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MS Operative Theory

作者:ユリス
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軍編制
  地球連邦軍の編制➄

——汎用性を好み、特化を避ける、地球連邦軍の装備——

 局地戦用MSやMAなどを多数配備したジオン公国軍や、ショット・ランサーやラバー製ソールを装備したMSを採用し、コロニー内戦闘を重視したクロスボーン・バンガードなどとは異なり、地球連邦軍では局地戦用MSの配備数はわずかであった。

 RGM-79(ジム)のバリエーションとして寒冷地専用であるD型や、コロニー周辺戦闘用のG型などが存在していたが、これらは汎用機ジムの改修型であって、局地戦用機には分類されない(局地戦用機と比較した場合、適応能力に劣る傾向がある)。

 この背景には、地球連邦軍がMSに汎用性と拡張性を求めており、回想で局地戦用機への転換が可能と考えていたこと、局地では既存の兵器と共同で運用することで適応性の低さを補えたことなどが要因と推測される。また、U.C.0080年代中期以降におけるMSの性能向上や、サブ・フライト・システムの普及もこの傾向を後押ししていた。

 汎用MSを好む地球連邦軍の姿勢は一年戦争後も変わることなく、ティターンズ系などの特殊な開発系統以外で、局地戦用MSが開発されることはほとんどなかった。これに対し、RX-77(ガンキャノン)系に代表される支援MSの開発には積極的であった。



——地球連邦軍の装備の変遷——

 一年戦争後期、MSを中心とした宇宙世紀型の編成を採るようになった地球連邦軍は、U.C.0150年代の今日までMSを中心としたドクトリンを採用している。

 この結果、主力戦車のような重装甲・大火力のAFVこそ減少したが、ミサイル・エレカに代表される小型車両は多数が運用されている。また、宇宙艦艇は近代化改修によって艦隊寿命を延ばすことが多く、新設計艦が大規模に配備されることは少なかった。


■一年戦争期—————MS運用の開始と旧式兵器との混在

 地球連邦群は、宇宙艦艇を中心とした宇宙軍と、旧世紀からの兵器とを主力とする地球軍の二軍で構成されていた。しかし、一年戦争初期にジオン公国軍のMSの威力を目の当たりにしたため、一年戦争後期にはMS中心の編成を採るようになった。当初はMSの数が十分ではなかったこともあり、地球軍では航空機やAFVなどとの共同運用も目立った。


▼MS—————ジム・シリーズの配備

 一年戦争後期に、RX系MSで得たデータを反映させた汎用MSジムを配備。支援MSの配備も同時に行われている。


▼艦艇—————MS運用艦の不足

 マゼラン級やサラミス級などの攻撃艦のほか、コロンブス級補給艦を配備。一部の試験艦以外に、本格的なMS運用艦は少なかった。


▼その他兵器—————充実した旧世紀型兵器

 膨大な数の航空機やAFVが配備されていた。これ以外にも宇宙用としてRB-79(ボール)が開発され、MSの支援にも用いられた。


■U.C.0080年代前期—————本格的MS時代への過渡期

 一年戦争の終結後、旧ジオン公国軍残党に対応するために「連邦軍再建計画」などの建て直し計画が実施された。この時期は、新型MSの開発よりも一年戦争で消耗した戦力の補充と再編が急がれており、ドクトリンも一年戦争末期と変わらなかった。この結果、大鑑巨砲主義な装備も数多く残されることになった。


▼MS—————ジム・バリエーション

 主力MSはRGM-79C(ジム改)へと移行した。ガンダム系MSやハイザックなど次期主力MSの試作機もこの時期に開発されている。


▼艦艇—————大鑑巨砲主義の再興

 連邦軍再建計画で配備されたマゼラン改級やサラミス改級は、一年戦争型の改修機であった。しかし、MS運用能力には欠けていた。


▼その他兵器—————一年戦争型の改修タイプ

 MS支援用としてボール改修型が、大気圏内での輸送用としてミデア級が使用され続けた。ガルダ級もこの時期に配備されている。


■グリプス戦役—————新世代MSの配備

 一年戦争型のジム系改修機と、ハイザックに代表される新設計MSの大規模な配備が行われていた。これ以外にも、SFSが普及したことによって地球連邦軍のMSは高い機動性を獲得した。また、宇宙艦艇も本格的なMS運用能力を持つようになり、多くの部隊でMSのシステム的運用が可能となった。


