中二病が主人公になったら?
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第16話
前書き
どうも、アガセです。
やはり、いつも通り奇妙な感じで進んでおりますww
木の葉隠れの里・・・
今、ある1人の少年が忍者になるべく新生活をスタートさせた・・・。
「お前ェ・・・本当にそんな顔で撮るのか!?」
「いいから!!いいから!!早く撮って!!」
据え置き型のカメラを使って写真を撮っている親父は少し困惑しているが、被写体となる人物は「いつでもどうぞ!」という風に構えており、どこか忙しない様子である。
「ったく・・・後悔すんなよ!ハイ、チーズ!」
その親父が少年に呆れながら撮った写真が・・・
「お前は何をやっとるんじゃ・・・」
・・・今、火影の手元にある。
どうやら、忍者登録書用の証明写真だったみたいだが、どうみてもこの写真は何かがおかしいと火影は感じていた。
被写体は歌舞伎のようなポーズを取っており、どうみても顔が市○AB蔵っぽくなっており、しかも目は少し内出血しており、白目の部分は見事に赤っかになっている。
「いや~、特殊メイクに挑戦したんだけど、なかなか上手く出来なくって!
特に目の出血部分とかさ!
おかげで完成まで3時間もかかっちまったてばよ!」
どうやら偽AB蔵の正体は、『うずまきナルト』であった。
何故、"変化の術"ではなく特殊メイクにしたのか・・・本当に謎である。
「・・・撮り直し!」
「ええっ!?」
火影が容赦ない判決を下した。
「まったく!忍者登録書を何だと思っておる。
この書類は里だけの隠密性の高い・・・
お前にとっても大切なものなんじゃぞ・・・
なんじゃ、この顔は!?全くの別人ではないか!?」
「いやいや、目の前でネタバレしてんだから分かるでしょ?」
「初見の人には分からんわ!いいから撮り直してこい!」
「いやいや、そこを何とか!m(_ _)m 」
内容は下らないが、やたらと激しい口論が繰り広げられている。
そんな最中、執務室の扉が壊れんばかりの勢いで開かれた。
「じじィ!!勝負だァ、コレ!!!」
「・・・!?」
首には長めの青いマフラー、片手に手裏剣を持った少年が勢いよく部屋に飛び込んで来た。
「ああ!また何てことを・・・」
少し遅れて丸いレンズのサングラスを掛けた男が息を切らして入って来た。
それとほぼ同時に、勢いよく入って来た少年が何もない所で躓き、顔面を強く床に叩きつけてしまった。
「いってェェー!!!」
転んだことよりも転び方が少々マズかったため、男も大慌てである。
しかし、それは杞憂であった。
少年は少し痛そうに頭を押さえながらではあったが、いつもやっている事とでも言うかの如く普通にムクッと起き上がったのである。
「くっそぉ!トラップか、コレ!?」
「だ・・・大丈夫でございますか!?お孫様!!
ちなみに何処にもトラップはありません!!」
少年と男のやり取りを見ていたナルトは、一応火影に訊ねてみる。
「あの、こちらの方々は?」
「あ、ああ、ワシの孫の木の葉丸とその家庭教師をお願いしているエビスじゃ。」
「そ、そうなの・・・。」
"いつもこんな調子なのか・・・?"と2人は少し心配そうな顔を彼らに向ける。
すると・・・
「フム・・・そうか!!貴様が何かしたんだな、コレ!!」
「いやいや、お前が勝手にこけただけだろーが!!」
部屋に入ったときの勢いを取り戻し、その勢いで木の葉丸はナルトに突っ掛かってきた。
何故かナルトも相手のテンションに合わせ、胸倉を掴みながらツッコミを返す。
「コラ!!ナルト!!手を放さないか!
その方は三代目火影様のお孫さんだぞ!!」
「・・・。」
"えっ!何この空気!?白けたんだけど!?"とナルトは少し焦った。
「殴れるもんなら、殴ってみろ!!」
しかし空気を読まず、木の葉丸はナルトに挑発してきた。
"火影の孫って分かった途端、コレだもんな。
フン・・・コイツも所詮、メガネ教師やみんなと同じに決まってるんだ・・・"
と、木の葉丸はそう思ってナルトを睨みつけていると・・・
「ンなの知るかってばよボケ!!!」
「いってェェェ!!」
木の葉丸は頭にナルトの拳の鉄槌をお見舞いされたのであった。
「まったくもう・・・爺ちゃん!
後で撮り直したヤツを持って来るから、昼飯食べてくるわ~。」
「お、おう・・・行っておいで・・・。」
エビスが悲鳴を上げたり何やらタラタラと文句を言っているが、ナルトはそんなことも気にせず『ラーメン一楽』に早足で向かって行った。
・・・ところ変わって『ラーメン一楽』への道中、
建物の物陰や電信柱に隠れながら、そして隠れる場所がないときは"隠れ葦の術"を用いてナルトをストーキングしている者がいたのだが・・・
「何やってんだよ、木の葉丸。
木目もバラバラだし、ホントにバレバレなんだけど・・・。」
ど素人の隠密行動にナルトが気付かない訳がない。
「フフフ・・・よくぞ見破った!コレ!!
