だから、きっとヒビキさんやイヴ君、レンさんみたいにイケメンなんだろうな。でも、フードを被ってるから顔が分からないや。)」
キ「・・・・・」
キルロは相変わらず表情を一切崩さずにショールの事を静かに見つめていた。
チャ「第2試合、開始ッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいた男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。試合が始まった。
キ「初めまして。1ヶ月前に、青い天馬に加入したキルロ・ラルネスと申します。今回はよろしくお願い致します。」
ショ「えっ?あ、ショール・ミリオンです。こ、こちらこそ、よろしくお願い致します。」
試合が始まっているのに構わず、銅鑼の音が合図だったかのようにキルロが頭を下げ、それに合わせてショールも頭を下げる。
ヤ「おやおや、キルロ君は随分と礼儀正スいねぇ。」
ヤジマが呑気にその光景の感想を述べる。
キ「ショールさんの事はマスターから伺っています。マスターのギルドへの誘いを何度も断っていたらしいですね。」
ショ「ま、まぁ・・・」
週刊ソーサラーの「彼氏にしたい魔道士ランキング」でいつもヒビキと共に常に上位をキープしているショールは美男美女しか入る事が出来ない青い天馬には楽々と加入する事が出来る。それを知った青い天馬のギルドマスター、ボブは何度もショールを青い天馬に誘ったが、当時人を信じる事が出来ていなかったショールは全て断っていた。
ショ「(参ったなぁ・・・キルロさんと戦いにくいなぁ~。)」
ショールはまや曖昧な笑みを浮かべる。
キ「それで、僕は考えてみました。」
そう言うと、キルロはショールに手を差し伸べると―――――
キ「この勝負、僕が勝ったら、ショールさんは青い天馬の魔道士として招き入れます。」
ショ「・・・えっ?」
妖精全「ぬあぁぁぁああぁああああぁぁああああああああああにいいぃぃいいいぃいいいいいいいいいいっ!!?」
妖精の尻尾の魔道士は全員目を見開いて驚嘆の声を上げた。
チャ「な、何とっ!キルロがショールにギルド変換条件を言い渡したあああああっ!!」
観3「ど、どういう事だよっ!?」
観4「ショールが妖精の尻尾から青い天馬に移っちゃうのぉっ!?」
観5「ま、まぁ、ショールなら青い天馬に楽々加入出来ると思うけど・・・」
観客達もざわつき始める。
マカ「ボブゥ~!これはいったいどういう事じゃあああああっ!?」
妖精の尻尾のギルドマスター、マカロフが応援席から青い天馬の待機場所にいる青い天馬のギルドマスター、ボブに怒鳴りながら問うと、
ボ「私はただ、キルロちゃんにショール君の話をしただけなのよぉ~。そしたらあの子、「ショールさんを青い天馬に招き入れる」んだって決意しちゃって・・・私はもうとっくのとうに諦めてたんだけど。」
ボブは曖昧な笑みを浮かべながら右手を頬に当てる。
ナ「冗談じゃねぇっ!ショールは俺達の仲間なんだっ!おいぃぃっ!そこのキルトって奴!ふざけた真似すんじゃねぇぞおおぉおぉぉおおおおおっ!!」
ナツが待機場所から身を乗り出して叫ぶ。キルロはナツの方を振り向くと、
キ「僕の名前はキルロだ。人の名前を間違えるほどの記憶力の無い人間にそんな事を言われたくないね。僕は、一度決めた事はそう簡単に諦めないよ。」
ナ「うぬぬぬ・・・!」
キルロの言ってる事が正論の為ナツはそれ以上言い返す事が出来なかった。
ショ「キルロさん、それは賭けという事かな?」
すると、今までずっと黙っていたショールが口を開いた。
キ「まぁ、簡単に言えばそういう事だ。もしかして、僕と勝負する前に青い天馬に加入する気になった?」
ショ「まさか。」
ショールは肩を竦めて笑った。
ショ「賭けという事は、お互い掛け金を出し合うのが約束だ。まぁ、今回はお金ではないけど、キルロさんの掛け金は俺を青い天馬の魔道士として招き入れる事だよね?」
