FAIRY TAIL 真魂の鼠
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第二十三話 血塗れのペギル
前書き
駄作者07です☆
今回はナツの対決・・・って、あれ?赤面の吸血鬼の五人のS級魔道士は全員倒したはずじゃ・・・
ナツ目線で書いていきます。ていうか、タイトル残酷ですね・・・話の内容も残酷なので、気をつけて読んで下さい。
それでは、第二十三話・・・どうぞっ☆
S全「瞬間移動」
赤面の吸血鬼の奴等が言った瞬間、辺りが眩しい光に覆われて俺は思わず目を瞑っちまった。しばらくしてから、恐る恐る目を開けると、
ナ「んなっ!?」
ハ「な、何だここっ!?」
隣にいたハッピーも目が飛び出るくらいの勢いで驚いていた。俺とハッピーが目にした光景は、天井も壁も床も真っ黒で、天井から銀色の長い鎖が何本もぶら下がっている不気味すぎる部屋。壁には金色の額縁に飾られた吸血鬼の絵が描かれていた。絵の吸血鬼は漆黒のマントをひるがえし、真っ赤な口から鋭く先の尖った二本の歯が覗いていた。
ハ「ナ、ナツゥ・・この絵・・・こ、怖すぎるよぉ~・・・・」
ハッピーが歯をガチガチ鳴らし、小刻みに震えながら俺の足にしがみ付く。正直、俺もこの吸血鬼の絵には驚いた。ていうか、
ナ「何だ、この嫌な臭いは?」
部屋に充満している少し生臭い臭い。滅竜魔道士は竜のように視力、聴力、嗅覚が優れている。その為、俺は鼻を摘まんでも臭う。ひっでぇ~臭いだな。
ハ「おいらは何も臭わないんだけどな~。」
ハッピーは不思議そうに俺の事を見る。すると、
ペ「流石滅竜魔道士だな。この臭いにすぐ気づくとは。」
ナ「誰だっ!」
背後から声を掛けられ、鼻を摘まんだまま後ろを振り向く。そこにはいつの間にか現れたのか赤面の吸血鬼のギルドマスター、ペンギンがいた。
ペ「人の名前を動物と間違えるとは無礼なっ!俺はペギル!ペギル・パイオニーだっ!!」
ナ「別に変わんねぇじゃねぇかよ。」
ペ「変わるっ!変わりすぎだっ!!」
自分の名前に妙にこだわる。めんどくせぇ~奴だな~。ていうか、
ナ「S級の奴等はどこだ。俺はあいつ等と戦いてぇんだよ。」
ペ「あいつ等はお前の仲間達と地下にある赤面の吸血鬼の魔道士専用の修行室で戦っている最中だ。だが、あいつ等に勝つ事は不可能だ。お前の仲間はすでに死んでいるかもな。」
ペンギンが不気味に笑った。ガンッ!と俺は固く握り締めた拳で部屋の壁を殴った。
ナ「妖精の尻尾を甘く見てると後悔すっぞ。お前が思ってる程、妖精の尻尾は弱くねぇよ。もしかしたら、お前の仲間の方が俺の仲間にボロボロにされてると思うぜ。」
ハ「こっちにはエルザやグレイ、シンだっているんだっ!お前等みたいな悪者には絶対に負けないぞっ!!」
俺に続いてハッピーが言う。俺はゆっくりと壁から拳を離す。殴ったところが五cm程凹んでいた。
ペ「ともかく、お前は俺と戦うんだ。一度戦ってみたかったんだよな、本物の滅竜魔道士と。赤面の吸血鬼には滅竜魔道士がいねぇからな。だが、お前の仲間の一人と同じ、『十二支』の血を持つ人間がいるけどな。」
『十二支』の血を持つ人間・・・!?
ハ「シンと一緒だ。」
ペ「そうそう。そのシンって奴と戦ってるぜ。まっ、そのシンって奴は負けてると思うけどな。」
『十二支』の血を持つ人間・・・闇ギルドにも存在するのか。でも、
ナ「シンが負けるはずねぇよ。あいつは『真の強さ』を持ってるからな。」
俺には分かる。あいつはバトルだけじゃなく、心も強いって事を。
ペ「もし、そのシンって奴が勝ったとしても、お前や他のお前の仲間は俺やあいつ等に負ける。そして、この血塗られた部屋が、お前の墓場だっ!!」
室内にペンギンの声が響いた。ていうか、
ハ「血塗られた部屋・・・?」
ハッピーが首を傾げる。何だ?血塗られた部屋って?