流石、噂通りの男!」
何故かドヤ顔をしながら木の葉丸は隠れていた布から出て来た。
「オレ、お前の子分になってもいいぞ、コレ。」
「はっ?」
「その代わり、アカデミーの教師を倒した"あの術"を教えてくれ!!
頼む!!親分!!」
出て来ていきなりこんな事を言い出したのであった。
突然このような事を言われたナルトは流石は困惑した。
「と、とりあえず・・・場所を移させてくれ・・・」
今度は『ラーメン一楽』にて・・・
「おっちゃん!替え玉頼む!」
「オレもおかわりだ、コレ!」
二人は競い合うように『豚骨チャーシュー麺』を啜っていた。
ちなみに御代は『ナルト持ち』である。
「お前、イイ食べっぷりだな!」
「親分に負けてられないんだな、コレ!」
「でも、あんまり食い過ぎるなよ?
後々修行するときに響いちゃうから。」
「大丈夫だぞ、コレ!まだまだ行けっ・・・うっぷ!?」
「あわわわ!?だ、誰かバケツを!もしくはトイレ貸して!!」
食事処で一波乱であった・・・。
「まったく・・・世話掛けやがって・・・」
「すまないんだな・・・コレ。」
危くリバースし掛けた木の葉丸をナルトは公園のベンチにて介抱していた。
「どうだ?大分落ち着いて来たか?」
「ああ、大分良くなったんだな、コレ!」
「それじゃあ、修行すっか?」
「オッス!親分!」
さっきまで青かった顔色が健康な色を取り戻して来ていたので、ナルトはぼちぼち特訓を始めることにした。
「ところで、習いたかった術って何だ?」
「親分がアカデミーで先生を倒したヤツなんだな、コレ!」
恐らく、木の葉丸が言っているのは"変化の術"である。
どうやら、たまたま火影と一緒に水晶玉を通してナルトとイルカのやり取りを見ていたらしい。
「あれかぁ~・・・。
あれは"変化の術"を応用したものなんだけど・・・
よしっ!じゃあ、まずは基礎から教えていくぞ!
よーく見とけよ!」
「オッス!親分!」
「変化!」
ナルトが術を使うと大きな音と煙が立った。
そして、煙の中から出てきたのは、金髪のツインテールで『ボン!キュッ!ボン!』な身長170cmくらいの女性であった。
しかも、原作と違って両頬にあった猫ヒゲのような痣は消えている。
「これが、"変化の術"だ。
特に、今やっているような『美人に化けて色仕掛けで相手をオトす術』を"おいろけの術"という。
こういった術は自分の頭の中で鮮明なイメージを持ってやらないと失敗する。
まあ、実際に何度もやってみてコツを掴んでいくのが一番だな。
とりあえず、『ボン!キュッ!ボン!』だ。やってみろ!」
「オッス!親分!
・・・"変化の術"!!!」
一通り説明して実際に木の葉丸にやらせてみれば、どうみても中年太りしたオバサンが出て来てしまった。
「アウト!もっとしっかりイメージするんだ!」
「オッス!!親分!!!」
・・・30分後
「やったぞ、コレ!ついに完成したぞ、コレ!」
「ああ!やったな、木の葉丸!」
「ところで、『相手をオトす』とはどういうことだ、コレ?」
彼は純粋な子供であるが故に、大人の世界は知らない。
なので、子供にも何となく分かるように説明する。
「いいか?例えば、火影の爺ちゃんってよくエロ本読んでるよな?」
「そうだぞ、コレ。たまに鼻血を出してる時があるんだぞ、コレ。」
「それでな?この術を爺ちゃんに見せたとしよう。
すると、どうなると思う?」
「・・・?どうなるんだ、コレ?」
「エロ本ですら鼻血を出すのに、生でそんなモノを見ちゃったら
鼻血が止まらなくなって、出血多量で倒せちゃうって訳だ。」
「・・・!?スゴイんだな、コレ!
流石、親分!頭がイイんだな、コレ!」
・・・何故かこんな無駄なことに魂込めて挑んでいるような2人だが、
何だかんだでこの術を通して2人の仲は急速に縮まって行った。
「ところで・・・何でお前ってば、そんなに爺ちゃんに食って掛かるんだ?」
「そういえば・・・」という感じでふと思った疑問をナルトは木の葉丸にぶつけてみた。
木の葉丸はそれを聞かれて少し影を落としてしばらく黙ったが、やがてポツポツと語り出した。
「・・・『木の葉丸』って名前・・・・・・爺ちゃんがつけてくれたんだ。
この里の名前にあやかって。
でも、これだけ里で聞き慣れた響きの名前なのに・・・
誰一人その名前で呼んでくんない!
