中二病が主人公になったら?
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第18話
前書き
皆さん、お久しぶりです。アガセです。
ちょっと諸事情により、更新が大変遅くなりました(汗)
おまけに、書き方をカンペキ忘れちゃってるよ~(⌒_⌒;
という訳で、しばらくはリハビリという名の駄文にお付き合い頂くことになると思いますが、そこはどうかご了承くださいm(_ _)m
―――サバイバル演習、当日
「やぁ諸君、おはよう!」
「「おっそーい!!!」」
第7班担当のカカシは昨日、メンバーの3人に『演習場 午前8時集合』と言い渡していた。
当然、その3人は遅れずに来たのだが、言った張本人は集合時間になっても一向に姿を現す気配がなく、やって来たのは3人が集まってから2時間も後のことだった。
「いやー、黒猫に目の前を横切られちゃってなぁ!」
カカシは何やら変な言い訳を述べた。
ナルトとサクラは一瞬キョトンとした顔になったが、直ぐさま目付きを変えてカカシを睨み付け、青筋を立てて唸り声を上げ始めた。
サスケは自分の上司の情けなさに冷ややかな目でカカシを見ている。
「あ・・・まぁ、なんだ・・・
よし!12時セット完了!!」
「今、明らかに話を逸らしたよね!?」
カカシは逃げるように近くの丸太の方に行き、その上に目覚まし時計をセットした。
そして、聞き心地のよい音色を出す物体を胸ポケットから取り出した。
「本日の課題。それは、これをオレから昼までに奪い取ることだ。」
「えっ、スズを・・・ですか?」
「そうだ。そして、取れなかった者は昼メシ抜き!
あの丸太に縛り付けた上、目の前でオレが弁当を食うから~」
『弁当を食べる』という宣言をカカシがした直後、サスケとサクラのお腹から情けない音が飛び出した。
""朝メシ食うなって・・・そういうことだったのね・・・""
2人は上司の言う通りに朝メシを抜いて来たことを心底後悔した。
"まぁ、セコイけど勝つためなら仕方がないよねww"
ちなみにナルトは命令を無視してバッチリ食べてから来ていた。
「でも、ちょっと待って!何でスズが2つだけ?」
サクラの問いかけにカカシは軽く笑いながら答える。
「2つしかないから、最低1人は丸太行きになる。
そいつは任務失敗ってことで失格だ。
そいつにはアカデミーに戻ってもらう。」
カカシの発言で3人とも表情が真剣なものに変わった。
カカシも笑っていた顔を元に戻した。
「最低1人かもしれんし、3人全員かもしれん。
手裏剣使ってもいいぞ。
オレを殺す気で来ないと取れないからな。」
「でも!!危ないわよ、先生!!」
「大丈夫だよ、サクラ。
下忍になったばっかりのオレらじゃ、上忍のカカシ先生に当たるはずがないってばよ。」
「まっ!そういうことだ。」
"成績はドベだったらしいが、意外だな。
これは考え方を改めなければ・・・。"
カカシの中でのナルトの評価が少し上がった。
「んじゃ、よーいスタートの合図で始め「シュッ!」・・・っ!?」
一瞬風切り音が鳴ったと思いきや、その直後鈍い金属音がその場に鳴り響き、その数瞬後手裏剣が地面に刺さった音がした。
「おいおい、そう慌てんなよ。
まだ、スタートは言ってないだろ。」
何時の間にか、カカシの右手にはクナイが握られていた。
「え~?『スタート』って言ったってばよ。
ほら、『スタートの合図で』ってところで。」
「コラコラ、変な頓知を利かすんじゃない。」
2人は不適な笑みを浮かべながら会話をしているが、残りの2人は『何が起こったのか分からない』といった表情を浮かべていた。
ちなみに、カカシは一見余裕そうな顔をしているが、実際はナルトの投げた手裏剣の速度が一般的な下忍の投げたものとは段違いであったために、冷たい汗が背中にツゥッと流れていく感覚を覚えていた。
「ちぇっ。でもサクラ、殺す気で投げたところで大して危なくはないってのは分かったでしょ?」
「そ、そうね!なら大丈夫・・・かも・・・。」
サクラの返答した声は明らかに上擦っていた。
サスケも運動していないにも関わらず、少し汗をかき始めている。
「まあ、3人ともオレを殺すつもりで来る気になったようだな。」
そう言って、カカシは軽く一笑いした後、言葉を続ける。
「何だかなぁ・・・やっとお前らを好きになれそうだ・・・。」
そして、真剣な目付きに変わり―――
「・・・じゃ、始めるぞ!!