ペ「滅竜魔道士のお前ならこの生臭い臭いに気づいただろう?この臭いは、俺がこの手で殺した数え切れねぇ人間の血の臭いだ。」
ナ&ハ「!!?」
俺とハッピーは言葉を失った。
ペ「俺に歯向かう者、俺を裏切る者はこの部屋で殺られて、真っ先にあの世行きだ。」
一度話を区切ると、ペギルは顔の前で右手を握り締めた。
ペ「俺はこの手で殺った。俺の手は、数え切れねぇ人間の血で汚れちまってるんだよっ!!フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」
ペギルは、まるで何かに取り付かれたように、狂ったように笑い出した。
ペ「火竜も、この俺がこの手で殺ってやるっ!これで、妖精の尻尾は終わりだああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
狂ったように叫ぶと、床に赤黒い魔法陣が浮かび上がり、血の付いた鎧を身に纏い、血の付いた剣を握り締めた騎士が姿を現した。
ハ「召喚魔法だっ!」
『マヤ』や『トーヤ』と一緒・・・
ペ「血濡れの騎士、バリアッシュッ!目の前にいる竜と猫を殺れっ!!」
すると、血濡れの騎士、バリアッシュはまるでペギルに洗脳されているかのように、血の付いた剣を俺とハッピーに振りかざしてきた。
ナ「うおっ!」
ハ「うわぁっ!」
俺とハッピーは間一髪で避ける。が、安心する暇は無い。バリアッシュはまたすぐに剣を振りかざしてきた。俺とハッピーはそれを避けるのに必死だった。
ペ「流石滅竜魔道士。バリアッシュだけだとかなり不利だな。」
すると、また床に赤黒い魔法陣が浮かび上がり、今度は頭から血を流し、腕や足に血の滲んだ包帯を巻いている巨体の男が姿を現した。
ペ「血濡れの格闘家、メイジェルッ!バリアッシュの援護をしろっ!!」
すると、血濡れの格闘家のメイジェルは巨体とは思えないくらいすごい速さで俺の背後に回り込むと、俺の首の後ろに回し蹴りを食らわせた。
ナ「ぐぉああぁっ!」
ハ「ナツッ!」
俺は蹴り飛ばされ床をゴロゴロ転がる。立ち上がろうとすると、一足先にメイジェルに羽交い絞めをされた。
ナ「お、おい!放しやがれっ!!」
ジタバタしても力が強すぎてメイジェルの腕から逃れる事が出来ない。いつの間にか、俺の目の前には血の付いた剣を構えているバリアッシュが俺の事を見つめていた。
ペ「殺れええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
ハ「ナツゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ナ「うおおぉぉぉおおおぉぉおぉおぉおおおあああああぁぁあああぁあああああああああっ!!!」
バリアッシュが剣を振りかざしたのとほぼ同時に、俺は体全身から灼熱の炎を噴出させた。噴き出た炎はバリアッシュとメイジェルを襲い、あまりの熱さにバリアッシュは振りかざしていた剣の動きを止め、メイジェルは羽交い絞めしていた腕の力を緩めた。俺は間一髪逃れる事が出来た。
ペ「ちっ。戻れっ!バリアッシュ!メイジェル!」
ペギルは小さく舌打ちした後、パチン!と指を鳴らした。それと同時に、バリアッシュとメイジェルは姿を消した。
ナ「お前・・何の召喚魔法だ・・・?」
俺の問いにペギルは一度不思議そうな顔をするが、すぐに憎たらしい顔に戻ると、
ペ「何だ?俺の召喚魔法に興味あるのか?」
ナ「そんなんじゃねぇ。ただ、俺の知り合いに動物と怪物の召喚魔法を使う奴がいるんだ。」
ペ「動物召喚に、失われた魔法の怪物召喚か・・・お前の知り合いは面白い魔法を使うんだな。」
そこまで言うと、ペギルは服の裾を胸の辺りまで上げた。見ると、ペギルの右脇腹に赤黒い線が浮かんでいた。
ペ「俺の魔法は血染め召喚。さっきのバリアッシュやメイジェルのような血塗れの魔物を召喚して共に戦う魔法だ。この線は契約した魔物の数を示している。」
ま、魔物だったのかぁ・・・?
