ヘタリア大帝国
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TURN126 グスタフラインその五
「いい動きしてくれるぜ」
「全くだ」
「艦艇はどれも第七世代ってところか」
艦艇の質も見られる。
「俺達程じゃないがな」
「かなり質がいいな」
「しかも将兵もな」
そのドクツ軍の将兵はというと。
「変わってないな」
「動きがいい、あの頃と同じくな」
「嬉しくはあるんだけれどな」
それでもだとだ、プロイセンはここではやれやれといった顔になってそのうえでこう言ったのだった。
「敵だからな、今は」
「そうだ、だからだ」
「戦うしかないな」
「不本意だがな」
「私もだ」
レーティアもこう言う。
「彼等と戦うことはな」
「どうしてもですね」
「抵抗がある」
こうエルミーに答えるのだった。
「彼等は愛する部下であり同胞だったからな」
「そうだ、こうしたことはままあるが」
「どうしても慣れないんだよな」
ドイツもプロイセンも苦い顔であった。
「正直辛い」
「どうしたものだろうな」
「今は戦うしかない」
レーティアも苦い顔だがそれでも意を決して言った。
「仕掛けるのはアルプスの時だ」
「ええ、その時ね」
グレシアもレーティアのその言葉に応える。
「その時に仕掛ければね」
「祖国に攻め入らずに済む」
だからだというのだ。
「今は戦うしかない」
「そういうことだな、今はな」
「やるしかないな」
ドイツとプロイセンも頷くしかなかった、それでだった。
彼等は今は戦った、その精鋭ドクツ軍と果敢に戦い続ける。
その中でだ、エルミーは東郷に通信を入れた、その通信の内容はというと。
「長官、ドクツ軍ですから」
「ああ、潜水艦だな」
「この戦いでも展開しています」
「グスタフラインにも潜ませていたか」
「確かにあのラインは専守でしたが」
攻めることは想定していなかった、枢軸軍を止める為の長城だったのだ。
「ですが潜水艦は用意していたでしょう」
「俺達が攻め寄せて来た時にだな」
「潜水艦での攻撃も行う予定だったでしょう」
「ドクツ軍の基本戦術だな」
「はい」
まさにそれだというのだ、そのドクツ軍の潜水艦艦隊を率いてきた彼女が。
「そうです、ですから」
「ここはだな」
「警戒して下さい、彼等は既に私達の近くにいます」
そうしてきているというのだ。
「そしてです」
「仕掛けて来るな」
「ミサイル攻撃が終わったならば」
間もなくはじまるそれが終わった時にというのだ。
「来ます」
「ソナーに反応はあるか」
東郷はここで将兵達に問うた。
「反応はどうだ」
「今のところはありません」
大和の艦橋にいるソナー員が答えてきた、その耳にはソナーがある。
「何処にも」
「そうか」
「しかし、ですね」
「ああ、デーニッツ提督が言っている」
だからだというのだ。
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