オズの五人の子供達
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第二幕その十二
「緑になるんだね」
「そうだね」
神宝はジョージの言葉に笑顔で頷いて答えました。
「エメラルドの都に行けばね」
「そうなるね」
「エメラルドの都に着いたら」
どうなるか、カルロスは言いました。
「まずはサングラスを貰わないとね」
「さもないと眩しいのよね」
「うん、エメラルドの都はその名前通しエメラルドで飾られているからね」
だからだとです、カルロスは恵梨香に答えます。
「そうなるよ」
「そうだったわね」
「うん、だからね」
都の門でサングラスを貰わないといけないのです。
「あそこに入るにはね」
「それはよね」
「そう、そのことは頭の中に入れておこうね」
「エメラルドね」
この宝石についてです、恵梨香はこう言いました。
「お母さんが好きなのよ」
「へえ、そうなんだ」
「お母さん緑色が好きで」
それでだというのだ。
「エメラルドも好きなの」
「緑はいい色だよね」
「カルロス君もそう思うのね」
「緑はブラジルだと黄色と一緒に好かれている色なんだ」
カルロスは自分のお国のことを言いました。
「国旗にも使われているし」
「ブラジルの国旗ね」
「サッカーのユニフォームにもね」
それにも使われているというのです。
「鮮やかでいいよね」
「緑だけじゃないのね、ブラジルは」
「うん、黄色もだよ」
「それじゃあエメラルドの都と僕の国だね」
緑と黄色と聞いてです、木樵が笑顔で言ってきました。
「緑と黄色だから」
「あっ、そうですね」
「そうなりますね」
「それに君の服はね」
木樵はカルロスの黄色い上着も見て言いました。
「僕の色そのままだね」
「そういえば君の服は青いね」
かかしは神宝の上着を見て言います、その青い上着をです。
「マンチキンだね」
「あっ、そうですね」
「それであんたの服は赤ね」
つぎはぎ娘はジョージの赤い上着をボタンの目でじっと見ています。
「カドリングじゃない」
「そうなるね」
「ウィンキーとマンチキンとカドリングだね」
三人はそれぞれ三国揃っています、かかしは右手の人差し指を立てて機嫌よくお話します。
「三国だね」
「後はギリキンとエメラルドの都ね」
「そうよね」
恵梨香とナターシャはここでこうお話しました。
「じゃあ私達も?」
「その色の服がいいのかしら」
「そこはこだわる必要はないんじゃないかな」
ジャックがその二人に言ってきました。
「特にね」
「そうなんですか」
「こだわることも」
「国にもそれぞれの色があるのと同じで人にもだからね」
それぞれの色があるというのです。
「それぞれの色があるから」
「じゃあ私の黒もですか」
「ピンクもいいんですね」
「いいと思うよ、それでね」
こうしたこともお話してなのでした、一行はエメラルドの都へ向かう黄色い道を歩いていきます。もうそれは半ばまで過ぎています。
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