キ「なるほど。ショールさんも掛け金を出すという事か。いいよ。ショールさんの掛け金はいくらだい?」
お金ではないが、キルロは「いくら」と聞いてショールに手を差し伸べる。会場が緊迫の空気に包まれた。
ショ「この勝負、俺が勝ったら、キルロさんはそのフードを脱いでもらう!」
ショ以外「・・・えっ???」
会場にいたショール以外の人間が皆ポカーンとした顔をする。
キ「こ、このフードを・・・!」
キルロが少し青ざめた顔になってフードを押さえながらショールに問う。
ショ「キルロさん、ずっとそのフード被ったままだから、「素顔を見てみたいな~」って思って。」
キルロはしばらく黙り込んでいたが、
キ「・・・分かった。賭け、成立だね。」
ヒ「流石ショール君だね。」
イ「キルロ君のプライバシーであるフードに目をつけるとは。」
レ「ったく。どんだけ頭良いんだよ。」
ジェ「それにしても、キルロも頑固よね~。」
青い天馬の待機場所にいるヒビキ、イヴ、レン、ジェニーは口々に呟く。
一「面白い勝負になりそうだね。期待しているよ、ショール君、キルロ君。」
一夜が妙なポーズをしながら呟いた。
チャ「さぁ!賭けを言い渡したショールとキルロ!どんな戦いを繰り広げてくれるのかっ!?」
ジェ「両者どちらもCOOL!」
ヤ「それより、賭けをスたせいで時間が短くなってるから急がないとねぇ。」
ヤジマの言うとおり、残り時間はすでに15分を切っていた。
リョ「おいショール!そんな奴に負けたら許さねぇからなあああっ!!」
エ「ショール!お前は妖精の尻尾の魔道士なんだっ!仲間なんだっ!必ず勝って、妖精の尻尾に戻って来いっ!!」
リョウとエルザが待機場所から叫ぶ。もちろん、そう思っているのはリョウやエルザだけではない。ナツもマヤも、フレイもルーシィも、グレイもユモも、ウェンディもトーヤも、妖精の尻尾の魔道士全員がそう思っていた。
ショ「(最初から負けるつもりは無い。)」
ショールは拳を固く握り締める。
ショ「(この勝負・・・負ける事は許されない!)」
固く握り締めた拳を広げ、キルロに突き出すと、
ショ「スモール!」
キルロの攻撃力、守備力を下げた。
ショ「ギアチェンジ!モード水!!」
ショールは両手に水を纏うと地面を小さく蹴り駆け出した。
キ「手品か。ならば・・・!」
それに向かい討つようにキルロも小さく地を蹴り駆け出した。
ショ「水力拳!!」
ショールが水を纏った拳をキルロに振りかざす。が、
キ「受け止め装置、発動!」
キルロが背負っていた白と黒のリュックサックから3本指の機械の手が伸び、ショールの拳を受け止めた。
ショ「!?」
キ「蹴り上げ装置、発動!」
すると今度は白と黒のリュックサックから4本指の機械の足が伸び、
ショ「うがっ!」
ショールの顎を蹴り上げた。ショールは地面をゴロゴロと転がる。
チャ「な、何とっ!キルロの背負っているリュックサックから機械の手足が伸び、ショールを攻撃している!」
ショールは顎の血を拭いながら立ち上がる。
キ「これが俺の魔法、機械だ。」
ショ「機械?」
キ「その名の通り、機械を自由自在に動かして攻撃、防御をする事が出来る能力系の魔法だ。」
リュックサックから伸びた機械の手足が上下に揺れている。
ショ「(機械と言う事は・・・!)」
ショールはキルロに気づかれないように小さく笑うと、
ショ「トリックルーム!」
キ「!?」
今、キルロや観客の目にはゆらゆらと揺らめく地面や会場が映っている。
ナ「ど、どうなっているのでしょう?目の前の光景が、蝋燭の火のように揺らいで見えます。」
ヤ「こりゃすごいねぇ。」
ジェ「カ、カメラのピントが合わない・・・」
ユ「トリックルーム、久々に見たな~。」
ト「め・・目が回るぅ~・・・」
ナ「ぅ・・ぅぷ・・・」
グ「酔ってどうすんだよっ!?」
