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真似と開閉と世界旅行

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運命〜

 
前書き
再び原作ブレイーク!これ、批判喰らわないかな・・・ではどうぞ。 

 
俺とルークはベルケンドで検査を受けることになったが・・・

「みんなでずらずら来ると俺ガキみたいじゃねえか!外、出てくれよ」

「何言ってんだ。みんな心配してるんだぞ」

「いいからっ!」

「・・・仕方ないですわね」

「ではルークは保護者に任せましょうか」

「・・・それ、俺か?」

ジェイドがニヤリと笑うと部屋から出ていく。

「じゃあ、私達は宿で待ってるね」

そしてアニスの言葉で全員が出ていく。そして検査を受け・・・当然の結果が返ってきた。

「・・・結論から申し上げます。今すぐ、ここに入院なさって下さい」

「・・・やっぱりか?」

「サキさんの細胞同士を繋ぐ音素が乖離現象を起こし、極端に減っています。そう遠くはない未来、細胞崩壊を起こし、亡くなられる可能性が高い」

「サキは・・・って俺は?」

「ルークさんは細胞を繋ぐ音素は脆くなっているだけの状態です。危険なことに代わりはありませんが、普通に生活する分には平気です」

「・・・んで、入院したら治るのか?」

「いえ、消滅の日を遅らせることができるだけです」

「・・・要するに、余命宣告ってわけか。・・・言い渡されると意外にぐっ、とくるなあ」


「サキ・・・」

俺は椅子から立ち上がり、部屋から出ようとする。

「・・・この事は黙っててくれ」

「ですが・・・!」

「この時期にみんなに余計な気を使わせたくないんで」

「・・・わかりました」

宿に向かう途中、ルークは黙りっぱなしだった。

「サキ・・・」

「ん?」

「・・・ごめん」


「・・・なに謝ってんだよ。お前は障気を消して、しかも生還した英雄だ。もっと明るく・・・」

「出来るわけないだろ!俺が・・・俺が消える筈だったのに、どうしてサキが・・・!」

俺は頬を掻く。

「・・・んなこと、気にすんなよ。助けに入ったんも俺の意思だし、こうなったのも俺の自業自得だ。・・・それに」

「・・・?」

「ルーク、あの一瞬。・・・お前は何を思った?」

「・・・生きたい。そう思った。死にたくない・・・もっとこの世界で生きたい・・・って」

俺はルークの胸元を軽く叩く。

「だったら生きろ。もうじき消える俺の分まで・・・な」

「サキ・・・」


「ほれ、もう宿屋だ。上手くやってくれよ?」

「あ、ああ・・・」

宿に入るなり、ティアがルークに詰め寄る。

「どうだったの?」

「う、うん。ちょっと血中音素が減ってるけど、平気だって」

「そうかぁっ!よかったな!」

「咲さんは?」

「同じく、問題なーし」

「ルークもサキもしぶとーい!」

言葉とは裏腹にアニスは笑顔で嬉しそうだ。

「安心しましたわ」

「・・・まあ、取り敢えずは安心ですね」

ジェイドの提案で報告と休息がてらバチカルに行くことになった。そしてぞろぞろと宿から出ていき、残ったのは俺とルーク、ジェイドだ。
「・・・」

ジェイドがこちらを見てくる。

「・・・なんだよ」

「あなた達は悪いですねぇ。また嘘をついて」

「・・・バレてたか」

「危ないのはどちらですか?」

「俺。ルークは音素が脆くなっている程度だってさ」

「・・・あなたの嘘に私も乗せられておきます。でも無理は禁物ですよ」

「・・・ジェイドに隠し事はできないな」

ルークが諦めたかのように笑う。

「あなた達が下手なんですよ。それと忠告しておきます。ルークは超振動を、サキは音素を使う全ての譜術は禁止です。闇は音素とか関係ないので平気でしょう」

「・・・ああ。わかった」

「ありがとう、ジェイド」


・・・そして、バチカル・・・

「陛下への報告は明日でいいでしょう」

「私は城に戻っていますわ。明日、謁見の間へいらして下さいませ」

「わかった。他のみんなは屋敷で自由にしてくれよ。俺は部屋で休ませてもらうから」

「そうだな。俺も休むか」

俺は自分の部屋に入り、溜め息を吐きながらベッドに座り込む。

『咲さん・・・』

俺は方天画戟をベッドに立て掛ける。

「・・・初めてだな。どう足掻いても死ぬってのは」

『あ、諦めたらダメッスよ!』

「いや。余命宣告されて生き残る確率は低い。しかも病とかならまだしも、音素関係だ。・・・手詰みさ」

『・・・』

