ヘタリア大帝国
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TURN121 カメルーンとケニアその七
だが、だった。レーティアはケニアに入城してからあらためてこう言った。
「あの木造船のことだが」
「あの船達のことね」
マリーがレーティアのその言葉に応える。
「暗黒人の」
「この星域の原住民達だな」
「うん、そうだよ」
その通りだとだ、マリーはレーティアに微笑んで答える。
「あの娘達はね」
「そうか」
「エイリス軍がケニアに進出してからレジスタンスっていうかね」
「彼等にしてみれば故郷奪還のか」
「それでエイリス軍に何度も仕掛けてきてるのよ」
「そのことは私も聞いていた」
そのことも既に調べているレーティアだった。
「後々のアフリカ統治のことを考えてな」
「流石ね、そこまで考えていたのね」
「そうだった、原住民達の統治も重要だからな」
かつてのドクツの統治方式を踏まえての言葉である。
「だが暗黒宙域についてはな」
「知らなかったのね」
「資料がないな」
レーティアはこうマリーに返した。
「暗黒宙域のことは」
「そうなの、あそこに探検隊を何度も送ってるけれど」
エイリスとしても調べないではいられなかった、それでだったのだ。
暗黒宙域に探検隊を送ってきたのだ、だがそれでもだったのだ。
「帰って来た人はいないのよね」
「そうか」
「それであそこのことはエイリスも知らないの」
「まさに暗黒宙域か」
「それで暗黒人のこともね」
彼等についてもだというのだ。
「全くわからないのよ」
「そうだったのか」
「そう、何もね」
マリーはレーティアに首を傾げさせながら答えた。
「だから資料もないのよ」
「私が知らないのも道理だな」
「そう、それで暗黒人達のことだけれど」
「彼等のことか」
「あの子達は戦闘の時は放置したわね」
「我々の敵はあくまでエイリス軍だからな」
だから無視した、レーティアはマリーにありのまま答えた。
だが今はだとだ、レーティアはマリーに対して言った。
「しかしケニアを解放したからにはだ」
「これからは、っていうのね」
「カメルーン君も呼ぼう」
ここで彼の名前を出したレーティアだった。
「彼なら暗黒人のことも知っているだろう」
「近いからね」
「よし、では決まりだ」
レーティアは決断を下した、そのうえでだった。
カメルーンも呼ばれた、彼はレーティアに対してその暗黒人達のことを話した。彼等はどういった者達かというと。
「彼等の願いはあくまでこのケニア星域を取り戻すことです」
「つまり独立か」
「そうです」
その為にエイリスと戦っていたというのだ。
「つまりここは」
「我々の政策通りにか」
「ケニアも独立させてです」
そしてだというのだ。
「彼等に星域を返還すべきかと」
「わかった、本当にこれまで通りだな」
レーティアはカメルーンの言葉を受けて静かに頷いた、そしてだった。
暗黒宙域の方に自身の艦隊を向かわせた、そのうえで宙域から出て来た木造船の艦隊に対してこう告げた。
「諸君等と話がある」
「ホシをカエせ!」
「そのつもりだ」
こう告げたのである。
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