エル「ていうか乗り物じゃねぇぞっ!?」
ナツが口を押さえるのを見たグレイとエルフマンが突っ込む。
ウェ「トロイア掛けましょうか?」
マ「機械か。初めて聞いた魔法だ。」
フ「あのリュックサックの中、どうなってるんだ・・・?」
ル「ショールの手品もすごいけど、キルロの機械もすごい魔法ね。」
ルーシィは感心したように呟いた。
キ「ど、どこが上か下かも分からない・・・」
キルロは頭を押さえながら辺りをきょろきょろ見回していた。すると、
ショ「水圧壁!!」
キ「!うわっ!」
いつの間にかキルロの背後に周り込んでいたショールがキルロが背負っている白と黒のリュックサックに水を掛けた。ジジジとリュックサックは青白い電気を帯びる。
キ「ヤバ・・・!」
ショ「機械が水に触れると危険だからな。」
イ「す、すごいなぁ~。ショール君の魔法・・・いや、ショール君の頭脳かな?」
レ「どんだけすごいんだよ、あいつ。」
ヒ「キルロの魔法もすごいけど、ショール君の魔法はすごく不思議だ。」
その時、観客の1人が呟いた。
観6「不思議な魔法を使う元手品師・・・不思議な手品師!」
観全「不思議な手品師!不思議な手品師!不思議な手品師!不思議な手品師!不思議な手品師!」
会場が不思議な手品師の大合唱で包まれる。
ト「不思議な手品師?」
ウェ「どうゆう意味ですか?」
エ「恐らくショールの事だろうな。」
リョ「あいつは元有名な手品師だ。あいつにぴったりな異名だな。」
チャ「鳴り止まない不思議な手品師の大合唱!今日からショール・ミリオンの異名は、不思議な手品師に決まりだあああああああああああああああっ!!!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
当の本人である不思議な手品師は、
ショ「不思議な手品師か。何か、俺にもったいないくらいすごい素敵な異名だな。」
照れくさそうに、嬉しそうに自分の異名に満足しているようだった。
ショ「時間もあまり無いし、最後に不思議な手品師にふさわしい魔法で・・・」
そう言うと、ショールはゆっくりと目を閉じ、魔力を集中させた。
ヤ「ショール君はこれで最後にスるみたいだねぇ。」
ジェ「どんな大技が出るんだぁっ!?COOL!」
会場の視線が全てショールに集まる。そして、ショールは鮮血のような赤い瞳をカッ!と開くと、
ショ「カトゥルギアチェンジ!モード炎!水!雷!風!」
すると、ショールの右手には赤々と燃え上がる灼熱の炎、左手には青く透き通った水、右足にはビリビリと電気を帯びる雷、左足にはヒュゥゥゥと音を立てる風が纏っていた。
チャ「な、何とっ!ショールの手足に4つの属性が纏わり付いているっ!!」
ナ「すげぇ~。」
エ「ショールの奴、いつの間にあんな事が出来るようになっていたんだ?」
ル「いっけぇぇぇっ!」
ルーシィの言葉に背中を押されるように、ショールは小さく地面を蹴ると、
ショ「カトゥル・フィストフット!!!」
キ「うおぉおぉぉおあああぁあぁぁああああぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
キルロはショールの攻撃を真正面から受け、体を石造りの会場の壁にズガガガアァァァァァン!!と打ち付ける。壁は崩れ、キルロは崩れた壁の山の下敷きになり、二度と立ち上がる事は無かった。
チャ「試合終了ォォォ!勝者、ショール・ミリオン!妖精の尻尾B、10ポイント獲得!!」
*****************************************************************************************
キ「・・ぅ・・・う~・・・ん・・・・」
ショ「キルロさん、大丈夫ですか?」