「・・・お前にだから、話すけどよ。俺は怖い」

『・・・』

「初めてだよ・・・こんなに死に恐怖したのは・・・」

『・・・誰だって、死ぬのは怖いッス』

「ああ・・・そうだな。俺が平気過ぎただけか」


俺はそのまま背後に倒れ込む。

「参ったなぁ・・・まだまだやることは山積みだってのに・・・」

気持ちが落ち着かない。鼓動が安定しない。

「・・・畜生。・・・考えが全然纏まらねぇ・・・」

『咲さん、今は休みましょう。すぐに死ぬ訳じゃないッスから・・・』

「ああ・・・そうだな」

次の日・・・なんと、城に新生ローレライ教団を名乗る者が来たらしい。俺達も城に行くと・・・

「ラルゴ!?使者っておまえだったのか・・・」

「新生ローレライ教団の使者として参った。導師モースへの返答はいかに?」

「我がキムラスカ・ランバルディア王国は預言を廃することで合意した。よって申し入れは断る」

「それはすなわち。新生ローレライ教団に対する宣戦布告と取ってよろしいのか?」

「我々に戦う意思はない。しかし、我が国の領土と民が侵されるのであれば、直ちに報復行動に出ると心得られよ」

「・・・わかったか。ローレライの力を継ぐ坊主。お前がレムの塔でレプリカを消したことで新たな戦いが始まろうとしている。預言とは恐ろしいものだ」

それに反対したのはファブレ公爵だ。

「それは詭弁だ。第一我が息子は二人とも生きている」

「・・・父上・・・」

「どうかな。お前達も知っているだろう。第七譜石には滅亡の預言が詠まれていることを」

「俺達は生き残る未来を選び取ってみせる。世界を滅ぼさせたりしない」

「それはこちらとて同じだ」

「同じではありませんわ!あなたは預言に固執するモースに味方しているではありませんか!」

「私にとって剣を捧げた主はただ一人。それを忘れるな」

ラルゴは立ち去ろうとした時・・・

「・・・小僧」

「あ?」

俺に話しかけてきたラルゴは少し黙り・・・言った。

「・・・アリエッタはどうしてる?」

「・・・別に、問題はないよ。・・・何でだ?」

「いや、大した意味はない」

ラルゴは立ち去る。・・・取り敢えず、インゴベルト陛下に障気について報告する。

「ルーク・・・障気のことはすまなかった。しかし死を賭したそちの心意義にわちも胸を打たれたぞ」

「い・・・いえ・・・」

「めはや新生ローレライ教団との戦いは避けることができまい。後ほどナタリアと共にわしの部屋に来てくれ。・・・今こそ真実を告げる時だと思う」

「陛下・・・」



そして・・・部屋でナタリアに陛下は話し始める。母親のこと・・・そして。

「お前の父はバダックという傭兵らしい」

「・・・傭兵・・・そうですの。でも何故今になって・・・」

「バダックの行方が判明したのだ」

「生きてらっしゃいますの?」

「そうだ。ナタリア、気を強く持って聞いてほしい。この事態だからこそ、話さねばならぬと思ったのだ」

「・・・な、なんですの?」

「バダックは今、新生ローレライ教団にいる」

「そんな!?何故!?何かの間違いでは!?」

「・・・いや間違いない。ルークが調べてくれた。現在では、黒獅子ラルゴと名乗っている」

ナタリアの目が見開かれ、一歩後退る。

「う・・・嘘・・・」

「ナタリア・・・」

「ルーク!何かの間違いでしょう!?そうですわよね!?」


「ナタリア・・・本当なんだ・・・本人にも確認した」

ナタリアは・・・いきなり走り出す。


「ナタリア!!どこへ行くの!」

「ラルゴを問い詰めますわ!急げば追い付ける筈。私は認めません!」

「ナタリア!」

「追いかけよう!ナタリアが何をしでかすかわからない」

ルーク達が走りだし、俺達も続くが・・・

「・・・!」



不意に体の力が抜け・・・躓いたようにその場でふらつく。

「サキ!?」

「いいから行け!」


アビスメンバーが行ったとき・・・体が透けた。

「え・・・」

「しまっ・・・」

それを外史メンバーに見られてしまった。俺は立ち上がり・・・

「・・・どういう事ですか」

「・・・見間違いじゃなさそうだな」

「・・・」

もう隠せない。俺はそれを話す。

「・・・俺の体の音素が乖離を始めてる。近い未来・・・俺は死ぬ」

「随分と穏やかじゃないな」


知也が呆れながら言う。

「どうして・・・どうして黙っていたんですか!」

撫子が怒りを露にする。

「おいおい。お前ってそういうキャラだったか?」

「誤魔化さないで下さい!」

「・・・あんまり、こういうの話したくないしな」

「でも・・・黙っていたら対応のしようがありません・・・!」

