ヘタリア大帝国
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TURN139 銀河の真実その十
「それこそ今の人類の総力を結集させてだ」
「造らねばならないものか」
「それだけのものか」
「ドクツ一国では私か祖国君の艦を造るだけでやっとだ」
それでようやくだというのだ。
「それだけで国家予算の三年分だ」
「それだけかかるか」
「ドクツでも」
「だからこそ人類の総力を結集させなければならない」
十九隻の超艦艇を全て建造するにはというのだ。
「だからだ」
「それでか」
「全人類の力をか」
「そうだ、結集させねばならない」
人類が勝ち生き残る為にはだ、絶対にだというのだ。
「必ずな」
「では今からだ」
「全人類の力を集めよう」
東郷と柴神も応えてだ、こうしてだった。
今は太平洋も欧州もソビエトもなく全銀河の総力が結集されて十九隻の超艦艇が建造されることになった、それと共に。
戦場となるチェリノブに次々と建造されていく、それは。
「大修理工場に軍事基地か」
「二つ共ですね」
ランスはもうチェリノブにいる、敵はまだ来ていないが彼等は港に乗艦と共にいる。そこから建造されている二つの施設を観ながらシィルと話しているのだ。
「凄いな、その二つを築いてか」
「守りきるんですね」
「もう一般市民は避難したんだよな」
「はい」
そうだとだ、シィルはランスに答える。
「既に」
「戦争に巻き込んだらまずいからな」
「ですから」
そのことを配慮しての決定だというのだ。
「そうしました」
「成程な」
「これで後はですね」
「ああ、気兼ねなく戦えるな」
ランスは今度はホワイトホールの方を見た、そのうえでシィルに答える。
「ダメージを受けても大修理工場ですぐに修理出来るしな」
「それに軍事基地もありますから」
「万全の態勢だな」
「言い換えれば万全の態勢でなければ」
とてもだというのだ、この戦いは。
「ならないです」
「ラスボス前だな、まさに」
「そうですね、私達の本来の世界で言えば」
そうなるとだ、シィルも言う。
「この世界にいて結構になりますが」
「長いな、確かに」
「何時でも帰ることは出来ますよ」
それは可能だというのだ、実は。
「元星域にルートがありますから」
「ああ、それは俺もわかっている」
「けれどそれでもですね」
「乗りかかった船だ」
それならというのだ。
「最後の最後まで乗ってやるさ」
「そういうことですね」
「ああ、やるからな」
絶対にだとだ、ランスも言う。
「俺もな」
「それでは」
「イモムシ共が来ればな」
その時はというのだ。
「やってやるさ」
「私も」
「こっちの世界じゃどうも女の子とはあまり遊べなかったがな」
このことはランスにとっては残念だった、何しろそれが生きがいであるからだ。それでもこの世界では、だったのだ。
「どういう訳かな」
「仕方ないですね、そのことは」
「本来の世界じゃないからか」
「はい、ですから」
「そこは諦めてか」
「戦いましょう、皆で」
「そうだな、こっちの世界の祖国さんともな」
ここでモンゴルも見る、彼も共に港にいてホワイトホールの方を見ている。その彼に対しても言うのだった。
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