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ヘタリア大帝国

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TURN126 グスタフラインその四

「まずいな」
「ああ、補給に支障が出るぞ」
「ここはどうにかしないと」
「イタリン軍を落ち着かせないとな」 
 そのことにも気を取られてだった、イタリン軍を安堵させる為の人材も派遣されることになった、こうしてドクツ軍はその手を広めることになった。
 結果としてそれがグスタフライン全体の弱体化にもなった、しかし。
 東郷はもうそのラインには兵を向けていなかった、軍を一気にアステロイド帯に開けた道からローマ方面に向かわせる。
 そのうえでだ、こう言うのだった。
「別に防衛ラインは突破する必要はないさ」
「こうしてですね」
「そう、迂回出来るならすればいい」
 日本妹に述べる、その道を通過しながら。
「特に攻めるつもりもなく篭るだけならな」
「こうしてですね」
「まあアルプスはそうはいかないだろうがな」
 既に次のことも考えている彼だった。
「あそこはな」
「そうですね、あのラインは」
「しかしだ」
 このグスタフラインは、というのだ。
「それが出来るからな」
「今の様にですね」
「その通りだ、これには誰も気付かなかった様だがな」
「俺もだよ」
 ローマにずっといるイタリアもだった、このことには。
「まさかこんなやり方があるなんてね」
「アステロイド帯は迂回するだけが方法じゃない」
「一斉射撃による突破もだね」
「地雷原と同じだ」
 ロシアが気付いた通りだった、このことは。
「今回はそれが可能な程度だったからな」
「こうしたんだね」
「そういうことだ、それならだ」
「うん、一気にローマに進んで」
「そこから出てこちらに来るドクツ軍と戦う」
 防衛ラインに篭る彼等とはそうせずに、というのだ。
「そうしよう」
「わかったよ、それじゃあね」
「よし、それではだ」
 東郷はあらためて全軍に告げた。
「全軍ローマに行こう」
「了解です」
「それでは」102
 皆応える、こうしてだった。
 全軍で惑星ローマの前に来た、ドクツ軍もグスタフラインが無視されたのを察してすぐにそちらに全軍を向けた。そうしてであった。
 両軍は正面から激突した、その時に。
 枢軸軍は全力攻撃を浴びせた、その攻撃力でだった。
 数でかなり劣るドクツ軍を退けんとする、だが。 
 ドイツ妹はすぐにだった、その艦載機での攻撃を見て。
「全軍散開」
「了解」
「わかりました」
 将兵達もすぐに応える、そうしてだった。
 ドクツ軍は散開し対空攻撃を行い艦載機に対する、彼等は艦載機を持っていないがそれでもそれで対したのだった。
 だが枢軸軍の攻撃も終わらない、次はビームだった。
 しかしそれもドクツ軍は散陣で対する、そして彼等の攻撃の番になると。
 即座に集結し攻撃して来る、まるで生き物の様に素早く的確な動きだった。ドイツはその動きを見て言った。
「あいつだな」
「ああ、そうだな」
 プロイセンがドイツのその言葉に応えた。
「御前の妹だな」
「そっちの妹もいるな」
「そうだな、二人で指揮してるな」 
 このことを見抜いたのだ、軍の動きから。
「相変わらずいい指揮だぜ」
「全くだ、腕は鈍っていないな」
「流石は俺達の妹だな」
 プロイセンは笑ってこうも言った。 
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