MS Operative Theory
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軍編制
ジオン公国軍の編制①
——地球連邦軍を追い込んだ、ジオン公国軍の組織と編成——
U.C.0069から0079までの約11年間存在したジオン公国軍は、保守的な性格を持っていたサイド3の国防隊/国軍とは異なり、対外的な戦争を目的とした群体であった。これはザビ家の主導によって再編されたためで、地球連邦軍宇宙艦隊との戦闘や、地球侵攻を含む大規模な軍事行動力が求められていた。
30倍もの国力を持つ地球連邦との戦争を遂行するために、ジオン公国軍では再編に当たって大幅な軍拡が図られた。U.C.0069,10に行われたパプア級ミサイル戦艦(後に輸送艦へ改修)就役が最初期のものとして知られる。
これ以降、U.C.0070,06にチベ級戦艦(後に高速重巡洋艦)、U.C.0076,03にはグワジン級大型戦艦がそれぞれ就役し、急速に宇宙戦力を拡充させた。ここで注目すべきは、それ以前の宇宙艦艇とは異なるコンセプトで開発されたムサイ級軽巡洋艦(U.C.0075,07就役)の存在である。
ムサイ級は、MSの運用を前提として設計された艦艇である。このMSこそ、ジオン公国軍の切り札であり、数に勝る地球連邦軍を撃破しうる原動力と考えられた。
ミノフスキー粒子が散布された環境に対応した数少ない兵器であるMSが、既存の兵器システムに依存する地球連邦軍に対して、絶大なアドバンテージを発揮することは、開戦以前に行われた運用試験で予測されていた。こうしてジオン公国軍はMS中心の軍編成を採るかに思われた。しかし、ジオン公国内において、MSの位置付けを巡り対立が起きていた。
これが、MSを艦艇の補助兵器と考えるドズル・ザビ少将と、MSを主力兵器だと見做すキシリア・ザビ大佐(階級は共に当時のもの)の見解の相違である。
この対立は、両者が辞職をほのめかすレベルにまで発展したと言われる。これを仲裁したギレン・ザビ総帥は、ジオン公国軍を二つに分割する案を提示し、ドズルとキシリアもこれを受け入れた。その結果、ドズルの宇宙攻撃軍とキシリアの突撃機動軍が誕生したのである。
こうして両社は各々が指令を務める軍において、独自の編成を採った。当初、宇宙攻撃軍はドズルの意向を反映し、宇宙艦隊中心の編成を採用した。しかし、一年戦争緒戦のMSの戦果により、後に宇宙攻撃軍もMS中心の編成へと移行している。
戦術論を巡る対立の結果、ジオン公国軍は二軍制を採用せざるを得なかった。これがジオン公国軍、ひいてはジオン公国そのものの体制を歪める結果を招くこととなった。
両軍トップの対立が感情的なレベルにまで達した結果、情報の伝達が不完全であっただけではなく、キシリア少将が独自に情報や技術、資源を掌握するようになったのである。また、地球進行にあたって設立された地球方面軍も、突撃機動軍の将兵を中心に編成されていた。
このように、ジオン公国軍はザビ家内の政治的な対立の影響下を受けると共に、その構造を複雑にしていったのである。
補足事項
——地球方面軍の編制——
地球方面軍は、それまでジオン公国軍にはなかった航空部隊や海洋部隊を持つ点が特徴である(コロニー守備隊には、コロニー内用の航空部隊を所有していた)。
ガウ級攻撃空母を中心とした航空部隊や、マッド・アングラー級潜水艦、ユーコン級潜水艦を中核とする海洋部隊は、地球制圧後に強化されていった。
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