仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第百八話 リハーサルその五
「最近ファンの人達が言っていることがありまして」
「何だ、それは」
天道がプロデューサーに応える。
「そのことは」
「はい、何でもうちの娘達に生き別れの姉妹がいるとか」
「そんなこと有り得ないですよ」
真がここで口を尖らせて言って来た。
「絶対に」
「そうだな、そんな筈がないな」
天道もこう真に答える。
「絶対にな」
「何か声がそっくりとの娘がいて」
「その娘達がか」
「いやらしいゲームに出ているとか」
「うちの娘の三分の二位にかかっている話です」
プロデューサーは765プロのアイドル達を見回しながら話す。
「酷い話ですよね」
「そうだな、しかしだ」
「しかしなんですか」
「実はそうした世界が元と思われる世界もある」
「えっ、本当ですか!?」
「そうだ、その世界はだ」
天道はここで千早と美希を見てから言った。
「オートマという心を持っている機械の娘達がいる」
「私達がですか」
「そのオートマなの?」
「いや、また違う」
二人共だ、そのそっくりの相手はそれぞれオートマではないというのだ。
「あんた達はな」
「そうなのですか」
「それでもそうした世界があるの」
「この辺りは事情が複雑だ」
それもかなり、というのだ。
「俺達も全て把握しにくい位にな」
「じゃあうちの娘達のその噂は」
「噂ということにしておくべきだ」
あえてだ、深く突っ込むべきではないというのだ。
「この娘達はこの娘達だからな」
「アイドルですね」
「生き別れは生き別れだ」
また別人だ、ということになっているというのだ。
「中にはどれだけそうした相手がいるかわからない娘もいる」
「それも何人もだからな」
田所もこう言う。
「言っても仕方がない」
「そうですね、それじゃあ」
「この話はそれで終わりだ」
天道はあえてこの結論にすることをだ、プロデューサーに話した。そうした話をしてそのうえでだった。そして。
リハーサルがはじまった、ステージ衣装も着たまさに本番だ。
その練習がはじまった時にだ、不意にだった。
観客席に座っていた田所のところに黒い服とヘルメットの者達が来た、彼等は警戒する様子で田所に対してこう言って来たのである。
「来ました」
「ワームです」
「既に武道館を囲んでいます」
「それで今から」
「そうか、数はどれ位だ」
「三百です」
「全て雑魚ワームです」
黒い面々は数だけでなく外見のことも話した。
「それが来ました」
「それではですね」
「やることは決まっている」
田所は確かな声で彼等に返した。
「ではいいな」
「はい、それじゃあ」
「今から」
「全員に伝える」
ライダー全員にだというのだ。
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