よーい・・・スタート!!!」
―――戦いの火蓋を切って落とした。
カカシが宣言した直後、3人は森に飛び込み、それぞれ別の場所に身を潜めた。
しかしナルトは、今隠れている場所に影分身を残し、サクラが隠れている場所まで移動する。
「ねぇ、サクラ。」
「うわっ!?ちょっと、脅かさないでよ!」
うつ伏せで隠れていたにも関わらず、サクラは今、尻餅をついている。
「あのさー、オレと協力してスズを「イヤッ!」・・・あっ・・・そうですか・・・。」
言い終える前に言葉を返されたことにナルトは少しショックを覚えながらこの場を後にして、今度はサスケの隠れている場所に向かう。
「おーい、サスケ。オレと協力し「断る!」・・・ハァ・・・もういいよ・・・。」
今度もまた即答されて相当凹んだが、仕方がないのでカカシの前に堂々と姿を現して戦うことにした。
早速、ナルトはガサガサと茂みを掻き分けて森を抜け、カカシに向かって大きな声を掛けた。
「さぁ!いざ尋常に勝負!しょ~ぶぅ~!!」
軽くカカシはズッこけた。
「あのウスラトンカチ・・・」とため息混じりの呟きが森の中から聞こえた気がするが、ナルトは何も気にせず仁王立ちしていた。
「あのさァ・・・お前、ちっとズレてない?」
「だって、しょうがないじゃん・・・ちっとも協力してくれないんだもの・・・。
それに、何処に隠れたって無駄でしょ?ハァ・・・。」
「そんな顔をするんじゃないよー・・・。幸が逃げちゃうぞぉー。」
悲壮感が漂っている教え子の顔を見て、カカシはちょっと同情した。
この試験の答えに気付いているにもかかわらず、自己中な2人のせいで全く達成出来そうもない状況にあるのは少し気の毒だと思ったのであった。
「まぁ、どうしようもないんで、とりあえずお手合わせ願います。」
「・・・ああ、分かった。」
そう言ってカカシは腰のポーチから一冊の本を取り出し、
「忍戦術の心得その1、『体術』を教えてやる。」
とか言いながら、まともに構える素振りも見せず、本を読み始めた。
「・・・随分と余裕ですね。」
「話の続きが気になってたからな・・・」
カカシは、左手だけ使って器用にページを捲った。
「まぁ、気にすんな!お前ら相手じゃ、本読んでても関係ないから。」
「・・・そんじゃ、すぐに余裕を失くさせてあげる・・・・・・よっ!!」
数瞬、足に力を溜め、そして黙々と本を読み続けているカカシを目掛けて閃光のごとく迫った。
「・・・!?」
「ヘッ!ちなみに、絶対本は弁償しないからな!」
一瞬でカカシに肉薄したナルトは、カカシの左手目掛けて右手の裏拳を繰り出した。
明らかに下忍離れした動きを見せたナルトに一時カカシは驚き固まるも、咄嗟の判断で上体を右に傾けることで直撃は回避した。
しかし、左手には当たらずとも、左手に持っていた本に直撃したため、その本は背の部分が折れ、空中を舞ってそのまま地面に落ちて砂を少し被って汚れてしまった。
「ああ!?まだ最後まで読んでなかったのに・・・」
「チョーシ扱いてるからだってばよー。まぁ、良い薬になったんじゃね?ww」
カカシは俯き、両拳をワナワナと震わせている。
「・・・お前・・・許さん・・・許さんぞぉ!!」
「だから、自業自得だってば。」
「うるさい!お前には絶対に弁償させてやるからな!!」
先程までとは打って変わってカカシはナルトに殺気をぶつけ、額当てを擦り上げ、左眼の写輪眼でナルトを睨み始めた。
「げ、下忍相手にその眼を使うなんて、大人げないってばよ(汗)。」
後書き
次回、「本の恨みは恐ろしい(仮)」をお送りしたり、しなかったりww
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