▼MS—————ジム系とジオン系の混合配備

 ジムⅡや諸技術を複合させたハイザックなど、新型MSが配備された。ジムⅡの次の主力機であるバーザムはティターンズに配備された。


▼艦艇—————本格的MS運用艦の配備

 艦隊の前半部をMSデッキとしたサラミス改級が主力艦となった。一部の部隊には、新型のアレキサンドリア級も配備された。


▼その他兵器—————SFSの普及

 ベース・ジャバーやゲターに代表されるSFSが普及し、MSの行動半径が大幅に拡大した。航空機は一年戦争型が使用されている。


■第1次ネオ・ジオン戦争—————グリプス戦役の継承

 グリプス戦役で甚大な被害を出した地球連邦軍は、第1次ネオ・ジオン戦争期では戦力の再編に努め、対ネオ・ジオン戦闘はエゥーゴやカラバが行った。このため、新型兵器開発よりも既存兵器や改修機の生産が優先され、新型機はあまり見られなかった。


▼MS—————改修機の配備

 ジムⅡの回収型であるRGM-86(ジムⅢ)が、主力MSとして配備された。新設計機はほとんど見られなかった。


▼艦艇—————新型艦の不在

 グリプス戦役で大規模な被害を受けた宇宙艦艇は、新艦艇を建造して再編された。新造艦の大半はサラミス改であった。


▼その他兵器—————エゥーゴ、カラバとの共用

 ガルダ級アウムドラがカラバへと譲渡されたように、カラバやエゥーゴの装備の共有が図られた。


■シャアの反乱—————大規模な装備の更新

 第1次ネオ・ジオン戦争が終結した直後、ネオ・ジオン残党に対処する意味もあって、地球連邦軍はMSや艦艇の更新に着手した。この結果、カイラム級戦艦やクラップ級巡洋艦、RGM-89(ジェガン)などが配備された。しかし、新型艦艇に限っては全軍に行き渡ることはなかった。


▼MS—————ジム・バリエーションからの脱却

 ジョン・バウアー議員の後押しで、新設計のRGM-89(ジェガン)が主力機として採用された。これに伴いジムⅢは順次退役した。


▼艦艇—————新型戦艦と巡洋艦の配備

 MS運用艦として新設計されたカイラム級戦艦とクラップ級巡洋艦が就役。サラミス改も多くの部隊で使用され続けた。


▼その他兵器—————新型SFSの配備

 宇宙用SFSとして、新型のベース・ジャバー(グリプス戦役期の大気圏内用モデルとは異なる)が配備された。


■コスモ・バビロニア建国戦争—————停滞する装備の更新

 シャアの反乱以降、大きな戦乱が無く、ジオン共和国が自治権を放棄したこともあって地球連邦には仮想敵が存在しなくなった。このため、小型MSの開発が進展しても機種更新は進まず、既存機の改修型も広く運用され続けた。この状況は宇宙艦艇も同じで、改修型が配備されていた。


▼MS—————小型MSへの過渡期

 小型MSであるヘビーガンおよびGキャノンの配備が進んでいたが、ジェガンの改修型も広く使用されていた。


▼艦艇—————戦艦の増加

 艦艇はMSの大型化が見られなくなったこともあって、旧式の改修型が使用されていた。中でもカイラム級が増加していたようだ。


▼その他兵器—————地上車両の充実

 ミサイルや機関銃を搭載したエレカなど、コロニー内戦闘を意識したAFVが、各コロニーの守備隊に配備されていた。


■ザンスカール戦争—————小型MSへの完全機種転換

 コスモ・バビロニア建国戦争後、コロニー艦紛争が頻発したが、地球連邦の求心力が低下したこともあって、地球連邦軍は強化されていなかった。数少ない戦力の増強として、U.C.120前後から進められていた小型MSへの更新が行われた。この結果、U.C.150頃にはほぼ全てのMSが小型機となっていた。


▼MS—————小型MSの普及

 U.C.0120前後に開発された小型MS、RGM-119(ジェムズガン)とRGM-122(ジャベリン)が全軍に配備された。


▼艦艇—————ビーム・シールドの装備

 カイラム級やクラップ級、サラミス改級など、主力艦艇の多くに近代化改修が施され、ビーム・シールドが装備された。


▼その他兵器—————補助装備の配備

 戦闘/支援用の高速艇のほか、無人偵察モーターグライダー「ドロシー」などの無人偵察用も配備された。

 
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