「対応のしようがないからな」

「咲さん!私は心配して・・・」

「撫子」

「黒羽さん・・・」


「・・・死を宣告されて、一番辛いのは咲だろ?」

「・・・そう、ですね。すみません、咲さん・・・」

「・・・いや。黙ってて、ごめん」

何とも言えない空気が場を支配する。

「・・・」

「・・・あの、さ。撫子・・・」

「はい・・・」

「対処法が・・・ないわけでもないんだ」

「本当ですか!?」

「仮設だけど・・・今まで通りでいいと思うんだ」

「どういうことだ?」

知也が聞いてくる。

「俺が死ぬ前に世界を終わらせて世界から消える。そうすりゃ修正力で音素云々が消えれば消滅することもない筈だ」

「・・・ですが、間に合うのですか?」

「聞くなよ撫子。・・・何時も通りって言ったろ?」

「?」

俺はニッと笑う。

「・・・間に合わせるんだよ」

その言葉に全員が笑う。

「だな。それが俺達だ」

「さっさとヴァンを撃ち抜いて終わらせるか」

「・・・私達も頑張ります」

ナタリア達と合流すると、やはり間違いがないことがわかった。ラルゴが遠征から帰ってきた時、既に家に妻と娘はいなかった。数日後、海に浮かぶ妻を見つけ、娘は奪われたことを。自暴自棄になって放浪していたところをヴァンに拾われたこと。そして・・・

「お父様・・・私・・・」

「辛かったであろう?だがもういいのだ。もうこれ以上、新生ローレライ教団との戦いにおいて、最前線に立つ必要はない」

「お父様!何故です!」

「お前は預言の処置について使者として旅立った。もう使命はすんだ筈。何故血を分けた親子が戦う必要があるのだ?」

「・・・血を分けた親子だからこそ、越えねばならぬこともあると思います」

「ナタリア!」

「それに・・・サキもリグレットと争っております。いえ・・・私は一人ですが・・・サキは家族と呼べる人と三人も敵対しているのです」

「ナタリア・・・別に、俺の影響で決める必要はないんだぜ?」

「急ぐ必要はないわ。ゆっくり考えましょう」

「残ってもいい、ついてきて考えるのでいい。どうする?」

ガイが聞くとナタリアが答える。

「・・・私、着いていきますわ。そこで考えさせて下さい」

「・・・わかった。ナタリア、くれぐれも気をつけるのだぞ」

次はプラネットストームを停止するためにユリアシティにて情報を得る。


「(なるほどね・・・)」

プラネットストームを止めるには、その軸となる譜陣を止める必要がある。それに宝珠を使用するので、宝珠の使用方法を調べる間、自由時間になった。

「・・・」

どうしても一人になりたくなってしまう。いや・・・

『平気ッスか?』

絶対に一人にはなれないな・・・有り難いんだか、迷惑なんだか分からない。

「まあ・・・平気じゃねえな。いきなり死の宣告ってどこのRPGだよ」

『さっきの仮説は本当ッスか?』

「正直・・・自信ない」

『え!?』

「・・・なんだろ、何時もみたいな自信が出てこない。現実味がないっつーか・・・」

『いったいどうしたッスか!?咲さんらしくないッス!』

「・・・いや、これも俺だよ。・・・何時か言ったけど、闇を使うコツは内面ネガティブ外面ポジティブ・・・今は・・・外面までネガティブになってんだろうな・・・」


『・・・』

「・・・なんか悪いな。愚痴聞かせてばっかで・・・」

『大丈夫ッス。話してくれない方が辛いッス』

「・・・ホント、よく出来た性格だな」


「サキ、ここにいましたか」

「ジェイド?」

「体は平気ですか?」

「まあ・・・今のとこは」

「・・・何かあったらすぐに言ってください」

「・・・優しいとキモいな、お前」

「失礼ですねぇ。私は常に優しいですよ?」

「どの口が言ってんだか・・・」

「ああ、そうそう。やはり宝珠にはプラネットストームを止める能力がありました。今からプラネットストームを止める為にアブソーブゲートに向かいます」

「分かった。行こう」

今はやるべきことを優先しよう。そう思って俺は不安な気持ちを無理矢理感情の隅に追いやった・・・ 
 

 
後書き
サキ
「・・・」

リョウ
「お前、いつもいつも・・・」

サキ
「あー・・・あっはっは。まあ、その、なんだ・・・」

リョウ
「まあ、俺も近い宣告は聞いたけどね」

サキ
「ルークの代わりに俺だな。まあ、原作ブレイクが特徴の小説だしなぁ・・・」

リョウ
「まあ、ねぇ・・・では、また次回もよろしく! 
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