ヘタリア大帝国
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TURN129 コアその七
キングコアは一旦その場から離れることにした、しかし枢軸軍の包囲は堅固だ。おいそれと突破出来るものではなかった。
しかしそれでもだ、彼は言うのだった。
「おい、残ってる奴等全員でな」
「どうしろと」
「ここは」
「後ろの敵に突っ込め」
そうしろというのだ。
「俺の楯になれ、いいな」
「し、しかしそれでは」
「むざむざ」
「いいんだよ、俺さえ生きられればな」
それで構わないというのだ。
「わかったら行け、いいな」
「キングコア・・・・・・」
「ああん?俺は手前等の王だろ」
キングコアは強制力を行使した、他のコア達に自身のそれを使ったのだ。
「じゃあいいな」
「わかりました」
「それでは」
「ああ、行け」
死にに、というのだ。
「わかったな」
「はい」
皆頷くしかなかった、そうしてだった。
コア達は枢軸軍の包囲を突破にかかった、だが枢軸軍はその彼等に攻撃を浴びせる。コアの艦艇は次々と破壊されていく。
しかしそれで何とかだった、キングコアの乗艦だけは突破出来た、それでそのまま後方に向かうのだった。
キングコアのその動きを見てだ、東郷は言った。
「あの戦艦一隻だけになったがな」
「あれこそがですね」
「ああ、キングコアの乗艦だな」
それに他ならないと秋山に話す。
「間違いなくな」
「では追いますか」
「当然だ、そしてだ」
何としてもだというのだ。
「沈める」
「残るコアはあの中にいるだけですし」
「連中だけは放置出来ない」
東郷の声は何時になく強い。
「若し逃せばな」
「凶悪犯、しかも生身の肉体よりもさらに強い身体を持つ輩を世に放つことになります」
「そうした犯罪者はいる」
東郷はそれもまた世界だということがわかっていた、それで今秋山に対して何時になく険しい顔で言うのだ。
「そしてそうした奴はな」
「放っておいてはなりませんね」
「だから」
それ故にだというのだ。
「ここで仕留める」
「わかりました」
「しかしだ」
ここで東郷はこうも言った、あくまで逃れようとするキングコアの乗艦を全軍で追いながら。
「見たところ逃げるというよりも」
「ええ、そうね」
スカーレットが大和のモニターに出て来て応える。
「むしろね」
「あの機械の大怪獣に向かっているな」
「あの大怪獣は一体」
「ヴァージニア」
ここでまたドロシーが答えてきた。
「ノイマングループが祖国防衛の為の切り札として大怪獣達を研究して計画していた機械の大怪獣」
「それもヒムラーにデータを盗まれていたか」
「おそらく」
こうレーティアに答える、ここでも。
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