みんなオレを見る時やオレを呼ぶ時、ただ『火影の孫』として見やがんだ。
誰もオレ自身を認めてくんない。
もう、イヤなんだ、そんなの!!
だから、いま直ぐにでも火影の名前が欲しーんだ!!」
木ノ葉丸は粛々と自分の気持ちを最後まで語った。
ナルトは少し考えてから、口を開いた。
「・・・お前の気持ちは分かるけど、今のお前じゃダメだ。」
「え!?」
「いいか?火影ってのは何でも1人で責務を全うしている訳じゃない。
当然、手伝ってくれている仲間がいるだろう。
では、『その仲間』とはどうやって作るのだろうか?
その答えは簡単だ。
『その人に自分を認めて貰う』だ。
しかし、その道は非常に険しい。
日々、地道に頑張って、頑張って、そして頑張った末にやっと辿り着くものなんだ。
実際、オレだってついこの前やっと、認めてくれた人を1人増やせたんだし。
だからいいか?これから言う事をよく聞いてくれ。
『火影になった者が皆から認められるんじゃない、皆から認められた者が火影になるんだ』。
この事を決して忘れないで欲しい。」
「・・・フン!偉そーに説教なんかしちゃってさ、コレ!
オレ、もう子分なんかやーめた!
これからは・・・ライバルだ!」
「ああ!それじ「見つけましたぞ!お孫様!」・・・水を差すんじゃねぇよ!」
空気を読まずに現れたのは、サングラスの男、エビスであった。
「さっ!お孫様、帰りましょう!
こんなクズといてはお孫様に悪影響が出てしまう!」
「・・・ナルト兄ちゃんが・・・クズ・・・?」
「そうですとも!こんな人とは一緒にいてはいけま「・・・ナルト兄ちゃんはクズ何かじゃないぞ、コレ!!」せ・・・ん?」
「ナルト兄ちゃんは大事なことをちゃんと教えてくれたんだぞ、コレ!!
バカにするなー!!」
「何を仰いますか!こんなヤツ、生きている価値なんかないんですぞ!」
エビスのその一言でナルトと木の葉丸はついに沸点に達した。
「なぁ、木の葉丸。」
「何?ナルト兄ちゃん。」
「早速、オレ達にとって最初の『認めさせるべき人』が見つかったってばよ。」
「・・・そうだな、コレ。」
2人は何か悪戯を思い付いたかのような怪しげな笑みを浮かべていた。
「さあ、お仕置きだってばよ!!」
「お仕置きだ、コレ!!」
木の葉丸はチャクラを練り始め、ナルトは"多重影分身"を展開した。
エビスは何やら良からぬ気配を2人から感じ取り、咄嗟に身構える。
「「変化!!!」」
声を揃え、一斉に変化の術を繰り出す。
木の葉丸は黒髪のスタイル抜群な美女に変化をし、ナルトの場合は、モデル体型からペドまで、一人ひとり別の変化をし、様々なタイプの女性を用意した。
そしてナルト達は一斉にエビスに襲い掛かり、所謂『女塗れ』の状態にした。
エビスは鼻の下を伸ばし、鼻血を噴射してロケットのように何処かへ飛び去って行った。
普段、真面目でお堅いエビスにはハーレムのような珍しい類の色仕掛けに対しては耐性が0だったので、効果は抜群であった。
「「"ハーレムの術"成功!!」」
2人は術を解いてガッツポーズ、そして激しいハイタッチを交わした。
「でもやっぱり、ナルト兄ちゃんの方がスゴかったぞ、コレ!
兄ちゃんがいっぱいになったし!」
「まあ、この術もいずれ教えて上げるさ。
そんなことより、まずは一歩前進したな!」
ナルトはニコッと笑い掛ける。
木の葉丸も大層嬉しそうに笑った。
「さて、お前には悪いけどオレは明日から一足先に忍者になる!
先に火影になるための一歩を踏み出すけど・・・
・・・いずれお前も追いついて来いよ、木の葉丸!!」
木の葉丸は名前を呼ばれて一瞬固まった。
初めて他人から、ちゃんと名前を呼んで貰えて感動したからである。
木の葉丸は少し照れながらナルトに握手を求め、ナルトもそれに応え、
これからの互いの健闘を祈り合ったのであった。
後書き
大分古いネタでしたかねww
某歌舞伎役者が暴れたあの事件、目が内出血していたあの顔がテレビのニュースでデカデカと取り上げられていたのを今でも鮮明に覚えています。
私があの時に受けた衝撃は『和○元彌ダブルブッキング事件』に匹敵するくらいだったと思いますww
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