MS Operative Theory
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MS戦術解説
三位一体攻撃①
——小規模で行われる神業級の連携攻撃——
通常のMS小隊が行う連携やフォーメーションを上回る高度な連携や連続攻撃が、ジオン公国軍の「黒い三連星」によるジェット・ストリーム・アタックや、ベスパのクイックアタック・フォーメーションなどに代表される「三位一体攻撃」である。
ミノフスキー粒子散布下の環境において絶大な威力を発揮するMSだが、ミノフスキー粒子の影響でセンサーの有効距離が短くなることや、パイロットの処理能力の限界などから、航空機やAFVのように複数機での行動が常態化した。
この結果、MSの最小編制単位として3機から4機のMSで構成されるMS小隊が誕生することとなった。MS小隊は戦車や戦闘機のそれを基にしたフォーメーションを組み連携することで、互いの死角やパイロットの技量不足、機体の弱点などを補っただけではなく、MS単体時の性能を上回る総合性能を発揮することも可能となった。
小隊レベルでのフォーメーションは、パイロットの技量の均質化や戦闘力の増大、生存率の向上などをもたらしたが、宇宙など混戦になりやすい戦場ではフォーメーションを維持することが難しく、最終的には各機が個別に戦闘を行うケースが多くなった。
また、宇宙空間での高速戦闘では味方同士の衝突を避けるため、遠距離での支援が多くなることに加え、ミノフスキー粒子散布下では通信の問題から連携が難しくなるといった問題も指摘されている。
だが、エース級のパイロットで構成されたMS小隊の中にはこれらの問題をクリアし、「三位一体攻撃」と呼ばれる高度な連携攻撃を可能とした部隊も存在する。それが「黒い三連星」やティターンズのヤザン・ゲーブル隊、ネオ・ジオンの「ジャムルのスリーD」隊などに代表される部隊である。
彼らは各人の卓越した操縦技術だけではなく、阿吽の呼吸により混戦の中でもフォーメーションを崩さずに波状攻撃や集中攻撃を実行した。また、彼らのフォーメーションは、通常のMS小隊のものよりも各機体の間隔が遥かに狭く、3機でありながら1機のMSしか存在しないような錯覚を敵に与えることもあったと言われる。
この結果、敵MSは一対一で戦っているつもりでも、実際には一対三の戦闘を行っており、この状況に気が付くころには撃墜されていることも珍しくなかったという。このように、複数機を単機に見せる事が「三位一体」と呼ばれる特殊フォーメーションの基本である。
「三位一体攻撃」の威力と有用性は、その始祖であるジェット・ストリーム・アタックを使用した「黒い三連星」の戦果や、この攻撃法が後のパイロット用戦闘教本にも掲載されていたと言われることからも理解できる。だが、「三位一体攻撃」を実施し得た部隊が数えるほどしか存在しないという事実は、その威力の半面、実行が極めて難しい戦技であることの証明ともいえる。
補足事項
——連携攻撃への挑戦——
三位一体攻撃は難易度が高い戦技であるため、通常のMS小隊は模型や横列、縦列などの基本的なフォーメーションで戦闘を行っていた。異なる機種同士では特定のフォーメーションしか採れないことが多いため、同じ機種で照隊を編成し、柔軟性に富んだ連携を取ることが一般的な戦法であった。
●RX-79[G](陸戦型ジム)
連邦軍最初期の量産仕様機で、連邦軍で初めて同一機種による小隊編制を行った機体とされる。極東方面軍に集中的に配備された。
●MS-06(ザクⅡ)
ジオン公国軍の主力MS。C型(S型)は「黒い三連星」の乗機としても知られ、ルウム戦役ではジェット・ストリーム・アタックで艦艇を撃破した。
●RMS-108(マラサイ)
ティターンズのジェリド・メサ中尉とカクリコン・カクーラー中尉が、2機のマラ債で高度な時間差連携攻撃を実施した。
——連携攻撃を得意とした部隊——
三位一体攻撃程の体系的な攻撃手段を持たなくとも、ホワイトベース隊や「不死身の第4小隊」のように、相互連携を得意としたMS部隊は多数存在している。彼らは長年の訓練や実戦、生活を共にした仲間である場合が多いため、即応性の高い連携を見せている。
■ガンダム・チーム
ガンダム・チームはメンバーの大半がジャンク屋の仲間だったことや、ニュータイプの素質も持っていたことから様々な連携を見せた。
■ピピニーデン・サーカス
カイラス・ギリー艦隊に所属するMS中隊で、「サーカス」の名はその連携からつけられた愛称である。波状攻撃でリガ・ミリティアを苦しめた。
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