ペ「これで終わりだと思うなよ。」
すると、また床に赤黒い魔法陣が浮かび上がり、ボロボロの服に血の付いた猟銃を構えた顔がそっくりの男女の魔物が姿を現した。
ペ「血濡れの双子の狩人、アラタッ!マキタッ!目の前にいる竜と猫を殺れっ!!」
ペギルが声を荒げて言うと、血塗れの双子の狩人のアラタとマキタは左右対称の同じ動きをしながら俺とハッピーに銃を向け、ダァン!と銃弾を放った。
ナ「ハッピー、避けろっ!」
ハ「あいっ!」
俺は左に、ハッピーは上空に素早く移動し銃弾をかわした。が・・・
狩人は狙った獲物は逃がさない。
ダァン!ダダンッ!バァン!ババンッ!とアラタとマキタは連続で撃ち続ける。俺とハッピーは連続でかわし続ける。俺は銃弾をからしながら、徐々にアラタとマキタとの距離を縮めていき、距離が二m近くになったのと同時に、深く息を吸い込み両頬を膨らませると、
ナ「火竜の・・・咆哮ッ!!」
ア&マ「!!?」
口から炎の息を噴射。アラタとマキタは至近距離では俺の攻撃をかわす事が出来ず、攻撃をまともに食らった。アラタとマキタは炎に包まれながら姿を消した。
ペ「ちっ。」
ペギルはまた小さく舌打ちをした、すると、また床に赤黒い魔法陣が浮かび上がった。が、
ナ「火竜の・・・翼撃ッ!!」
ペ「ごはぁっ!!」
魔物を呼び出す前に俺の攻撃が鳩尾に決まり、ペギルは口から血を吐き出した。
ナ「火竜の・・・鉄拳ッ!!鉤爪ッ!!煌炎ッ!!剣角ッ!!砕牙ッ!!」
ペ「おふっ!がはっ!あぐっ!つあぁっ!イギィッ!」
次から次へと、俺はペギルに攻撃を食らわしていく。ペギルは攻撃を食らう度に悲鳴を上げ、口から血を吐いた。
ハ「ナツ・・・・」
その様子を上空から見ていたハッピーは小さく俺の名前を呟いた。そして・・・
ナ「滅竜奥義・・・」
両手を脇腹の横で構え、灼熱の炎を纏うと、
ナ「紅蓮爆炎刃ッ!!!」
ペ「ぐおおぉぉおああぁぁぁあぁぁあぁああぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
凄まじい音と共に、ペギルはその場にドサッと大の字になって倒れ込んだ。
ペ「お・・俺が・・・ま、負けた・・だと・・・・?」
シ「あぁ。お前の・・・赤面の吸血鬼の負けだ。」
声がした方を振り向くと、傷だらけで気を失っている赤面の吸血鬼のS級魔道士を背負っている傷だらけのルーシィ、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルル、シンがいた。
ナ「お前等、いつからそこにいたんだよ?」
エ「たった今ここに来たばかりだ。」
グ「ったく、ここに来るのに苦労したんだぜ。地下から出る入り口は見つからねぇし、「やっと地下から出れた」と思ったら、いるのは倒れている赤面の吸血鬼の雑魚魔道士だけ。」
ウェ「しかも、思った以上に広いんですよ。」
シャ「全く。たかが部屋一つだけで、あんな長い廊下を作らなくてもいいじゃないの。」
ル「ここまで来るだけで体力消耗しちゃったよ。」
ため息混じりに言う皆の表情は疲れているけど、少し笑っているように見えた。
シ「ほい。五人のS級魔道士達は皆倒しといてやったぜ。」
シンが気を失っている黒ずくめの男をペンギンの横に寝かせる。
ハ「ナツ、ペギルだよ。」
ハッピーが呆れたように言う。
ペ「赤面の吸血鬼が・・・か、完敗、など・・あ、有り得ん・・・・」
ペギルはそう言い残すと気を失った。
エ「依頼完了だな。」
後書き
第二十三話終了ですっ☆
闇ギルド、赤面の吸血鬼を討伐した最強チーム!!
次回は依頼を達成し、マグノリアに帰ろうとする最強チームだが、シンの様子が可笑しくて・・・
お楽しみに~☆
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