ショールは崩れた壁の山の下敷きになっているキルロに手を差し出す。キルロはショールの手を掴み、崩れた山の下敷きから這い出る。キルロが背負っていた白と黒のリュックサックは壁に打ち付けた時に爆発したのか黒焦げになり、もう使えるような状態では無かった。
キ「壊れたか。後で作り直さないとな。」
ショ「ス、スミマセン・・・」
キ「謝る必要は無い。これくらい30分あればすぐに出来上がる。」
キルロは黒焦げになったリュックサックを再び背負う。
ショ「ところで、賭けの事なんだけど・・・?」
キ「・・・・・」
キルロは黙り込む。
ショ「俺が勝ったら、キルロさんが被っているそのフ」
キ「あーっ!もう分かってるっ!ちゃんと脱ぐからっ!」
そう言いながらも、キルロはしばらくフードに手を添えたままだった。が、意を決したように乱暴にフードを取った。キルロの素顔は―――――
観女全「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
少しくすんだ色をした金髪に右が青、左が緑という変わった瞳。ヒビキやショールにも負けないくらいのイケメンだった。
観女3「かっこいい~♪」
観女4「ヤバイッ!惚れたかもっ!」
観客の女性達の目はハートになっていた。少しすると、キルロはまたフードを目深に被り直した。
キ「・・・俺、女が嫌いなんだ。」
キルロがショールにしか聞こえないくらいの小さな声で呟く。
キ「確かに俺は、青い天馬の魔道士だ。でも、ヒビキさんやイヴ、レンさんやショールさんみたいにイケメンでも無いのに、今みたいに騒がれて・・・」
ショ「(いやいやいや、イケメンだからキャーキャー騒がれてるんだって!)」
自覚が無いキルロにショールは心の中で突っ込んだ。
キ「とにかく、約束通りショールさんは青い天馬には招かないよ。」
キルロはそう言うと、ショールに背を向けてその場を立ち去った。が、
ショ「自信持て。」
キ「!」
キルロは驚いて振り返る。が、すでにショールは背を向けて歩き出していた。
*****************************************************************************************
マ「ショール!」
フ「やったな!これで26ポイントだ。」
ショールが待機場所に戻ると、マヤ達が駆け寄って来た。
ト「僕、ショールさんが青い天馬の魔道士になったらどうしようかとずっとソワソワしてました。」
ユ「トーヤずっと涙目だったもんね。」
リョ「まっ、これで一件落着だな。」
リョウがショールの肩に腕を回す。すると、
ナ「よぉ!」
ウェ「ショールさん、お疲れ様です。」
Aチームのメンバーも駆け寄って来た。
エル「ショールすげ~な。あんな大技が出来るなんてよっ!」
ショ「修行の成果が出たんだ。でも、ほぼ魔力が限界だ。」
グ「まっ、しばらく出番はねぇと思うぜ。」
エ「その間でゆっくり体を休めておけ。」
ショ「あぁ。そうするつもりだ。」
すると、ウェンディの隣にいたルーシィが指を折りながら何かを数えている。
ナ「ルーシィ、何やってんだ?」
ル「10,11,12・・・!私達、後12ポイント稼がないとBチームに追いつけないわっ!」
A全「えぇぇぇぇぇっ!!?」
目が飛び出しそうな勢いで驚嘆の声を上げる。
ナ「じゃあ、次の俺達のバトルパートで勝たないと・・・!」
グ「Bチームとの差が更に・・・!」
マ「でかくなるね☆」
A全「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
後書き
第170話終了致しましたっ!
ショールの異名発覚!「不思議な手品師」考えて下さった緋色の空さん、すずかさん、ありがとうございました!
次回は大魔闘演舞2日目のバトルパートの続きです!いったいいつまでやるんだ・・・
それではまた次回!
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